栄養素辞典
コレステロール
健康レシピ
2015年06月29日掲載
かつて日本人の食生活は魚が中心で、摂取するコレステロールもさほど高くありませんでした。しかし最近、肉食中心である欧米人より日本人のコレステロール摂取量の方が多くなってきているという発表もあり、改めて食生活を見直す動きが高まってきています。
コレステロールは血液中の脂質の一つで、そのままでは血液に溶けないため、たんぱく質と結合して溶け込んでいます。このたんぱく質には「高比重リポたんぱく質(HDL)」と「低比重リポたんぱく質(LDL)」とがあります。
高比重リポたんぱく質(HDL)は動脈壁、末梢組織に取り込まれた余分なコレステロールを吸収して肝臓に戻す働きをしているため「善玉コレステロール」と呼ばれる一方、低比重リポたんぱく質(LDL)は肝臓でつくられたコレステロールを動脈壁や末梢組織に運ぶため、「悪玉コレステロール」とも呼ばれています。
この、肝臓から送り出すコレステロール(LDL)と肝臓に送られてくるコレステロール(HDL)のバランスが崩れると血液中のコレステロール値が高くなり、動脈硬化や血栓性疾患などの生活習慣病のリスクが高まってしまいます。
コレステロールの主な働き
1.生体膜を構成する成分となる
2.胆汁酸(脂質の消化、吸収を助ける消化液)の成分となる
3.性ホルモン・副腎皮質ホルモンの成分となる
4.プロビタミン(体内でビタミンに変換されるもの)の成分となる
5.脳細胞の神経線維を包む鞘(さや)の成分となる
コレステロールが不足すると | コレステロールを摂りすぎると |
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脳出血などの原因となります。 | 動脈硬化、胆石、胆嚢がんなどの原因となります。 |
コレステロールが特に多く含まれる食品
卵黄、魚卵、イカ、貝類など
※ただし、イカや貝類には血清コレステロールの低下作用があるタウリン含量が高いので血清総コレステロール値への影響はあまりありません。
一緒に摂取すると悪玉コレステロールが低くなる食品
魚、大豆製品、植物油、野菜、海藻、果物
一緒に摂取すると悪玉コレステロールが高くなる食品
牛豚肉の脂身、バター、乳脂肪分
※肉や卵を全く食べなくなると、逆にコレステロール値が高くなるので適度に摂るようにしましょう。
コレステロール低下作用をもつもの
コレステロールの1日の摂取基準
(単位:mg/日) | ||
年齢 | 男性 | 女性 |
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目標量 | 目標量 | |
0~5(カ月) | - | - |
6~11(カ月) | - | - |
1~2(歳) | - | - |
3~5(歳) | - | - |
6~7(歳) | - | - |
8~9(歳) | - | - |
10~11(歳) | - | - |
12~14(歳) | - | - |
15~17(歳) | - | - |
18~29(歳) | 750未満 | 600未満 |
30~49(歳) | 750未満 | 600未満 |
50~69(歳) | 750未満 | 600未満 |
70以上(歳) | 750未満 | 600未満 |
妊婦の方 | - | - |
授乳期の方 | - | - |
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。