暮らし あと押し eo

eo健康

髪のボリュームダウンに悩む30~40代女性必見!ボリュームアップに効果的な栄養素と生活習慣は?

加齢とともに、「髪のボリュームがなくなってきた……」という人は多いのではないでしょうか。髪のボリュームが不足すると、髪型がまとまりにくくなり、スタイリングの悩みも増えてしまいますよね。そこで今回は、30~40代の女性に向けて、髪がボリュームダウンする原因やボリュームアップに効果的な栄養素・生活習慣などについて、管理栄養士の望月理恵子さんに教えていただきました。

望月 理恵子

【監修】管理栄養士

健康検定協会理事長、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に食べてみた!」など著書も多数。

pro_kamivolume

髪がボリュームダウンする原因は?

1_kamivolume

まずは、加齢によって髪がボリュームダウンする原因をご紹介します。

加齢

加齢とともに毛細血管が老化し、髪の成長に必要な栄養分が供給されにくくなります。また、加齢によって髪の成長サイクルが短くなり、髪が太く成長する前に抜けてしまうことも。さらに、髪を作る毛母細胞の働きも加齢に伴って弱くなっていきます。髪内部の成分やキューティクルが減り、ハリやコシが低下する他、皮脂の分泌も低下するため髪がパサつきやすくなります

ホルモンバランスの変化

30~40代はホルモンバランスが変化しやすい時期。そのせいで髪のボリュームに影響が出ることがあります。主な原因は、女性ホルモンのひとつエストロゲンの分泌量の減少。エストロゲンが減少すると、髪の成長が促進されにくくなると考えられています。出産後の抜け毛に悩む女性は多いですが、これにもエストロゲンが関係しています。妊娠中に増加したエストロゲンが出産とともに一気に減少するので、髪が抜けやすくなるのです。

また、40歳代になると卵巣機能が低下していき、それに伴ってエストロゲンの分泌量も減少、閉経後は急激に減少します。そのため、閉経を迎える50歳前後になると、髪のボリュームの変化に悩む女性が増えるのです。

ストレス

ストレスも髪のボリュームダウンにつながる要素です。ストレスによる緊張で自律神経のバランスが崩れると、血管が収縮し頭皮が血行不良に陥ってしまいます。血行不良に陥ると、髪の成長に必要な成分の供給が滞り、髪のコシ・ハリが失われます。そのため、日常的にストレスを感じている方は、髪のボリュームが低下しやすいといえるでしょう。

カラー・パーマの影響

カラーやパーマを頻繁に行っている方も、髪のボリュームが低下しやすくなります。薬剤の影響でケラチンというタンパク質が流出し、髪のハリやコシが失われます。また、薬剤によるダメージで頭皮環境が悪化し、血行不良を招くことも。そのため、カラー・パーマを繰り返している方は注意が必要です。

ヘアケア不足

ヘアケアを怠ると、髪のコシがなくなったり髪が細くなったりしてボリュームダウンの原因になります。髪のボリュームアップに役立つヘアケア方法については、後の項目で解説します。

栄養素の不足や偏り

栄養素が不足・偏りやすい食習慣の方は、髪の成長に必要な栄養素が不足しやすくなります。その影響で、髪のハリやコシが低下し、髪が細くなってしまいます。また、食習慣が原因で血液がドロドロな方は血行不良に陥りやすく、髪の成長に必要な栄養素を十分に供給できません。

関連記事:30代以降に増える女性の抜け毛、原因と対策

髪のボリュームアップに役立つ栄養素・食べ物は?

2_kamivolume

ここからは、髪のボリュームアップに役立つ栄養素や食べ物についてご紹介します。

タンパク質は髪を作る素!

