光が眩しい痛いと感じる原因は?考えられる病気と原因・対処方法を解説
病気・症状と予防
2023年06月29日掲載
「光が眩しくて目を開けていられない」「光が眩しくて目が痛い」といった症状はありませんか?太陽の日差しが強くなるこれからの季節は、眩しさが特に気になりますよね。また、スマホやパソコンを見ているときに、光が眩しくて目がつらくなる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、光が眩しく感じるのにはどういった原因が考えられるのか、目の病気との関連性などについて、田町三田やまうち眼科院長 山内明子先生に教えていただきました。
山内 明子
【監修】田町三田やまうち眼科 院長
東京医科大学眼科学教室入局。蕨市立病院眼科勤務。高野眼科医院勤務。2015年 田町三田やまうち眼科開業。
光が眩しい……これは病気なの?
暗い場所から明るい場所に移動したときや強い光が目に入ったときに眩しく感じるのは、誰でもあること。光が眩しいと感じること自体は、正常な反応です。しかし、自分だけが異常に眩しく感じている・それほど強い光を見たわけでもないのに眩しくて目を開いていられない・普段より明らかに眩しく感じるといった場合は、何かしらの異常が起きている可能性が考えられます。光は、網膜から目に入って水晶体・硝子体を通り網膜に達します。その過程のどこかに異常があると、光が乱反射して散らばるため、眩しく感じるようになるのです。
光が眩しい……考えられる疾患は?
光が異常に眩しく感じられる場合には、以下のような目の異常や疾患が考えられます。気になる症状がある方は、一度眼科で相談してみると良いでしょう。
●ドライアイ
ドライアイの人は、目が渇きやすい・疲れやすいだけでなく、光が眩しく感じることもあります。
実はドライアイには「涙の量が少ない」「涙の量は正常でも涙の蒸発が早い」「もしくはその両方」などといったパターンがあります。ドライアイというと、目薬を刺すなどセルフケアで改善するイメージがあるかもしれませんが、症状によって対処法は異なります。自覚がある方は一度眼科で検査をしてもらい、適切な治療を受けることをおすすめします。
●白内障
白内障とは、目の中にある水晶体という部分に濁りが生じ、目のかすみや視力低下をおこす病気です。白内障の人も、通常よりも光に対して眩しさを感じやすくなります。
●網膜色素変性
網膜色素変性とは、網膜の視細胞のうち、杆体(かんたい)といわれる明暗の感覚に関与する細胞に異常が起きる病気です。この病気になると、暗いところでものが見えにくくなったり(夜盲)、視野が狭くなったり、光が眩しく感じたり、全体的に白みがかって見えるようになります。
●眼瞼(がんけん)痙攣
眼瞼痙攣とは、まぶたの開閉に関わる筋肉の過度な収縮によって、無意識のうちにまばたきが生じる状態を指します。この初期症状として、目の不快感やまばたき回数の増加、眩しさを感じることがあるのです。このほか、目が乾く・目が開けられない・まぶたが下がる・涙が出る・頭痛・耳鳴りといった症状も見られます。
光が眩しく感じやすい理由は生活習慣?原因と対処方法を解説
生活習慣による目の酷使が、眩しさを感じさせる原因になっていることもあります。
●スマホ・パソコンの長時間使用
スマホ・パソコンを長時間見ていると、目が疲れて光が眩しく感じることがあります。特に、暗い場所で明るい画面を見ていたり、スマホ・パソコンの画面の照度が高すぎたりすると、眩しさを感じやすくなります。
加えて、スマホ・パソコンを見ているときはまばたき回数が激減するので、ドライアイを招くことも。
・対処方法
「寝る前に暗い部屋でスマホ・パソコンを利用するのが習慣になっている」「スマホ・パソコンの照度が常にもっとも強い状態になっている」という方は、暗い部屋で利用しないようにしたり、デバイスの照度を落として利用したりしてみましょう。また、「1回の利用は1時間以内、1時間たったら10~15分の休憩を入れる」と良いでしょう。スマホ・パソコンの利用時にブルーライトカットの眼鏡を装用するのもおすすめです。
