栄養素辞典
ビタミンK
健康レシピ
2015年06月29日掲載
ビタミンKは、オランダ語の「凝固(Koagulation)」という言葉に由来しています。出血したときなど血液を固めるために必要なたんぱく質の合成は、このビタミンによるものです。また、同時に骨や歯に含まれるカルシウムの流出も防ぎ、結果として骨を丈夫にする働きも持っています。
食品中に存在するビタミンKは2種類あります。緑黄色野菜に多く含まれる、植物由来のビタミンK1(フィロキノン)と、納豆やチーズなどに多く含まれる、微生物由来のビタミンK2(メナキノン)です。
一般的にビタミンKは、体内の腸内細菌によっても作られているので、普通の食事をしていれば、あまり摂取不足を心配する必要はないでしょう。ただ、腸内細菌の活動が未熟な乳児や、抗生物質の摂取によって働きが弱まっている人は、ビタミンKが不足する恐れがあります。
現在日本では、頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ)を予防するため、新生児にビタミンKシロップを投与しています。
ビタミンKの主な働き
1.血液を凝固させる因子(フィブリノーゲンやプロトロピン)の生成を助ける
2.骨や歯にカルシウムが沈着するのを助ける
ビタミンKが不足すると | ビタミンKを摂りすぎると |
---|---|
脳出血、血液凝固不良、骨の異常、脂肪生下痢などの原因となります。 | 急性貧血、血圧低下などの原因となります。※サプリメントなどで一度に大量摂取した場合、一時的に貧血や血圧低下が起きる恐れがありますが、今のところ食事からの過剰症の報告はありません。 |
積極的に摂取したほうが良い方
授乳期の女性、新生児、抗生物質を投与されている方など。
吸収を促進する要素
整腸作用があるもの(ビフィズス菌など)、油脂類
吸収を阻害する要素
抗生物質(腸内細菌を減らしてしまうもの)
ビタミンKの含有量の変化
ビタミンKは、発酵することによって増加することがわかっています。
・ゆで大豆:7μg→納豆:870μg
・すぐき菜:0μg→すぐき漬:270μg
※100g当たり
ビタミンKが特に多く含まれる食品
納豆、春菊、ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、ワカメ、ひじき
ビタミンKの1日の摂取基準
(単位:μg/日) | ||
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
目安量 | 目安量 | |
0~5(カ月) | 4 | 4 |
6~11(カ月) | 7 | 7 |
1~2(歳) | 25 | 25 |
3~5(歳) | 30 | 30 |
6~7(歳) | 40 | 40 |
8~9(歳) | 45 | 45 |
10~11(歳) | 55 | 55 |
12~14(歳) | 70 | 65 |
15~17(歳) | 80 | 60 |
18~29(歳) | 75 | 60 |
30~49(歳) | 75 | 65 |
50~69(歳) | 75 | 65 |
70以上(歳) | 75 | 65 |
妊婦の方 | - | +0 |
授乳期の方 | +0 |
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。