暮らし あと押し eo

eo健康

メンズのニキビ跡はどうすれば消える?ニキビ跡が残る原因と効果的なスキンケア・皮膚科での治療方法

男性の肌悩みとして非常に多いのが「ニキビ跡」。若い頃のニキビが跡になってクレーター化していたり、赤みが消えなかったり。そこで今回は、ニキビ跡が残ってしまう原因を踏まえて、効果的なスキンケアの方法や皮膚科での治療法などについて、男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』総院長 稲見 文彦医師に詳しく解説していただきました。

稲見文彦

男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』 総院長

東邦大学医学部を卒業後、同大形成外科学教室に入局。美容外科医を志し某大手美容形成外科に入職。10年以上に亘り数多くの手術を行い、また多数の医師や看護師の育成に携わる。同院京都分院長を経て、2015年に「男性美容のシンボル」をミッションとして掲げる男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』総院長に就任、現在に至る。所属学会:日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS、JSAS)、日本美容皮膚科学会。

男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』 総院長 稲見文彦

ニキビ跡はなぜできる?ニキビ跡の正体は?

ニキビ跡はなぜできる?ニキビ跡の正体は?

ニキビ跡の正体は?

ニキビ跡と呼ばれるものには2種類あります。1つは「色の変化」、つまり赤みを帯びてなかなか消えない状態や、茶色などに色素沈着した状態のこと。そしてもう1つは「形の変化」です。クレーター状に陥没したり、硬く盛り上がってシコリ状になったりしている状態を指します。

ニキビ跡ができる理由は?

ニキビ跡ができる理由は、症状によって異なります。

赤みを帯びているニキビ跡の場合

ニキビによって生じた炎症を治そうと毛細血管がたくさん作られ血液がたくさん流れることで、血管が赤みを帯びるようになります。これを炎症後紅斑(PIE)と言います。


色素沈着している場合

ニキビの炎症によってメラノサイトが活性化しメラニンが過剰に産生されます。これが残ってしまったものが色素沈着(PIH)です。


クレーターになっている場合

ニキビが真皮にまでダメージを与え周辺組織を破壊してしまい、傷跡として残ってしまうのがクレーター(萎縮性瘢痕)です。


シコリ状になっている場合

重症ニキビにより周辺組織、特に真皮にまでダメージが及ぶとこれを修復するためにコラーゲンが過剰に作られます。赤みや痛み、硬さを伴うシコリを肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と言い、フェイスラインや首などにできやすい傾向があります。

メンズにニキビ跡ができやすい理由は?

メンズにニキビ跡ができやすい理由は?

そもそもニキビができやすいから

男性は女性に比べて男性ホルモンが多く放出されるため、皮脂の分泌が盛んです。そのため毛穴に皮脂が詰まりやすく、そこにアクネ菌が繁殖してニキビができやすいのです。

また仕事などでストレスフルな生活を送りがちなためストレスホルモンが放出され皮脂腺を刺激されることもニキビが生じやすい理由のひとつです。ニキビが次から次へとできるため、それが悪化してニキビ跡になることも多いといえます。

毎日の髭剃りで肌を傷つけている

男性は髭剃りによって肌に慢性的に刺激を与えています。ニキビができているときに髭剃りをすると炎症が悪化し、ニキビ跡として残りやすくなってしまいます。

ニキビができたときのケアが適切でない人が多い

男性は女性に比べてスキンケアに疎く、ニキビができたときに間違った対処法をとっている人も多く見受けられます。例えば、ニキビを潰す・正しい洗顔ができていない・保湿を怠っているなど。こういった習慣によってニキビの炎症が長引き、ニキビが跡になってしまっている可能性もあります。

ニキビ跡はホームケアでは治らない!?

ニキビ跡はホームケアでは治らない!?