●睡眠不足や疲労
睡眠不足や疲労が溜まっている状態だと、視覚が過敏になりやすくなります。「睡眠不足が続いている」「休みが取れず、疲労が溜まっている」という方は、このような影響で光を過剰にまぶしく感じている可能性があります。
・対処方法
一般的には1日に6~8時間の睡眠時間を確保するのが良いとされています。しかし、個人差があるため、睡眠不足や疲労を感じる方は「日々の睡眠時間を1時間でも長く確保する」「休日を取って、身体や精神の疲れを癒す」といった方法を試してみましょう。光のまぶしさが睡眠不足や疲労の影響だった場合、これだけでも症状が改善する可能性があります。
●コンタクトレンズによる影響
コンタクトレンズの長時間使用、または自分の眼球に合わないコンタクトレンズを使用していると、眼球に大きな負担をかけます。また、コンタクトレンズの着用はドライアイの原因にもなり、その影響で光が眩しく感じるのかもしれません。
・対処方法
1日の装着時間の目安は12時間以内です。(製品によっても異なる場合があるので、確認しましょう。)毎日コンタクトレンズを使用している方は、週1〜2回コンタクトレンズを使わない日を作るのも良いでしょう。昼寝でも30分以上寝る際は外すのがおすすめです。また、コンタクトレンズが合っていない可能性があるので、かかりつけの眼科に相談のうえ、コンタクトレンズを変更してみても良いかもしれません。
●雪眼炎
雪眼炎とは、いわゆる「雪目」のことです。雪山や海などの太陽光が強い環境に長時間いることで、瞳が紫外線の暴露をうけ、痛み・充血・眩しさといった症状が発症します。「太陽光が強い環境で仕事をしている」「スキーや海水浴に頻繁に出かける」という方は、雪眼炎になっている可能性があります。
・対処方法
雪眼炎の場合、症状が軽い場合は、すぐに症状が緩和することがほとんどです。「目の痛みが強い」「2~3日しても目の痛みが取れない」「眩しさや目の痛みだけでなく頭痛が続く」などの場合はかかりつけの眼科に相談しましょう。また、予防のためにも、太陽光が強い場所に長時間いる場合は、必ずサングラスを着用するようにしましょう。
光が眩しい……。自分でできる対処方法と眼科に行く目安は?
●自分でできる対処方法
ここまで解説したように、ドライアイは眩しさを招きます。この予防のためには、目の乾燥を防ぐことが大事です。すぐに自分でできる対処方法としては、「こまめに目薬をする」「意識的にまばたきの回数を増やす」があります。また、「アイメイクをしている場合は、症状が治まるまでやめてみる」「加湿器で目を保湿する」「ホットタオルを目の上に乗せて休ませる」といった方法もおすすめです。光が眩しく感じる方は、上述した原因別の対処方法の他、日常的にこれらの方法を心がけてみてください。
●眼科を受診する目安は?
「光を眩しく感じる頻度が多い」「目が開けられないほどの眩しさを感じる」「眩しくて目が痛い」「眩しさだけでなく他にも異常が起きている」など、普段とは異なる異常・症状を感じている場合は、そのままにせずに早期の眼科受診をおすすめします。
まとめ
光が眩しく感じること自体は正常な反応ですが、皆が平気なところで自分だけ眩しく感じる・普段よりも眩しさが強いといった場合は、目のどこかに何かしらの異常が起きている可能性があります。特に現代人は、ドライアイが眩しさの原因である場合が多いと言えそうです。まずは、スマホやパソコンの長時間使用・コンタクトレンズの長時間装用を避けるなど、ドライアイを改善するためのセルフケアをしてみてください。それでも改善しない場合や他にも気になる目の異常症状がある方は、眼科で相談してみることをおすすめします。
【監修】田町三田やまうち眼科 院長 山内 明子
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。