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気になる口臭の原因は?原因別の口臭対策を解説!

マスクを外す機会が多くなり、口臭がこれまで以上に気になるようになった方は多いのではないでしょうか。にんにくやネギなどニオイが強いものを食べた後はもちろんですが、ふとした瞬間に自分の口臭が強く感じられることってありますよね。

そこで今回は、口臭の原因と原因別の対策について、歯科医の菊池由利香先生に詳しく教えてもらいました。併せて、日頃のデンタルケアとして正しい歯磨きやフロス・下磨きの仕方なども解説していますので、ぜひ参考にしてください。

菊地由利佳

【監修】歯科医

2013年日本歯科大学新潟生命歯学部 卒業。新潟大学医歯学総合病院にて研修。現在都内歯科医院にて歯科医として勤務。

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7つの原因別に解説!口臭がきつい場合の対策は?

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口臭の原因1:口内細菌の繁殖

口内には多くの細菌が生息しており、これらの細菌が食べかすや死んだ細胞などを分解する際に悪臭を発生させることがあります。

対策

歯磨きやデンタルフロス・歯間ブラシ・うがいなどをして、口内の食べかすや細菌を減少させましょう。何か食べたら歯磨きをする習慣をつけると良いですね。また、定期的な歯科検診も重要です。

口臭の原因2:歯周病や虫歯など口腔内の疾患

歯周病、虫歯などの口腔の問題は、口臭の主要な原因となります。これらの疾患が口腔内で細菌の増殖や異常な状態を引き起こすからです。

歯周病

歯周病、歯茎など歯の周りの組織に炎症を引き起こす慢性的な疾患です。歯茎の炎症により、歯ぐきが腫れ、赤くなり、出血することがあります(歯肉炎)。進行すると、歯茎から膿が出て口臭がさらに強くなります。

虫歯

虫歯は、歯の表面に穴ができる疾患で、これにより歯の内部に細菌が侵入し、腐敗が進行します。虫歯が進行すると、口内の細菌が歯の腐敗物質を分解し、悪臭を生じることがあります。

対策

歯周病や虫歯になっている場合、個人のセルフケアでは改善することができません。口腔内に上述したような違和感があったり、口臭が非常に強かったりする場合は、歯科医に相談のうえ治療をはじめるようにしましょう。また、定期的に予防歯科などを受けて、歯周病や虫歯の予防・早期治療をすることも大切です。

口臭の原因3:食事

香辛料や強いニオイの食べ物・ニンニクやネギ類などの食材を食べると、口臭を引き起こす原因となります。

対策

食事が原因の場合は食事後に歯を丁寧に磨いたり、ミントやシナモンのような食後の口臭を和らげる食品を摂ったりすることで改善できます。

口臭の原因4:口の乾燥

唾液は口の中の汚れを洗い流したり、pHを中性に保ったりする役割を果たしています。口が乾燥すると口腔内の細菌が増殖し口臭が発生しやすくなります

対策

十分な水分を摂り、食事の時はよく噛んで、唾液の分泌を促進しましょう。また、ストレスを感じたり緊張したりしたときも、口が乾いて口臭が強くなりやすい傾向があります。こういった場面でも、水分をとったりガムを噛んだりして、口内の乾燥を緩和させると良いでしょう。

口臭の原因5:タバコとアルコール

タバコやアルコールは、口臭を引き起こす主要な要因です。

タバコ

タバコに含まれるニコチンは、唾液の分泌を減少させ、口内が乾燥しやすくなり、口臭が出やすくなります。また、タバコが燃焼する際に発生するタールは、口内に付着してニオイを発生させる可能性も。さらに、タバコを吸うことで発生するニコチンやタール、一酸化炭素などにより、口内の細菌の増殖を助長すると言われています。

アルコール

アルコールは体内で代謝され、その代謝物が呼吸と血液中に取り込まれます。これにより、アルコールに由来するニオイが口臭として感じられることがあります。また、アルコールには脱水作用があるので、摂取すると口内の唾液の分泌を減少させます。乾燥した口内は細菌の増殖に適した環境となり、口臭を引き起こしやすくなります。