タンパク質は、髪を作る素とも言える栄養素です。髪だけでなく臓器・筋肉・皮膚などの材料でもあるので、健康や美容のためにもしっかり摂取したいもの。一般の人(アスリートや激しい運動をする人以外)のタンパク質の摂取量目安は、体重1キロあたり約1g。例えば体重50キロの人だと50gを目安に摂取することが推奨されています。例えば、50g程度のタンパク質を摂取するには、1日で以下の食材を食べる必要があります。

  • 鶏もも肉(皮付き) 100g(タンパク質:16.6g)
  • 紅鮭1切れ80g(タンパク質:18g)
  • 納豆1パック40g(タンパク質:6.6g)
  • 生卵1個50g (タンパク質:6.1g)

合計:47.3g

日頃の食生活で、肉・魚類・卵・大豆製品・乳製品などのタンパク質を豊富に含む食品を積極的に食べるようにしましょう。食事だけで摂取するのが負担な方は、プロテインや高タンパク質ヨーグルトなど、栄養補助食品を取り入れるのもおすすめです。

ビタミンB群には髪の成長をサポートする働きが

ビタミンB群とは、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・ナイアシン・パントテン酸・ビオチンの8種のビタミンBの総称です。ビタミンB群には、血行を促進し、髪の成長をサポートする働きがあるといわれています。ビタミンB群を豊富に含むのは、レバー・牛乳・卵・大豆製品などです

特に大事なのはビタミンB6

ビタミンB群の中でも特に大事なのが、ビタミンB6です。ビタミンB6は、アミノ酸をたんぱく質に作り替える、髪の成長に欠かせない栄養素。ビタミンB6が多く含まれるのは、まぐろ・鶏肉・にんにく・ピスタチオなど。髪をボリュームアップしたい方は、積極的に取り入れましょう。

ビオチンも髪の美しさに関係する

ビオチンには、血流改善や血管拡張・毛母細胞活性化・抗炎症作用などがあり、髪を美しく保つのを間接的にサポートする働きがあります。ビオチンが多く含まれるのは、卵黄・落花生・レバー・あさりなど。市販のサプリメントを試してみるのもおすすめです。

鉄分も髪の成長促進に寄与する

鉄分と貧血の関係はよく知られていますが、実は髪の成長とも深い関係があります。鉄分には毛母細胞に酸素を供給し、成長を促進する働きがあるため、不足すると髪が細くなったり抜けたりしやすくなるといわれています。鉄分は、ほうれん草や赤み肉などに豊富に含まれているので、これらの食材を積極的に食べるようにしてみましょう。

抗酸化作用のある栄養素で細胞の酸化を防ごう

細胞の酸化を防いだり、紫外線ダメージを予防したりするためには、抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eやポリフェノールといった栄養素が欠かせません。以下のような食品に多く含まれているので、献立の中に含ませてみてください。

  • ビタミンA:レバー・うなぎ・銀だら・ほたるいか
  • ビタミンC:柑橘類やキウイ・レモン・ブロッコリー・ピーマン
  • ビタミンE:アーモンド・たらこ・たまご・かぼちゃ
  • ポリフェノール:緑茶・ココア・ブルーベリー・チョコレート・春菊・ブロッコリー

食習慣・生活習慣で注意するべきことは?

3_kamivolume

髪のボリュームアップには、食・生活習慣を改善することも重要です。以下のすべてを実践するのは難しいかもしれませんが、ぜひ無理のない範囲で日常生活に取り入れてみてください。

食習慣で注意するべきことは?

タンパク質・ビタミン・ミネラルを意識して栄養素をバランス良く摂取する

例えば、たんぱく質をしっかりとっていても、代謝に必要なビタミンやミネラルが不足していると、体内で効率よく利用することができません。栄養素は互いに影響し合っているので、偏りなく摂るよう意識しましょう

無理な食事制限は髪のボリュームダウンにつながる

栄養素が不足すると、髪の成長に必要な材料が十分に供給されず、髪のボリュームダウンにつながります。1日3食、主食・主菜・副菜を揃え、果物や乳製品などを取り入れて、バランスの良い食事をとるようにしましょう。また、過度な食事制限や外食中心の偏った食習慣はできるかぎり避けてください。

脂質や糖質の摂り過ぎに注意!

