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放置しているとガン化する場合も・・・知れば怖くない「痔」のはなし

人に聞けない痔の診察

私の「痔」体験談!痔でお悩みだった方に、闘病の状況や様子を伺いました。

男性・発症時期:30代前半

ある年の夏、痔瘻と診断されましたが「いずれ手術は必要だが、緊急の必要はない」と言われ、特に痛み等もなかったため様子をみていました。 約1年後、仕事の忙しさも落ち着いた頃にようやく手術を決意。入院手術だと約1週間仕事を休む必要があったため、日帰り手術をお願いしました。 手術は土曜日で、その後の診察も平日の夜や土曜だったので、1日も仕事を休まずに治療できたのは助かりました(会社に病気のことを説明する必要もなかった)。 手術自体は本当にあっと言う間で10分程度で終了、痛みも全くありません。術後約2日間は痛み止めの薬を飲みましたが耐えられない痛みではなく、術後約3カ月で完治。 今は傷跡を鏡で見てもほとんどわからず、お酒も楽しめるようになっています。

女性・発症時期:20代前半

きっかけは排便時、無理にイキんだことが原因だと思うのですが、細い血管がお尻から出てくるようになりました。 それ以後、イキみながら排便すると、血管が出てくるように。痛みはありつつも、出てきた場合は指で押し戻したり、湯船に浸かると痛みも引いていたので、そのまま数年間は騙し騙しやり過ごしていました。
ところが、徐々にひっこまないようになり、症状が悪化していると判断して病院へ。
お尻をあまり見られたくないという思いもあり、インターネットで女医さんの居る病院を検索して診察を受けたところイボ痔との診断。数年間の放置生活で患部が悪化していたこともあり、手術を受けることになりました。
術後しばらくは痛みもありましたが、それからは再発もなく、無事に生活できています。普段の排便ではイキみすぎないように心がけています。

痔の診察とは?

診察では指診と、肛門鏡とよばれる器具を使った診察が行なわれます。ベッドに横になって診察する場合もあれば、産婦人科と同じような診察台にのって診察する場合もあります。
「当院では女性専用の診察時間を設けています。男性と一緒だと恥ずかしいという方は、この時間に来院されるといいでしょう。診察時は、パンツを少しずらしてもらって、下半身にタオルをかけて診察しますので、ご安心ください」。

<診察へ行く前の注意は>
「診察してもらうから、と事前に浣腸などをして来院される方もいますが、当院ではいつものままで来ていただきたいです。診察で普段の排泄の状態を診たいですから。女性は生理中でも大丈夫です」。 ただし施設によっては診察前に座薬を渡される場合もあるようです。不安な場合は施設に確認してみましょう。

痔を予防するには?

痔を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。佐々木先生に痔を予防する生活習慣についてお聞きしました。

1.便通をよくする

すっきり排泄を心がけましょう。自分ではすっきりしていたとしても直腸性便秘の可能性があります。気になるときは便秘外来などで診察してもらいましょう。

2.排便後はふきすぎない

肛門の周りの皮膚は非常に薄く、目の周りと同じくらいの薄さです。目の周りをごしごしこすらないのと一緒で、おしりをふきすぎるのもNG。トイレットペーパーでふくときは2回まで、やさしく押さえるようにふきましょう。

3.温水便座を使わない・石けんで洗いすぎない

温水便座で洗いすぎると、皮膚が乾燥し荒れてボロボロになります。さらに肛門に傷がある状態で温水便座を使うと、病気をもらってしまうことも。また、入浴時に石けんで洗いすぎると皮膚の油分がなくなり、皮膚のバリアーがなくなってしまいます。石けんでごしごしこすって洗わないように注意しましょう。

4.トイレの時間は5分以内

排便のために長時間いきむとお尻がうっ血してしまいます。5分以内で出ないようなら、いったん出て、時間をあけてから再びトイレへいきましょう。

5.便意を我慢しない

便意を我慢することが、直腸性便秘の原因になり、痔の原因になります。便意を感じたら、すぐにトイレに行くようにしましょう。

6.長時間同じ姿勢を続けない

デスクワークなどで、同じ姿勢でいるとおしりがうっ血してきます。2時間に1回は姿勢を変えるようにしましょう。

7.お酒の回数を減らす

アルコールによっておしりがうっ血します。1回アルコールを飲むと抜けるまで3日かかりますから、1回飲んだら3日あけるようにしましょう。

肛門科の選び方

いざ診察を心に決めても、どんな病院を選べばよいか、悩む人も多いでしょう。そんな人のために佐々木先生からアドバイスをいただきました。

「たくさんの科を掲げている施設よりも、『○○肛門科』などのような、できるだけ肛門科に特化した施設をおすすめします。さらに肛門科の専門医・指導医に診てもらうと安心ですね。日本大腸肛門病学会のホームページに認定施設や専門医の名前が掲載されていますので、それを参考にされるといいでしょう」。
また、肛門科は自由診療の施設と、保険診療の施設があります。自由診療では保険は使えませんが時間をかけてじっくりと診察してもらえる傾向がありますし、保険診療ではすべての治療に保険が適応されますので、安価で診察を受けることができます。メリット・デメリットを考えて選びましょう。
「痔の治療方針は医師によってさまざまです。ある施設で“手術をすべき”と診断されても納得がいかなければ、別の病院へ行ってみましょう。なかには手術をしたのに症状が変わらないという患者さんもいます。納得できるまでセカンドオピニオンを受けることをおすすめします」。

大阪肛門科診療所 (旧 大阪肛門病院)

取材協力・監修:

大阪市中央区釣鐘町2-1-15
電話:06-6941-0919
地下鉄谷町線または京阪本線「天満橋駅」より徒歩5分

患者さん向けのエクササイズルームを新たに設置しました

 大阪肛門科診療所 (旧 大阪肛門病院)

放置しているとガン化する場合も・・・知れば怖くない「痔」のはなし

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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