対策

根本的な解決策としては、タバコやアルコールを控えるか、完全にやめることで口臭を軽減できます。すぐには難しい場合は、ガムやブレスケア用品を用いるなどの工夫を。特にタバコとお酒が組み合わさったときは口臭がきつくなりやすいので、ケアできるものを持ち歩くと良いですね。

口臭の原因6:健康問題

一部の健康問題、特に胃腸系のトラブルや糖尿病などは口臭の原因となることがあります。例えば、胃腸疾患があると、腸内で異常なガスが発生しやすくなります。そしてそのガスが口から出て、ニオイを発生させる可能性があります。

また、糖尿病患者の場合、血糖値のコントロールが不安定になって唾液の分泌が減少することがあります。その結果口内が乾燥し、細菌が増殖しやすくなり、口臭の原因となります。また、代謝異常により、独特の酸っぱいニオイを生じ、口臭を引き起こします。

対策

健康問題が口臭の原因となる場合、医師の指導に従い、その問題を治療することが必要です。口臭だけでなく健康の不調を感じている場合は、かかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。

口臭の原因7:入れ歯や虫歯の詰め物

入れ歯や虫歯治療に使われた詰め物などが口臭の原因になることも。入れ歯は定期的に適切に清掃しないと細菌が繁殖し、口臭を引き起こす原因となります。また、入れ歯を長時間装着していると、汚れがたまり、細菌が増殖しやすくなります。

虫歯の詰め物の場合、詰め物が古くなり亀裂が入ると細菌が侵入しやすくなり、口臭を引き起こすことがあります。また、詰め物の周囲に食べかすがたまると、細菌が増殖しやすくなって口臭の原因に。

対策

適切な口腔ケアと歯科医の定期的な診察を心がけましょう。入れ歯は毎日適切に清掃し、虫歯の詰め物は劣化した場合には修復するか交換することが口臭を予防するのに役立ちます。

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口臭を予防するための正しい口腔ケア

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正しく歯磨きをしよう

  1. 歯ブラシを45度の角度で歯ぐきに対して当て、軽く歯ぐきのラインに沿ってブラシを細かく動かします。
  2. 歯ブラシを水平に使って歯の表面を磨きます。歯の内側、外側、かみ合わせる部分をすべて磨きましょう。

なお、歯ブラシを選ぶ際は、ヘッドが奥歯まで届きやすい大きさのもので、「ふつう」の硬さのものが良いでしょう。また、口臭予防の観点から考えると、歯磨き粉は殺菌作用のあるLSS(ラウロイルサルコシンナトリウム)が配合されたものがおすすめです

デンタルフロスや歯間ブラシも使おう

歯と歯の間に詰まった食べかすや歯垢は、歯ブラシだけでは取りきれません。細かいところまでケアできるデンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。

舌を磨くのも忘れずに

舌には細菌が繁殖しやすいため、舌の清掃は口臭予防に役立ちます。毛先の柔らかい歯ブラシで軽く磨くか、舌ブラシを使用しましょう。

舌磨きで気をつけるべきポイント

歯をみがくときよりも優しい力加減で、奥から手前に向かって汚れをかきだします。横に少しずつ移動し、3回ほどにわけてかき出すとやりやすくなります。汚れがひどい場合には、1回で取り除こうとせず、数日かけて少しずつとりましょう。

まとめ

どんなに身なりを綺麗に整えていても、口臭があると、それだけで印象がマイナスに傾きがちですよね。口臭は誰でも出るものですが、気にしてケアをするのとしないのでは、口臭の出方や強さは大きく違ってくるものです。ぜひ思い当たる事柄に留意して、こまめに予防をしてくださいね。

また、今回解説したポイント以外にも、「ストレスをためない」「規則正しい生活をする」といったことも、口臭予防に役立ちます。歯科医院で定期的に虫歯や歯周病のチェックをしてもらったり、歯石や歯垢をクリーニングしてもらったりするのも大事です。

最近では口臭外来を設けている歯医者さんもあるので、悩んでいる方は相談してみるのも良いかもしれませんね。予防歯科などに通い、口臭予防をするのも良いでしょう。

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【監修】歯科医 菊地由利佳

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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