栄養素辞典
ナイアシン
健康レシピ
2015年06月29日掲載
ナイアシンは、体内で重要な役割を持つさまざまな酸化還元酵素の補酵素として、糖質、脂質、たんぱく質などの代謝に不可欠なビタミンです。食品中のナイアシンは、熱・酸・アルカリに対して安定した性質を持っているので、調理や加工中の損失はほとんどありません。普通の食生活で過不足なく摂れるビタミンですが、飲酒によって体内のナイアシンが失われてしまうため、お酒をよく飲む方は積極的に摂取するようにしましょう。
また、ナイアシンはビタミンB群の仲間です。中でも、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6とは互いに助け合う密接な関係にあるので、それぞれをバランスよく摂る必要があります。
ナイアシンの主な働き
1.体内のさまざまな代謝・合成を助ける
2.アルコールを分解する
3.脳神経の働きを助ける
4.血行をよくする
5.胃腸管の働きを正常に保つ
6.皮膚の健康を保つ
ナイアシンが不足すると | ナイアシンを摂りすぎると |
---|---|
皮膚炎、ペラグラ(ナイアシン欠乏症)、口舌炎、神経症状、胃腸炎、二日酔いなどの原因となります。 | 過剰摂取しても体内で必要な分だけ利用され、残りは尿などで排泄されるので、過剰症の心配はほとんどありませんが、インスリンの働きを阻害するという報告もあります。 |
積極的に摂取したほうが良い方
飲酒が多い、胃腸管(消化管)が弱い、皮膚炎が気になる方など。
吸収を促進する要素
ナイアシンが特に多く含まれる食品
たらこ、コーヒー、カツオ、マグロ、レバー、ピーナッツ
ナイアシンの1日の摂取基準
(単位:mgNE/日) | ||||||||
年齢 | 男性 | 女性 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 | |
0~5(カ月)※1 | - | - | 2 | - | - | - | 2 | - |
6~11(カ月) | - | - | 3 | - | - | - | 3 | - |
1~2(歳) | 5 | 6 | - | 60(15) | 4 | 5 | - | 60(15) |
3~5(歳) | 6 | 7 | - | 80(20) | 6 | 7 | - | 80(20) |
6~7(歳) | 7 | 9 | - | 100(30) | 7 | 8 | - | 100(30) |
8~9(歳) | 9 | 10 | - | 150(35) | 8 | 10 | - | 150(35) |
10~11(歳) | 11 | 13 | - | 200(45) | 10 | 12 | - | 150(45) |
12~14(歳) | 12 | 14 | - | 250(60) | 11 | 13 | - | 250(60) |
15~17(歳) | 13 | 16 | - | 300(70) | 11 | 13 | - | 250(65) |
18~29(歳) | 13 | 15 | - | 300(80) | 9 | 11 | - | 250(65) |
30~49(歳) | 13 | 15 | - | 350(85) | 10 | 12 | - | 250(65) |
50~69(歳) | 12 | 14 | - | 350(80) | 9 | 11 | - | 250(65) |
70以上(歳) | 11 | 13 | - | 300(75) | 8 | 10 | - | 250(60) |
妊婦の方 | - | +0 | +0 | - | - | |||
授乳期の方 | +3 | +3 | - | - |
・ナイアシンの摂取基準単位「NE」はナイアシン当量の事を言います。
ナイアシン当量は「ナイアシン+1/60トリプトファン」で計算され、身体活動レベル?U(普通の活動)の推定エネルギー必要量が基準となっています。
・耐容上限量はニコチンアミドの量で、( )内はニコチン酸のmg量です。
・※1 単位はmg/日です。
出典:日本人の食事摂取基準(2010年版)
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。