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栄養素辞典

カリウム

カリウムは私たち人間にとって必要不可欠な電解質※です。そのほとんどは細胞内液に存在していて、細胞外にあるナトリウムと連携し、体内のカリウムバランスを保っています。カリウムは、食塩の過剰摂取や老化によって失われることにより、細胞の活性力が低下することが知られています。生の野菜や果物・芋・豆類・海藻などに多く含まれますが、茹でる・煮るなどの調理によって煮汁に溶け出してしまうので、スープにするなど煮汁ごと摂取できるように工夫してみてください。水分の摂りすぎで排尿が増えた時などは、カリウムも一緒に排泄されてしまうので意識して摂取する事が必要です。

※電解質とは、人体の給水・血液中のPHの調整、神経と筋肉の活動に不可欠なイオンの事です。

カリウムの主な働き

1.細胞内の浸透圧や酸アルカリ平衡を保つ

2.ナトリウムの排泄を促し、ナトリウムの過剰摂取による血圧上昇を抑制する

3.心臓、筋肉の活動を調節する

4.神経系の刺激伝達と活動に影響を与える
カリウムが細胞外へ移動したり、ナトリウムが細胞内に移動したりすることで電気が発生し、神経細胞同士の情報伝達である神経伝達が発生します。これは心臓や筋肉の収縮にも関係します。

カリウムが不足すると カリウムを摂りすぎると
むくみ、筋力低下、高血圧、心臓発作、脱力感、食欲不振、腎臓の機能障害者には低カリウム血症などの原因となります。 不整脈、腎障害、筋力低下、心不全、腸壁緊張、高カリウム血症(腎機能障害の場合)などの原因となります。※普通の食事をしていれば心配ありませんが、サプリメントから摂取している場合は、記載されている規定量以上を長期間服用すると過剰症が出る場合があるので、注意しましょう。
積極的に摂取したほうが良い方

食事を抜くことが多い、塩辛いものが好きなど食塩の摂取量が多い、高血圧、糖尿病、外食が多い、偏食、コーヒー・酒・甘いものをよくとる、ストレスが多い方など。

吸収を阻害する要素

調理による熱処理、ストレス、コーヒー、甘い食べ物など。

カリウムが特に多く含まれる食品

きざみ昆布、大豆、アボカド、バナナ、メロン、ほうれん草、三つ葉、小松菜、里芋

カリウムの1日の摂取基準

2002年の国民栄養調査結果によると、日本人の平均摂取量は2,389mgで目標量に足りていない食生活が明らかになっています。不足している量300~600mgのカリウムを効率よく摂るには、果物や野菜を積極的に食べるよう心がけましょう。

(単位:mg/日)
年齢 男性 女性
目安量 目標量 目安量 目標量
0~5(カ月) 400 - 400 -
6~11(カ月) 700 - 700 -
1~2(歳) 900 - 800 -
3~5(歳) 1,000 - 1,000 -
6~7(歳) 1,300 - 1,200 -
8~9(歳) 1,500 - 1,400 -
10~11(歳) 1,900 - 1,700 -
12~14(歳) 2,300 - 2,100 -
15~17(歳) 2,700 - 2,000 -
18~29(歳) 2,500 2,800 2,000 2,700
30~49(歳) 2,500 2,900 2,000 2,800
50~69(歳) 2,500 3,000 2,000 3,000
70以上(歳) 2,500 3,000 2,000 2,900
妊婦の方(付加量) - +0 -
授乳期の方(付加量) +400 -

・目安量は、体内のカリウム平衡を維持するために適正と考えられる値と現在の日本人の摂取量を考慮して設定されている値です。
・目標量は、高血圧の一次予防を積極的に進める観点から設定されている値です。
出典:日本人の食事摂取基準(2010年版)

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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