栄養素辞典
ビタミンD
健康レシピ
2015年06月29日掲載
ビタミンDには、D2からD7まで種類があって、人間の体に効果があるビタミンD2とD3をビタミンDとしています。
このビタミンDは油脂に溶けやすく、光や熱、空気の酸化など、酸によって壊れやすい性質があります。
また、カルシウムの吸収に深く関わっているため、ビタミンDが不足すると、カルシウムを十分に摂っていてもその吸収率が下がってしまいます。
皮膚中に存在するプロビタミンDは、日光中の紫外線に当たるとビタミンDに変換され、体内に吸収・代謝されます。プロビタミンとはビタミンになる前の形で、プロビタミンDは、きのこや海草類に多く含まれるほか、コレステロールから合成されるものもあります。
よって、ビタミンDそのものを食品から摂らなくても、プロビタミンDやコレステロールを十分摂取できていれば、日光浴によって体内でビタミンDが合成され、必要量の大半を確保することができます。(※)
(※)日光浴は適度に行うようにしてください。大量の紫外線を浴びると、皮膚ガンなどの原因となるので1日10分程度で十分です。
ビタミンDの主な働き
1.カルシウムとリンの吸収・代謝に関与
血中濃度を一定に保ち、骨や歯への沈着を促します。
2.骨や歯の形成
3.がん細胞の増殖を抑える
4.免疫細胞の調節
ビタミンDが不足すると | ビタミンDを摂りすぎると |
---|---|
クル病(小児の骨格異常)、骨軟化症(成人)、骨粗しょう症、骨の変形、筋力低下などの原因となります。 | 下痢、吐き気、腎障害、高カルシウム血症、軟組織の石灰化障害などの原因となります。 |
積極的に摂取したほうが良い方
日照の少ない生活環境にいる方、紫外線を遮断するような化粧品を常用している方、皮膚でのビタミンD産生能力が低下している高齢者の方など。
吸収を阻害する要素
油脂類吸収阻害系サプリメント(キトサンなど)
ビタミンDが特に多く含まれる食品
イワシ、マグロ、ニシン、きくらげ、卵黄
ビタミンDの1日の摂取基準
(単位:μg/日) | ||||
年齢 | 男性 | 女性 | ||
---|---|---|---|---|
目安量 | 耐容上限量 | 目安量 | 耐容上限量 | |
0~5(カ月) | 2.5(5.0) | 25 | 2.5(5.0) | 25 |
6~11(カ月) | 5.0(5.0) | 25 | 5.0(5.0) | 25 |
1~2(歳) | 2.5 | 25 | 2.5 | 25 |
3~5(歳) | 2.5 | 30 | 2.5 | 30 |
6~7(歳) | 2.5 | 30 | 2.5 | 30 |
8~9(歳) | 3.0 | 35 | 3.0 | 35 |
10~11(歳) | 3.5 | 35 | 3.5 | 35 |
12~14(歳) | 3.5 | 45 | 3.5 | 45 |
15~17(歳) | 4.5 | 50 | 4.5 | 50 |
18~29(歳) | 5.5 | 50 | 5.5 | 50 |
30~49(歳) | 5.5 | 50 | 5.5 | 50 |
50~69(歳) | 5.5 | 50 | 5.5 | 50 |
70以上(歳) | 5.5 | 50 | 5.5 | 50 |
妊婦の方 | - | +1.5 | - | |
授乳期の方 | +2.5 | - |
・0~11(カ月)の乳児の値は適度な日照を受ける環境にある場合の目安量です。( )内は、日照を受ける機会が少ない乳児の目安量です。
出典:日本人の食事摂取基準(2010年版)
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。