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放置しているとガン化する場合も・・・知れば怖くない「痔」のはなし

痔の原因は?

佐々木みのり医師

大阪肛門科診療所

大阪医科大学卒業。大阪大学皮膚科学教室入局し、阪大病院などで皮膚科医として勤務後、肛門科医へ転身、平成10年より現職。平成19年、関西の女医では初めて日本大腸肛門病学会認定大腸肛門病専門医(外科系肛門領域)の資格を取得。平成23年には肛門科指導医を取得。

日本人の3人に1人はもっていると言われる「痔」。
“中高年の男性が患う病気”というイメージがありますが、実は女性の患者も多く、病院によっては女性患者のほうが多いという場合も。年齢層も10~20代から高齢の方まで非常に幅広い世代が痔になっています。
痔の悩みはなかなか人にも相談できず、病院へ行くのも気恥ずかしいもの。だからといって放置しておくと、ますます悪化するばかりでなく、痔瘻(じろう)という病気は、まれに長期間放置すると痔瘻癌になってしまうケースもあります。また痔だと思っていたら癌だったというケースもあるので、最初から痔と決めつけないことも大切。
今回は大阪肛門科診療所の佐々木みのり先生に痔についてお聞きしました。

痔の原因は排泄にあった!

痔は3人に1人と言われますが、自分では気付いていないだけで、実はもっと多いかもしれません」と、佐々木先生。痔になっていても症状がでていないことが多く、痛みなどの症状が出てきたときはかなり進行していることが多いといいます。
では痔になる人とならない人では何が違うのでしょうか?
佐々木先生いわく「排泄が違う」そうです。
でも「私は毎日、排便しているから便秘じゃない。だから痔にはならない!」と思う人も

直腸や肛門に負担をかける直腸性便秘とは?

人間は直腸に便があると便意を感じます。しかし便意を我慢することが増えると、便意を感じるセンサーが弱くなり、直腸に便があっても反応しなくなってしまいます。この状態が直腸性便秘。
大腸性便秘は体質や生まれつき腸が長いなどの原因が考えられますが、直腸性便秘の原因は習慣。特に女性は恥ずかしさもあるのか、人前だと便意を我慢してしまう人が多いようです。しかも大腸性便秘であれば薬を飲んだり、食物繊維をとれば改善が期待できますが、直腸性便秘には飲み薬も食物繊維も効果は期待できません。
「直腸性便秘を治すには排便を促す座薬か浣腸をする方法が効果的」と佐々木先生。
つまり、たとえ毎日、便が出ていたとしても、直腸性便秘の可能性があり、すでに痔の予備軍かもしれないということ。佐々木先生作成の「直腸性便秘チェック」で自分の状態を調べてみましょう。

<直腸性便秘チェック>

1つでも○があれば、直腸性便秘の可能性があります。

排便の後、おしりを何回拭いてもトイレットペーパーに便がつく
温水便座の温水で刺激して排便している
排便後、ウォッシュレットでおしりを洗うと、便がまたポロッと出たり、便が飛び散ったりしている
排便後、なんとなくお尻がムズムズすることがある
食事のたびに、すぐに便が出る

放置しているとガン化する場合も・・・知れば怖くない「痔」のはなし

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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