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関西の専門医が語るドクター's コラム

眼瞼下垂の治療法

眼瞼下垂の治療は手術が主体となります。手術は眼科または形成外科で行なわれ、原因や症状の程度によってその時期や方法を決めます。
もちろん、重症筋無力症やまぶた以外の病気が原因になっている場合にはそちらの治療が優先です。急いで手術する必要があるのは、生まれつきの眼瞼下垂で瞳孔が隠れてしまっているお子さんです。放っておくと視力の発達が阻害されて弱視(じゃくし)という状態になることもありますから、早目に手術をします。
逆に、目や脳の手術やケガ、脳梗塞や脳出血の後に起きたものは、自然に回復することもありますので数カ月様子をみます。
まぶたへの注射による麻酔が我慢できないお子さん以外は、日帰りで手術できることが多いので、必ずしも入院設備のある大病院でなくてもいいでしょう。
眼瞼下垂の手術では、患者さんも治療方法をしっかりと見極め、医師との信頼関係を大切にして、適切な治療を受けることをおすすめします。

眼瞼下垂手術の種類

眼瞼下垂を治すためにはいろいろな手術方法があります。

挙筋短縮術

名称の意味は眼瞼挙筋を切り取って短くすることですが、実際は眼瞼挙筋の先にある挙筋腱膜やミューラー筋を切り取る方法です。挙筋前転術とも呼ばれます。


腱膜前転術

ミューラー筋やその表面の挙筋腱膜には手をつけずに、瞼板から離れてしまった挙筋腱膜を元の位置に縫い付ける方法です。こちらも挙筋前転術と呼ばれます。ミューラー筋をズボンやスカートのタックのように折り返して縮める方法も同じ効果があります。


前頭筋吊り上げ術

眉毛を上げる前頭筋とまぶたをつないで、眉毛の動きを使ってまぶたを上げる方法です。太腿の外側の筋膜を使うことが多いので、筋膜吊り上げ術とも呼ばれますが、特殊な材料の糸を使うこともあります。眼瞼挙筋の働きが無いか非常に弱い場合に使われます。


眼瞼皮膚切除術

余っているまぶたの皮膚を切り取る方法です。たるんだ皮膚がかぶさっている場合に有効です。


重瞼術

二重まぶたにする方法ですが、他の手術と組み合わせることも多くあります。

眼瞼下垂手術の合併症

残念ながら、治療があまりうまくいかないことはどんな病気にもあります。
眼瞼下垂の手術の後にも、まぶたの上り方が足りない、または、上り過ぎる、まぶたが閉じにくい、左右の目の大きさが違う、二重まぶたが消えた、または、できてしまった、二重まぶたの幅や形が変わった、逆まつげになった、まつげの向きが乱れている、まぶたの腫れが引かない、などの状態になってしまうこともあります。
数カ月すると良くなる場合もありますが、もう一度手術しなければならい場合もあります。

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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