栄養素辞典
亜鉛
健康レシピ
2015年06月29日掲載
亜鉛は、主に遺伝や細胞の新生に関わるミネラルの仲間です。普通の食生活を送っていれば過不足なく摂取できますが、汗や尿となって体外に排出されやすいので、汗を大量に流して運動する方やダイエット中、高齢の方などは亜鉛不足に注意しましょう。亜鉛が不足すると、細胞の生まれ変わりが早い舌の味覚障害を起こす場合があります。
亜鉛は、クエン酸・ビタミンC・植物性たんぱく質と一緒に摂ることで吸収率が上がります。しかし、食品添加物や穀物中のフィチン酸、食物繊維や飲酒は、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。
最近では、食生活の簡便化によって、加工食品やインスタント食品を手軽に摂取する機会が増え、その結果亜鉛が不足して味覚障害を起こす方も増加しています。
亜鉛の主な働き
1.DNAやたんぱく質の合成に関与
細胞の新生を促進します。
2.体内でさまざまな酵素の構成成分となる
活性酸素を抑える抗酸化酵素の構成成分となり、生活習慣病の予防・改善に役立ちます。
3.インスリンの構成成分となる
4.アルコールの解毒作用
5.味覚・嗅覚を正常に保つ
6.皮膚・骨格の発育を維持
亜鉛が不足すると | 亜鉛を摂りすぎると |
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味覚・嗅覚障害、皮膚障害、発育不全、性腺機能不全、免疫力の低下、脱毛症などの原因となります。 | 高比重(HDL)コレステロールの低下、消化器系の障害、貧血、急性中毒などの原因となります。 |
積極的に摂取したほうが良い方
よく汗をかく、利尿剤を使用している、ダイエットしている、味を感じにくい、加工食品やインスタント食品をよく利用する方など。
亜鉛が特に多く含まれる食品
牡蠣(かき)、小麦胚芽、豚レバー、牛の肩肉、うなぎ、するめ、ごま、カシューナッツ、ココア
亜鉛の1日の摂取基準
(単位:mg/日) | ||||||||
年齢 | 男性 | 女性 | ||||||
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推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 | |
0~5(カ月) | - | - | 2 | - | - | - | 2 | - |
6~11(カ月) | - | - | 3 | - | - | - | 3 | - |
1~2(歳) | 4 | 5 | - | - | 4 | 5 | - | - |
3~5(歳) | 5 | 6 | - | - | 5 | 6 | - | - |
6~7(歳) | 6 | 7 | - | - | 6 | 7 | - | - |
8~9(歳) | 7 | 8 | - | - | 7 | 8 | - | - |
10~11(歳) | 8 | 10 | - | - | 8 | 10 | - | - |
12~14(歳) | 9 | 11 | - | - | 8 | 9 | - | - |
15~17(歳) | 11 | 13 | - | - | 7 | 9 | - | - |
18~29(歳) | 10 | 12 | - | 40 | 7 | 9 | - | 35 |
30~49(歳) | 10 | 12 | - | 45 | 8 | 9 | - | 35 |
50~69(歳) | 10 | 12 | - | 45 | 8 | 9 | - | 35 |
70以上(歳) | 9 | 11 | - | 40 | 7 | 9 | - | 30 |
妊婦の方 | - | +1 | +2 | - | - | |||
授乳期の方 | +3 | +3 | - | - |
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