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「美容」「休養」「保養」3つの恩恵 休日湯治のススメ

湯治の新しいスタイル|湯治特集

日々の仕事や家事で疲れやストレスが溜まったり、まとまった休みがある時は、「のんびり温泉に浸かりたい!」なんて、頭に浮かんできませんか? 立ち上る湯けむりに包まれながら、ゆったりとリラックス…この温かいお湯に浸かる“温泉浴”とは、私たち日本人にとって英気を養うための一種の習慣、文化でもありますね。そこで今回は、「休日湯治」と題して、心や体を癒し、美容や保養の効果が期待できる新しいスタイルの温泉浴“湯治”をご紹介します。

そもそも「湯治」とは?

「湯治」とは

「湯治(とうじ)」とは、温泉の効能によって体調を整え、病気やケガの治療に役立てるような温泉療法を言い、医学的に認められた医療法のひとつとされています。一般的な温泉旅行とは違い、少なくとも1週間前後にわたって温泉地に滞在し、特定の病気やケガの治療を行います。また、湯治を行う前に医師などの診察を受け、入浴する温泉の泉質や入浴方法などを明確にしておくことが大切です。ちなみに、体調や治療の目的に合わせてバランスのとれた食事を心掛けるため、豪華な食事などはありません。

注目の「プチ湯治」

最近では、病気やケガの本格的な治療を目的とした湯治ではなく、生活習慣病の改善やストレス解消・疲労回復を目的とした「プチ湯治」が注目されています。日帰りや1泊2日ではなく、2~3日間温泉地に滞在し、日常の喧噪から離れてゆったりとした時間を過ごしながら、体と心を健やかな状態に戻します。美容・休養を目的とするなら、適量の美味しい食事を楽しむのも効果的です。

知っておきたい、温泉の効能と泉質

湯治は目的に合った温泉の効能や泉質を知り、効果的に入浴することが基本です。浸かるだけでなく、飲むことで効果が得られる「飲泉」もあります。また、医学的に「体に良い温泉」とされる療養泉は、含まれる成分によって9つの泉質に分類され、適応する症状もそれぞれ異なります。詳しくは、下記にまとめた表がありますのでご覧ください。

※ご注意ください

温泉の効能は、成分・温度・環境・ライフスタイルといったさまざまな条件によって、体への効果(反応)が変わるので、必ずしも特定の泉質・成分が、特定の症状に効くとは限りません。

浴用・飲用で見る、泉質別療養泉の適応症

泉質 浴用 飲用
塩化物泉
(食塩泉)
きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病 慢性消化器病、慢性便秘
炭酸水素塩泉
(重曹泉・重炭酸土類泉)
きりきず、やけど、慢性皮膚病 慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病
硫黄塩泉 動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病 慢性胆嚢炎、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風
二酸化炭素泉
(炭酸泉)
高血圧症、動脈硬化症、きりきず、やけど 慢性消化器病、慢性便秘
含鉄泉、含銅・鉄泉 月経障害 貧血
硫黄泉
(硫化水素泉)
慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症 糖尿病、痛風 、便秘
酸性泉、含アルミニウム泉
(明ばん泉)
慢性皮膚病 慢性消化器病、放射能泉
放射能泉 痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆嚢炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病 痛風、慢性消化器病、慢性胆嚢炎、胆石症、神経痛、筋肉痛、関節痛
単純温泉 単純温泉に関しては泉質による効能よりも、お湯に浸かることで得られる「温浴効果」が期待されます。血行促進、疲労回復、筋肉をほぐすなどの効用があります。一般的に刺激が少ない泉質とされており、子供からお年寄りまで安心して利用できます。

NPO法人 健康と温泉フォーラム 協力・出典:NPO法人 健康と温泉フォーラム

間違えると危険!温泉の利用法

「せっかく温泉に来たのだから、思う存分楽しみたい!」という方もいるでしょう。しかし、ちょっと待ってください。危険な入浴法や、その効果を十分に生かしきれないまま利用している場合があります。

最大限に効能を生かす「入浴編」

1.まずは「かけ湯」をする

お湯に浸かる前に、心臓から一番遠い足から腰、胸、と順にかけ湯をしていきます。10杯程度を目安とし、じっくりとかけ湯をすることで、血圧の急な上昇や心臓への負担を防ぎます。

まずは「かけ湯」をする
2.すぐに肩まで浸からない

まずは「半身浴」から始め、体がお湯に慣れてきた頃に、肩までゆっくり浸かります。心臓や肺など、上半身の器官に疾患のある方は、肩まで浸かることは控えてください。42℃以上のお湯は、要注意です。

すぐに肩まで浸からない
3.長時間の入浴などは避ける
長時間の入浴などは避ける

浸かるたびに血圧や心拍数は大きく変化します。多くても1日に3回を限度とし、1回あたりの入浴も、額に汗をかく程度にしておきます。長く浸かると、頭痛やめまいを起こすことがあります。

4.水分補給は忘れずに!
水分補給は忘れずに!

入浴の前後には、コップ2杯程度の水、またはスポーツドリンクなどで水分を補給しましょう。また、食前・食後、お酒を飲んだ後、スポーツ直後の入浴は控えてください。

正しく飲もう「飲泉編」

温泉は飲むことでも効果がありますが、次のポイントを守って飲みましょう。

  • 飲泉設備、飲泉許可のある温泉で飲む
  • 温泉が地中から湧きだす源泉近くから飲む
    ※泉質によっては、自宅に持ち帰ってから飲む場合、効果が半減してしまうものもあります。
  • 飲む量は1日2~3回、1回に100~200mlが適量
  • 飲泉時問に注意する
    ※鉄泉は食後に飲むのが適切で、食塩泉や炭酸泉は食前が一般的です。
  • 高血圧、腎臓病の方やむくみの症状がある場合、塩化物泉、ナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)、ナトリウム硫酸塩泉(芒哨泉)を多量に飲まない
  • バセドウ病の方、橋本病の方は、ヨウ素を含むものを飲まない
  • 下痢をしている場合、二酸化炭素泉、硫黄泉、硫化水素泉は避ける

 

入ってはいけない!「禁忌症編」

温泉入浴が禁止されている症状や病気がありますので、以下に当てはまる場合は、医師の許可がおりるまで温泉利用を控えてください。

  • すべての急性疾患(熱のあるとき)
  • 慢性関節リウマチの病状進行期
  • がん、白血病、肉腫・重症高血圧、動脈硬化症
  • 1年以内の心筋硬塞、狭心症発作
  • 重症糖尿病
  • 代償不全の心臓病、腎臓病
  • 発病後間もない脳卒中
  • 発病後間もない胃
  • 十二指腸潰瘍
  • 大血管の動脈瘤
  • 妊娠初期と後期、出血しやすい体質、月経中
  • 急性伝染病
[かえって症状が悪化してしまう泉質]
  • 硫黄泉、硫化水素泉/高齢者・乾燥肌の方
  • 硫黄泉/皮膚粘膜の過敏な方、光線過敏症の方

 

「美容」「休養」「保養」3つの恩恵 休日湯治のススメ

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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