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栄養素辞典

たんぱく質

たんぱく質

たんぱく質は、3大栄養素「糖質」・「脂質」・「たんぱく質」のひとつで、生命にとって必須の栄養素です。たんぱく質は体内に入ると胃液・膵液(すいえき)・腸液によってアミノ酸にまで分解されます。分解されたアミノ酸は、小腸で吸収され、門脈を経て肝臓に運ばれ、体を構成しているたんぱく質(体たんぱく質)に合成されます。
たんぱく質が不足すると、体は筋肉を作っているたんぱく質(筋たんぱく質)を分解して、より大切な組織にアミノ酸やエネルギーを供給します。そのため、筋肉が痩せてしまい筋肉量が減少します。しかし、たんぱく質を必要以上に摂取しても、たんぱく質として貯蔵されることはなく、糖質・脂肪として貯えられ、また、余分なアミノ酸は尿素となって尿中に排泄されます。

たんぱく質の主な働き

1.体たんぱく質合成の材料となるアミノ酸を供給する
体たんぱく質の合成とは、成長、体組織の維持、胎児の発育、母乳の産生、傷ついた組織や細胞の修復を行います。
2.エネルギー源(1gあたり約4kcal)
糖質不足や糖質脂質の代謝異常などで体に必要なエネルギーが不足すると、体たんぱく質はアミノ酸に分解、そのアミノ酸がグルコースに変換され、エネルギーとして利用されます。

たんぱく質が不足すると たんぱく質を摂りすぎると
筋肉量の減少、体力低下、思考力低下、免疫力低下、貧血、成長阻害、下痢、むくみ、疲労、精神障害、全身障害などの原因となります。 腎臓機能低下、肥満、骨粗しょう症(たんぱく質が体内のカルシウムを尿中に排泄する)などの原因となります。

たんぱく質が特に多く含まれる食品

肉、魚介、卵、大豆製品、乳製品など

必須アミノ酸とは

必須アミノ酸は、一つでも不足すると、栄養価が不足している他のアミノ酸の値にあわせてしまうため、全体の栄養価を下げることになってしまいます。つまり、一つの食品だけに偏らず、いろいろな食品を摂取して、それぞれの欠けているアミノ酸を補うようにする必要があります。

≪必須アミノ酸の種類≫

イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン(トレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジン

たんぱく質の1日の摂取基準

成人の場合、1日の摂取基準は[1.01g×体重(kg)]で計算します。
また、目標量の数値はたんぱく質エネルギー比率で、[たんぱく質量(g)×4(kcal/g)÷総エネルギー量(kcal)×100]で計算します。

(単位:g/日)
年齢 男性 女性
推定平均
必要量
推奨量 目安量 推定平均
必要量
推奨量 目安量
0~5(カ月) - - 10 - - 10
6~8(カ月) - - 15 - - 15
9~11(カ月) - - 25 - - 25
1~2(歳) 15 20 - 15 20 -
3~5(歳) 20 25 - 20 25 -
6~7(歳) 25 30 - 25 30 -
8~9(歳) 30 40 - 30 40 -
10~11(歳) 40 45 - 35 45 -
12~14(歳) 45 60 - 45 55 -
15~17(歳) 50 60 - 45 55 -
18~29(歳) 50 60 - 40 50 -
30~49(歳) 50 60 - 40 50 -
50~69(歳) 50 60 - 40 50 -
70以上(歳) 50 60 - 40 50 -
妊婦初期(付加量) - +0 +0 -
妊婦中期(付加量) +5 +5 -
妊婦後期(付加量) +20 +25 -
授乳期の方(付加量) +15 +20 -


出典:日本人の食事摂取基準(2010年版)

≪スポーツ選手のたんぱく質必要量≫

スポーツ選手は一般の人よりたんぱく質の代謝が活発です。このため、摂取量も一般の人より多く摂る必要があります。
・持久性運動(長時間の運動):体重1kgに対し、1.2~1.4g
・レジスタンス運動(筋力トレーニングなど):体重1kgに対し、1.7~1.8kg
レジスタンス運動の場合、たんぱく質摂取が多いほど体たんぱく質の合成を促進し、筋肉量の増大に有効です。

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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