ニキビ跡はホームケアでも治せるもの、治せないものに分かれます。軽度の赤みであれば適切なスキンケアを行ったり、ビタミンCやビタミンA(レチノール)を用いたりして改善することも可能です。
ただし長引く赤みや色素沈着をホームケアで治すことは難しいですし、凹みやシコリを改善することは不可能と言ってもよいでしょう。専門の医療機関で治療を受けることをお勧めします。

メンズのニキビ跡を消すには?病院での治療方法は?

メンズのニキビ跡を消すには?病院での治療方法は?

ニキビ跡の一般的な治療方法

ニキビ跡には色(PIE、PIH)と形(萎縮性瘢痕、肥厚性瘢痕)の2つがあることは前述の通りです。まず色について説明します。

赤み・色素沈着など、「色の変化」が見られるニキビ跡の場合

そもそもニキビができると必ず色(赤み)が残ります。ただしこの赤みは2〜3か月は目立つものの、時間の経過と共に改善して最終的には目立たなくなることが大半です。赤みに対する治療として、まずは「これ以上ニキビを増やさない」こと。適切なスキンケアを行い、場合によっては外用薬などを用いてニキビを予防すること、または軽症で済ますことが最善の赤み治療と言えるでしょう。

6か月以上経過しても残ってしまった色については、内服薬や外用薬、医療機器による治療を行います。トラネキサム酸やL-システインなどの「メラニン産生を抑える」治療薬、ケミカルピーリングやトレチノインなどの「皮膚ターンオーバーを促進する」治療薬、そしてロングパルスレーザーなどの「血管に作用し赤みを改善する」治療を行います。

クレーターやシコリなど「形の変化」が見られるニキビ跡の場合

次に「形」について。萎縮性瘢痕についてはフラクショナルレーザーやダーマペンなどが代表的な治療方法です。完全に元通りにすることは難しいですが、複数回の施術を繰り返すことで凹みを目立たないよう改善することが可能です。肥厚性瘢痕に対してはステロイド注入を用いることが一般的です。

ニキビ跡の治療は一般的にどのくらいの期間が必要?

ニキビ跡の治療期間は、だいたい半年から1年くらいが一般的です。前述の通り、色に対してはロングパルスレーザーや内服薬、外用薬を、形に対してはフラクショナルレーザーやダーマペン、ステロイドなどを用いますが、いずれの治療も「1か月おき」に「複数回」行うことが大半です。「複数回」とはだいたい5‐6回のことが多く、1₋2回で終わることはほとんどありません。

さらなる治療効果を期待して10回以上の施術を受ける方もおられますが、回数を重ねるほどに改善するわけでもありません。20回も30回も受ける方はごく少数です。医療機関の治療で症状の改善は期待できますが、ニキビ跡を完全に消せないケースもあることは理解しておきましょう。

ニキビ跡治療は保険診療で受けられる?

保険診療で治療を受けるためには、ニキビ跡が「病的な状態」にあることが必要です。例えばシコリが多発していて痛みや赤みがひどく、日常生活に支障が生じている場合は「病的な状態」と言ってよいでしょう。このような場合は保険診療で治療を受けられる可能性が高いと思います。

逆に、特に強い症状はなく、見た目の改善が主訴だとすると保険適応はされないと思います。ご自分の状態が病的な状態なのか否かはなかなか判断できないと思いますので、皮膚科や美容皮膚科を受診し医師の診察を受けることをおすすめします。

まとめ

一度できてしまうとなかなか治らないニキビ跡。ニキビ跡で悩んでいる方は、日頃のスキンケアを見直すほか、皮膚科や美容皮膚科に相談してみるのが改善の近道かもしれません。また、ニキビ跡ができないようにするには、そもそもニキビができにくい肌状態を保つことが非常に大切です。肌質に合わせたスキンケアを実践する・ニキビができても触らずに肌を清潔にするよう心がけるなど、正しい対処法を知っておきましょう。

メンズスキンケアの正しい方法を詳しく知りたい方はこちらの記事で解説していますので、合わせてお読みください。

関連記事:男性スキンケアの基礎知識を解説!基本のやり方と最低限準備したいアイテム

男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』 総院長 稲見文彦

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

おすすめ記事一覧