栄養素辞典
セレン(セレニウム)
健康レシピ
2015年06月29日掲載
燃焼する時に月のような光を放つことから、ギリシャ語の「月(selene)」にちなんでつけられたセレンは、主に体内の酸化を防止する作用を持ちます。抗酸化酵素の活性化を助け、がんや動脈硬化の予防などの点から、注目されているミネラルです。
がんや動脈硬化の原因となる過酸化脂質は、体内で不飽和脂肪酸の酸化によって作られます。この酸化を防止するのにセレンが必要で、セレン自体にも、がんを抑制する作用があるのではないかと言われています。セレンの抗酸化作用をさらに高めるには、ビタミンEや亜鉛と一緒に摂取すると良いでしょう。
魚介類、肉類、卵、乳類、穀類などに多く含まれますが、穀類の含有量は土壌中のセレン濃度によって左右されます。また、セレンを含んだ塵埃(チリやホコリ)が呼吸によって体内に取り込まれ、中毒症を起す場合があるため、取り扱う産業現場などでは注意が必要とされています。普通の食事をしていれば心配ありませんが、摂りすぎると中毒を引き起こすので注意しましょう。
セレン(セレニウム)の主な働き
1.生体内の過酸化脂質を分解する
2.活性酸素を除去する酵素の構成成分となる
「グルタチオンペルオキシターゼ」と言い、活性酸素を除去する酵素のひとつです。
3.甲状腺ホルモンを活性化する酵素の構成成分となる
4.血圧に関わるホルモンに作用する
5.水銀などの有害物質を無毒化します。また、血栓症の予防に役立ちます。
セレンが不足すると | セレンを摂りすぎると |
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克山病(心筋障害)、カシン・ベック病(地方病性変形性骨軟骨関節症)などの原因になるとの報告もありますが、因果関係についてはまだ明らかにされていません。 | 脱毛や爪の形態変化、胃腸障害、湿疹、呼気ニンニク臭、疲労、過敏、神経系の異常などの原因となります。 |
吸収を阻害する要素
亜鉛不足、水銀、チオシアン酸、シアン配糖体
セレンが特に多く含まれる食品
マグロ、ワカサギ、ウニ、イワシ、干しエビ、タラコ、カレイ、ホタテ、卵、ねぎ、ビール、牡蠣(カキ)、タラ
※魚介類(特にマグロ)には高濃度のセレンが含まれますが、水銀が共有するため有効性は低いとも言われています。詳細はまだ明らかにされていません。
セレンの1日の摂取基準
(単位:μg/日) | ||||||||
年齢 | 男性 | 女性 | ||||||
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推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 | |
0~5(カ月) | - | - | 15 | - | - | - | 15 | - |
6~11(カ月) | - | - | 15 | - | - | - | 15 | - |
1~2(歳) | 10 | 10 | - | 50 | 10 | 10 | - | 50 |
3~5(歳) | 10 | 15 | - | 70 | 10 | 15 | - | 70 |
6~7(歳) | 15 | 15 | - | 100 | 15 | 15 | - | 100 |
8~9(歳) | 15 | 20 | - | 120 | 15 | 20 | - | 120 |
10~11(歳) | 20 | 25 | - | 160 | 20 | 20 | - | 150 |
12~14(歳) | 25 | 30 | - | 210 | 20 | 25 | - | 200 |
15~17(歳) | 25 | 35 | - | 260 | 20 | 25 | - | 220 |
18~29(歳) | 25 | 30 | - | 280 | 20 | 25 | - | 220 |
30~49(歳) | 25 | 30 | - | 300 | 20 | 25 | - | 230 |
50~69(歳) | 25 | 30 | - | 280 | 20 | 25 | - | 230 |
70以上(歳) | 25 | 30 | - | 260 | 20 | 25 | - | 210 |
妊婦の方 | - | +5 | +5 | - | - | |||
授乳期の方 | +15 | +20 | - | - |
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。