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なんだか臭う…それはお疲れのサイン「疲労臭」かも?
健康とくらし
2014年04月24日掲載
加齢臭やワキガなど、体臭に関する悩みは実にさまざまです。そのなかでも最近、増加傾向にあるのが「疲労臭」。からだに疲労が蓄積された時に発生するツンとしたニオイのことをいい、忙しい毎日を過ごしている人なら誰にでも起こりうるのです。
近年増えつつある「疲労臭」とは?
「疲労臭」とは読んで字のごとく、からだに疲労が蓄積した時に出る体臭のことです。
体臭というと汗が代表的ですが、実は汗そのものはほとんど無臭。毛穴から出た皮脂などの分泌物が皮膚に常在する細菌に分解されて雑菌が発生する際に、いわゆる“汗臭い”というニオイが発生します。
一方、疲労臭はニオイの発生する仕組みが異なります。皮膚の表面上に発生した雑菌ではなく、体内から出る“アンモニア”が原因となっていて、それによりツンとした体臭となるのです。
疲労臭発生のメカニズム
「疲労臭」の原因となるアンモニアは、体内でたんぱく質が分解されたときにできる成分です。
筋肉疲労の回復や腸内細菌のはたらきなどにより発生したアンモニアは、肝臓で尿素に分解されたのち、毒素がほとんど取り除かれた状態で尿となって体外へ排出されます。そのため、通常であればアンモニアは体内に蓄積されることはありません。ところが、疲労により肝臓のはたらきが弱まると、体内でアンモニアを分解する能力が低下。すると、肝臓で分解されなかった体内のアンモニアが血液に乗って全身に循環し、皮膚の毛穴から出る汗や皮脂に含まれてしまいます。これが「疲労臭」となるのです。
「疲労臭」が起こりやすいのはこんなとき!
「疲労臭」の大きな原因は、やはりからだの疲れと肝機能の低下です。
特に次の項目に当てはまる人は要注意!
- 過労ぎみ
肉体疲労により体内の代謝が低下しやすい - ストレスが多い
精神的な疲れも体内の代謝を低下させる - 肥満ぎみ
脂肪肝の場合、肝機能が低下しやすい - お酒をよく飲む
大量のアルコールの分解により肝機能が低下 - 便秘がち
たまった便がアンモニアを発生させ、血流に乗ってしまう
枕などについた寝汗にアンモニア臭を感じたら、「疲労臭」の可能性が考えられます。
「疲労臭」の予防と改善法
「疲労臭」を予防するには、なんと言っても疲れをからだに溜めないことです。そのためには生活リズムの改善が必要となります。次のようなことを意識して行うことが重要です。
- 規則正しい生活(食事や睡眠時間の確保)
- ストレスを軽減する
- アルコール摂取はほどほどにする
- 食物繊維などを摂取し腸内環境を整える
- シャワーではなく湯船に浸かって血流をよくする
- アンモニア臭を抑えるミョウバンの入ったデオドラント剤を使う
さらに「疲労臭」には“オルニチン”と“クエン酸”という成分も効果的です。
成分 | オルニチン | クエン酸 |
---|---|---|
効果 | 疲労のもととなるアンモニアを肝臓で分解するのに欠かせない成分。肝臓で有毒なアンモニアを分解し、尿素に変換。全身疲労に回復を促進します | 疲労の解消を手助けする成分。疲れた時に酢の物などすっぱい物が食べたくなるのは、からだがクエン酸を求めている証拠といえます |
多く含まれる食品 | シジミ、キハダマグロ、チーズ、ヒラメなど | 梅干し、レモンなどのかんきつ類、黒酢 |
おすすめ 健康レシピ |
ウコンしじみチャウダー | 豚肉とニンニクの茎の黒酢炒め 春キャベツと海老のサラダ風パスタ |
この「疲労臭」を改善する一番のポイントは、からだに疲れを溜めないこと。新生活で疲労やストレスが重なる今の時期だからこそ、自分のライフスタイルを見直して疲労回復を心がけてみませんか。
監修:五味クリニック 院長 五味常明 先生
一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせや「心療外科」を新しい医学分野として提唱し、長年、ワキガや多汗症などの治療に携わってきた体臭治療のエキスパート。著書に「デオドラント革命」(ハート出版)や「40代からの気になる口臭・体臭・加齢臭」(旬報社)など多数
五味クリニック
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