「美容」「休養」「保養」3つの恩恵 休日湯治のススメ
関西の湯治場|湯治特集
健康とくらし
2009年12月03日掲載
いますぐ出かけたい!温泉療法医がすすめる「関西の名湯」
温泉は古くから私たち日本人の「癒し」や「湯治」の場として利用され、愛されてきました。しかし、今や温泉は観光での利用がメイン。そこで、温泉をもっと健康増進に役立てようと、研究や啓蒙活動を行う団体「NPO法人健康と温泉フォーラム」が主体となり、名湯百選が選定されました。今回はそんな名湯から温泉療法医もオススメの“関西の湯治場”をご紹介します。
温泉療法医がすすめる 名湯百選
医療、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体「NPO法人健康と温泉フォーラム」では、温泉療法医がすすめる「名湯百選」を紹介しています。関西の名湯のほか、全国の名湯をチェックしてみましょう。
婦人病:有馬温泉 (兵庫県神戸市)
有馬温泉のお湯は、「金泉」「銀泉」と呼ばれています。金泉は海水の約3倍の塩分に鉄分がプラスされた成分で、浴槽に白いタオルを浸すと茶色に染まるほど。また、銀泉は白く泡立つことから「ラムネ泉」とも呼ばれ、炭酸泉にラジウムを含んでいます。
≪泉質≫
単純二酸化炭素泉(炭酸泉)、鉄塩化土類含強食塩泉
≪効能≫
浴用:神経痛、筋肉痛 運動マヒ、打ち身、慢性消化器病、リウマチ、胃腸病、婦人病など。
温泉療法医からのアドバイス
源泉の新鮮なものは飲んでよいが、お茶に多く含まれているタンニンと結合するので、お茶と一緒に飲まないように気をつけること。
美肌:龍神温泉 (和歌山県田辺市)
泉質は無色透明の重曹泉。肌がツルツルになるため、日本三大美人の湯と言われています。
≪泉質≫
重曹泉
≪効能≫
浴用:神経衰弱(とくに頭部充血のもの)、創傷(そうしょう)、火傷、慢性皮膚炎。
飲用:糖尿病、肝臓病 腎臓・膀胱結石など。
温泉療法医からのアドバイス
紀州の屋根、護摩壇山(ごまだんさん)の山麓から湧き出るナチュラル・ウォ-タ-は是非味わってほしい天下の名水。
心身の保養:十津川温泉 (奈良県吉野郡)
十津川温泉のある十津川村は、日本一大きな村で、その面積の約96%が山林です。とても山深い場所にあるため、2泊3日以上の滞在型保養にピッタリ。雄大な自然とキレイな空気、太陽に光に包まれてストレスも発散できる十津川温泉は、まさに「温泉本来のあるべき姿」と言えるでしょう。
≪泉質≫
含食塩重曹泉
≪効能≫
浴用:創傷(そうしょう)、火傷皮膚病に。
飲用:慢性消化器疾患、肝胆道疾患、糖尿病、痛風、肥満症など
温泉療法医からのアドバイス
転地効果による開放感、清浄な空気、豊富な紫外線、十津川の大自然を満喫し、日頃のストレスなどは雲散霧消してしまおう。
消化器疾患:湯の峰温泉 (和歌山県田辺市)
湯の峰温泉のお湯は、ご飯や味噌汁、煮物、お茶やコーヒーなどにも用いられており、宿泊すると健康料理を味わう楽しみもあります。
≪泉質≫
含重曹硫化水素泉、含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
≪効能≫
浴用:湯の峰温泉のお湯は、皮膚や消化器系の疾患に効果があるとされています。
温泉療法医からのアドバイス
泉質が食物の消化によい重曹や硫化水素を含み、温泉を丸ごと味わう湯の峰ならではの健康料理がいただけます。
豆知識:温泉とは
「地中から湧き出るお湯」のすべてが温泉かと言えば、そうではありません。日本では、昭和23年に制定された法律「温泉法」や、環境省の「鉱泉分析法指針」が定める基準を満たすものが「温泉」とされます。
≪設定基準≫
・温泉源から採取される時の温度が25℃以上のもの
・25℃以下でも成分の基準を満たしているもの
・地下から湧き出る水蒸気やガス(炭酸水素が主成分となる天然ガスを除く)
さらに、医学的な観点から、何らかの治療効果がある温泉は、「療養泉」※として分類されます。
※療養泉…温泉源から採取される時の温度が25℃以上で、「溶存物質」「遊離二酸化炭素」「銅イオン」「総鉄イオン」「アルミニウム」「総硫黄」「ラドン」などの成分のうち一つ以上、かつ、一定の含有量を含んでいる温泉
協力・出典:NPO法人 健康と温泉フォーラム
参考図書:「新・湯治のすすめ」
「美容」「休養」「保養」3つの恩恵 休日湯治のススメ
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。