栄養素辞典
リン
健康レシピ
2015年06月29日掲載
リンは、人間のあらゆる細胞に「リン脂質」として存在しており、細胞膜や核酸を形成し、生命活動に使われるエネルギーをつくり出す元となるATP(アデノシン三リン酸)や、補酵素を構成する成分です。
また、人間の体内にあるリンの80%は、カルシウムと結合した形で骨や歯を構成しています。
食品中には、糖質・脂質・たんぱく質などと結合した「有機リン」として含まれており、穀物類では、カルシウムなどと結合した「フィチン酸」という形をとっています。
同じミネラルの仲間であるカルシウムとは密接な関係にあって、リンの摂りすぎはカルシウムの吸収を悪くしてしまいます。練り製品に含まれる粘着剤や、食品添加物としてもよく使用されるので、過剰摂取しないように気をつけましょう。
リンを多く含む食品としては、魚類、豆類、乳類があげられます。普通の食生活をしていれば、リン不足を心配することはありません。
リンの主な働き
1.骨と歯の形成
2.体液のpH(酸やアルカリの程度)を調節する
3.細胞膜の形成
4.高エネルギーであるリン酸化合物(ATP)の材料となる
5.神経や筋肉の機能を正常に保つ
| リンが不足すると | リンを摂りすぎると |
|---|---|
| 骨軟化症、骨や歯の発育障害などの原因となります。 | 副甲状腺機能亢進、カルシウム不足、骨粗しょう症などの原因となります。 |
リンとカルシウムの関係
1回の食事に含まれるカルシウム対リンの割合は、「1:1~1:2」が理想とされています。
血液中のカルシウムとリンは「1:1~1:2」の割合で存在しており、このバランスが乱れると、カルシウムの吸収を低下させ、その結果カルシウム不足を招きます。
リンが特に多く含まれる食品
イワシなどの煮干し、するめ、わかさぎ、プロセスチーズ、凍り豆腐(高野豆腐)、卵黄
リンの1日の摂取基準
| (単位:mg/日) | ||||
| 年齢 | 男性 | 女性 | ||
|---|---|---|---|---|
| 目安量 | 耐容上限量 | 目安量 | 耐容上限量 | |
| 0~5(カ月) | 120 | - | 120 | - |
| 6~11(カ月) | 260 | - | 260 | - |
| 1~2(歳) | 600 | - | 600 | - |
| 3~5(歳) | 800 | - | 700 | - |
| 6~7(歳) | 900 | - | 900 | - |
| 8~9(歳) | 1,100 | - | 1,000 | - |
| 10~11(歳) | 1,200 | - | 1,100 | - |
| 12~14(歳) | 1,200 | - | 1,100 | - |
| 15~17(歳) | 1,200 | - | 1,000 | - |
| 18~29(歳) | 1,000 | 3,000 | 900 | 3,000 |
| 30~49(歳) | 1,000 | 3,000 | 900 | 3,000 |
| 50~69(歳) | 1,000 | 3,000 | 900 | 3,000 |
| 70以上(歳) | 1,000 | 3,000 | 900 | 3,000 |
| 妊婦の方 | - | +0 | - | |
| 授乳期の方 | +0 | - | ||
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。