リウマチ医が教える脳内リセット術 泣き笑い健康法
ストレスと病気
健康とくらし
2013年11月07日掲載
おもいっきり笑ったり、泣いたりした後は体も心もスッキリした、という経験はありませんか? 最近、“笑うこと”と“泣くこと”の健康効果が注目され、「笑い健康法」や「涙活」が行われているところもあります。
今回はこの効果に着目したリウマチ専門医・吉野槇一先生の「泣き笑い健康法」をご紹介します。お金もかからず副作用もない「泣くこと」「笑うこと」に、健康のヒントが隠されています。
現代人はあまりに忙しい生活を送っており、余裕がありません。そのため笑うこと・泣くことが減ってしまっているように感じます。笑うこと泣くことが減ると、体の内部環境を維持する神経系・内分泌系・免疫系が乱れ、病気が悪化したり、発病しやすくなったりします。
楽しく笑う、泣く、深い睡眠などによって、思考が無になります。できるだけ笑ったり泣いたり、または没頭できるような趣味を持って思考を無にして、ストレスをリセットしてください。
吉野槇一
1939年東京都生まれ。1965年日本医科大学卒業。東京大学医学部整形外科学教室に入局、その後、都立墨東病院リウマチ科医長、米国ルイジアナ州立大学整形外科客員教授、日本医科大学リウマチ科教授などを歴任。
参考書籍:「万病のストレスを解消する!泣き笑い健康法」
中経出版 505円(税別)
ストレスが病気をつくる!?
「うつの人は快活な人と比べて、ガンにかかりやすい」「親子関係がよくない子どもは、アレルギー、自己免疫疾患、悪性腫瘍などにかかりやすい」「心労は結核を悪化させる」「ガンで妻を亡くした夫は、死別後1~2カ月は免疫機能が著しく低下する」といった例が医学専門誌に報告されており、ストレスを長期間受け続けたり、強いストレスを受けたりすると、人間の体にはなんらかの“病的な症状”があらわれます。
ストレスを受けたとき、体はどうなる?
人間の体には、環境が変化しても脈拍や血圧、体温などを一定に保つはたらきが備わっています。このはたらきを維持しているのは、生命を維持するための機能を調整する「自律神経系」、ホルモンの分泌を司る「内分泌系」、外部からの異物から体を守る「免疫系」。人間の「健康」な状態とは、これら3つがよいバランスを保っているときといえます。
しかしストレスが加わると、この3つのバランスが崩れ、病気を引き起こしやすくなるのです。
自然治癒力で健康な体に!
人間は、皮膚を切ったり骨折したりしても経過とともに治る、自然治癒力があります。しかしこの自然治癒力を阻害し、ときに病気を発病させ、悪化させるのも、過剰な精神的ストレス。つまり過剰なストレスをなくすか軽減させることができれば、自然治癒力の本来の力を引き出し、病気に打ち勝つことができるといえるでしょう。
ストレスに強い人・弱い人を分ける「良いストレス」
ストレスが病気を引き起こすのは確かですが、すべてのストレスが“悪”というわけではありません。実は人間を強くする「良いストレス」もあります。ある動物実験では、耐えられるストレスを何回も受けると、その都度、抵抗力が増していくという結果がでています。「挫折が人を強くする」と言われますが、まさにそのとおりで、ストレスに強い人、弱い人の差は「良いストレス」を多く受けてきたかどうかにも左右されるといえます。
リウマチ医が教える脳内リセット術 泣き笑い健康法
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