脂質や糖質を摂りすぎると、血流が悪くなり、毛母細胞に必要な栄養素や酸素が届きにくくなります。髪のボリュームアップのためにも、脂質・糖質が偏りすぎないよう食習慣を意識しましょう。

アルコールの摂り過ぎにも注意!

アルコールを摂取すると、ビタミンB群の消費が促進される他、吸収が阻害されます。その結果、髪の成長に必要な栄養素が不足しやすくなります。飲みすぎにはくれぐれも注意し、お酒を飲む際には同量以上の水を一緒に飲むようにしましょう。飲酒習慣がある人は、週に2日は休肝日を。

生活習慣で注意するべきことは?

睡眠不足は美髪の敵!

睡眠不足になると、毛母細胞の細胞分裂が十分に行えなくなり、髪のボリュームダウンにつながります。個人差がありますが目安は約8時間程度で、朝すっきり目覚められるくらいの睡眠時間を確保しましょう。もし昼寝をするのであれば、夜の睡眠の質が悪くならないよう、15時までに30分程度に留めることが大事です。

喫煙習慣がある方は禁煙を

喫煙により血管が収縮することで、毛母細胞に必要な栄養素や酸素が届きにくくなります。その結果、髪のボリュームダウンにつながります。喫煙習慣のある方は、減煙もしくは禁煙しましょう。たばこを吸いたくなったら、かわりにガムを噛む、ウォーキングをするなど気分転換をするのがおすすめです。

ストレスを解消する

ストレスにより血行不良が起こると、毛母細胞に必要な栄養素や酸素が届きにくくなり、髪のボリュームダウンにつながります。ゆっくりお風呂に浸かる、友人や家族とおしゃべりする、買い物をするなど、何かリフレッシュできることをしてみましょう。

適度な運動習慣を身に付ける

髪のボリュームアップのためには運動も大切です。運動をすることで血行が良くなると、毛母細胞に必要な栄養素や酸素が届きやすくなり、髪の毛を健康に保ちやすくなります。軽いウォーキングなどの運動を1日30分以上、週に2回程度行うのがおすすめです。

髪のボリュームアップに効果的なヘアケアは?

4_kamivolume

髪のボリュームアップには、日頃のヘアケアも重要です。以下でご紹介するポイントも取り入れてみましょう。

シャンプーとコンディショナー選びにこだわって

毎日使うシャンプーやコンディショナー選びにも気を配り、ケアをしっかり行いましょう。ボリュームダウンが気になっている人には、エイジング系の製品がおすすめ。また、乾燥肌の方は、洗浄力が強すぎないものや保湿成分が配合されたものを使うと良いでしょう。ストレスなどで血行不良が気になる方は、血行を促す成分が配合されたものを選んでみてください。

ドライヤーの当て方にもコツが

髪がペシャっとなってしまう場合は、ドライヤーの当て方にも工夫を。ただ乾かすのではなく、髪をふんわり見せられる当て方をしてみてください。毛の流れとは逆方向に髪の毛をひっぱりながら乾かすと、ボリュームアップしやすくなります。根本は、ドライヤーの風を下から上に向けて当てて乾かしましょう

頭皮マッサージもおすすめ

頭皮のマッサージは、頭皮の血行促進につながるのでおすすめです。お風呂上がりに頭皮全体を優しく揉み込むように、気持ちいいと感じる力加減で刺激を与えてあげましょう。

関連記事:髪の毛をサラサラにするには?専門家が解説するヘアケアのポイント

まとめ

髪のボリュームが減ってきた、または薄毛が気になるといった悩みをお持ちの方は、ぜひ今回ご紹介した栄養素を積極的に摂るようにしてみてください。また、美しく健康的な髪を保つためには、食・生活習慣の改善も大切です。ご自身の生活を振り返り、髪のボリュームダウンにつながる習慣に心当たりがある方は、食・生活習慣の改善に取り組みましょう。

管理栄養士 望月 理恵子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

おすすめ記事一覧