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関西の専門医が語る ドクター's コラム

子宮頸がんとは 予防できる子宮頸がん

2年に1度は子宮頸がん検診を

子宮頸がんの原因は、性交によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)であることがほぼ明らかになっています。そしてもし感染して、子宮頸がんに進展するとしても、子宮頸がんになるまでは通常、数年~十数年という長い時間がかかります。ということは、定期的に子宮がん検診を受けていれば、早期の段階で発見でき子宮を温存する可能性も高くなるということ。
しかし残念ながら、日本で子宮がん検診を受けている20歳以上の女性は2~3割ほどです。これはアメリカやイギリスなど他の先進国と比べても非常に低い受診率です。
これまで一度も受けたことがない、もしくはここ4~5年は受けていないという方は、ぜひ積極的に検診を受けましょう。
現在日本では20歳を過ぎたら特に自覚症状がなくても2年に1度は検診を受けるよう推奨しています。
そのため、各自治体が行う住民検診であれば、自治体が費用の一部を負担し(自治体によって額は異なる)、数百円~2千円程度という自己負担額で受けることができます。また職場の健康診断などであれば健康保険組合によって費用補助があるため、こちらも安価で受けることが可能です。

検診の流れ
  1. 問診:妊娠出産経験の有無や月経の状況、自覚症状の有無などについて答えます
  2. 内診:内診台に乗り、子宮頸部の視診や、腟鏡で子宮頸部の状態が観察されます
  3. 細胞診:やわらかいヘラやブラシのようなものを膣に挿入し、子宮頸部の粘膜を軽くなでるように採取します
  4. 終了:約2~3週間ほどで結果が出ます

検診は以上の流れで行われ、問診以外でかかる検査時間は5分程度です。正しく判定をするために、月経終了後3~7日の間に検診することをおすすめします。
婦人科を受診することに抵抗のある方もいるかもしれませんが、自分の身体を守るためにも定期的受診するようにしましょう。

子宮頸がんの予防ワクチン

子宮頸がんの原因はウイルスですから、ワクチンを接種することであらかじめ抗体を作って予防することが可能です。
子宮頸がん予防ワクチンは海外ではすでに100カ国以上で使用されていましたが、2009年12月から日本でも接種できるようになりました。
日本で受けることができるのは、子宮頸がんの原因となりやすいHPV16型とHPV18型のウイルスに対する抗体を作らせるワクチン(2価ワクチン)と2011年の秋からは16型と18型に加えて、6型と11型という性病の原因となるウイルスに対する抗体も加えたワクチン(4価ワクチン)も増えました。
すでに今感染しているヒトパピローマウイルス(HPV)を排除したり、がん細胞を治す効果はありません。また、HPV16型とHPV18型以外の発がん性HPVの感染を防ぐことはできないため、ワクチンを接種したからといって、必ずしも子宮頸がんにかからないわけではありません。ワクチンを接種したとしても、定期的な検診は受けるようにしましょう。

また、予防ワクチンの効果がどの程度あるのか、まだはっきりとわかっていません。
2011年10月現在、予防ワクチンを3回接種した人で、最長で6.4年間、HPVの感染を防ぐ抗体ができていることがわかっています。

接種の方法と費用(2011年12月現在)
対象 10歳以上の女性
接種方法 肩に近い腕の筋肉にワクチンを注射します。
接種回数 半年の間に3回接種します。
  • ・初回から1カ月後に2回目の接種をする。(4価ワクチンは2カ月後)
  • ・初回から6カ月後に3回目の接種をする。
費用 1回1万6千円前後で、病院によって異なります。
※2011年10月現在、中学校1年生~高校1年生相当の年齢の女性を対象として、国と自治体からの助成が行われています。お住まいの市町村のホームページなどで確認してください。

ドクター's コラム「子宮頸がんとは」

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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