男性スキンケアの基礎知識を解説!基本のやり方と最低限準備したいアイテム
健康とくらし
2022年09月13日掲載
女性だけでなく男性でもニキビや肌荒れ・肌のカサつきを気にしている人は多いものです。最近ではメンズ向けスキンケアアイテムも増えていますね。ですが、いざスキンケアを始めようとなると、どんなアイテムを使えばいいのかわからない・どんな方法で行えばいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、男性専門の総合美容クリニックの総院長・稲見文彦先生に、これからスキンケアを始めたい男性に向けた基本的なスキンケア方法を教えていただきました。
稲見文彦
男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』 総院長
東邦大学医学部を卒業後、同大形成外科学教室に入局。美容外科医を志し某大手美容形成外科に入職。10年以上に亘り数多くの手術を行い、また多数の医師や看護師の育成に携わる。同院京都分院長を経て、2015年に「男性美容のシンボル」をミッションとして掲げる男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』総院長に就任、現在に至る。所属学会:日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS、JSAS)、日本美容皮膚科学会。
男性にもスキンケアが必要な理由
男性は皮脂分泌が多い
男性の肌は女性よりも皮脂分泌が盛んです。特に20代30代は皮脂腺の活動が活発なため、ベタつきやテカリが気になる人が多いはずです。適切なスキンケアを行わずにいると過剰な皮脂が毛穴に詰まって黒ずみになったり、ニキビの原因になったりします。
シェービングで肌のバリア機能が低下しやすい
日々のシェービングは少なからず肌にダメージを与えています。肌を保護している角質層や皮脂膜をシェービングでこそぎ落としてしまっている可能性も。その結果、肌のバリア機能が低下して無防備な状態になり、肌荒れや乾燥を招きやすくなります。
男性の肌は水分量が少ない
男性の肌は皮脂分泌が多い一方で、水分量は少ないという特徴があります。特に年齢を重ねると水分量はますます低下するため、肌がカサカサする・ハリがなくなる・シワが目立つといった症状が出やすくなります。
男性のスキンケアの選び方:まずは肌質をチェック
肌質は大きく分けて4種類
スキンケア製品はさまざまあるので、肌質に合うものを選ぶことが大事です。まずは、自分の肌質を知りましょう。肌質は普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌の4種類に分類されます。
普通肌
普通肌は特に大きなトラブルがない肌のことで、水分量と皮脂量のバランスが取れた理想的な状態です。ただし油断は禁物、生活習慣やストレスなど様々な原因により普通肌が保てなくなることも十分ありえます。生活習慣が不規則になっていたり、食習慣が偏っていたりする方は改善に取り組み、普通肌を維持しましょう。また、基本的なスキンケアを怠らないことも重要です。次項の男性のスキンケアのやり方を参考に、洗顔・保湿を行いましょう。
乾燥肌
乾燥肌は水分量と皮脂量の両方が不足している状態で、特に頬や口周囲に症状が現れやすいとされています。触るとカサカサしていたり洗顔後につっぱったりする場合は、乾燥肌の状態にあるといえます。肌のバリア機能も損なわれやすく、肌のみならず全身のトラブルの原因となりえるのでしっかりと保湿を行うことが重要です。
脂性肌
脂性肌は乾燥肌とは正反対で、水分量も皮脂量も多い状態です。見た目がテカテカするだけでなく触ればベタベタし、またニキビなどができやすい傾向があります。正しい洗顔で肌表面の皮脂を取り除いた後は、化粧水と乳液を使って保湿をしましょう。脂性肌だから化粧水しか使わない、というのは間違いです。また食生活も脂性肌を引き起こす原因となります。生活習慣を改めることが脂性肌を改善する第一歩です。
混合肌
混合肌は文字通り乾燥肌と脂性肌が混在している状態で、頬は乾燥しているのにTゾーンはベタついている、のような症状をきたします。それぞれに合わせた保湿が必要となるので、乳液やクリーム、ローションなどを使い分けて保湿を行いましょう。
肌質のチェック方法
簡易的な方法としては、起床時にUゾーン(こめかみからフェイスラインにかけて)を触ってみて、かさつくかベタつくかで判断してみてください。ただし、これは簡単に自分の肌質をチェックする方法としては優れていますが、正確さに欠ける部分もあります。また自分の肌質を誤解している方も少なくありません。自分自身の肌質を正しく知るためには、美容クリニックなどに置いてある肌質診断器を活用することをおすすめします。
男性のスキンケアのやり方:基本のスキンケア
女性に比べて男性は基本的なスキンケアができていないことが多く、改善の余地も多いのが特徴です。洗顔と保湿、この2点を改めるだけでも肌の調子は改善することが多いのでぜひ試してみてください。
ステップ1:洗顔
石鹸を泡立てネットなどで十分に泡立ててから洗う洗顔を心がけてください。その際、ゴシゴシと擦ることは厳禁です。指先や手のひらが肌に触れないくらい、泡で優しく撫でるような洗い方をおすすめします。洗った後はすすぎも重要。泡が肌に残らないよう、十分に水ですすいでください。
ステップ2:保湿
洗った後の保湿も大切です。男性は保湿を怠りがちですが、洗いっぱなしで保湿を行わないと、乾燥肌や、逆に脂性肌の原因となります。乳液やクリームを使って保湿を行うことを習慣づけてください。
男性のスキンケアのやり方:お悩み別
ニキビ・ニキビ痕が気になる場合
覚えておいて欲しいのは、ニキビやニキビ痕が気になる場合も保湿は必要だということ。肌が乾燥していると、肌の潤いを守ろうと皮脂が余計に出てしまい、ニキビが悪化したり長引いたりしてしまうこともあります。
とはいえ、保湿力の高すぎる化粧品や油分の多い化粧品はニキビを悪化させる原因になることがあるので、ニキビケア用のアイテムを選ぶのがおすすめです。クリニックではローションタイプの保湿外用薬を処方してくれるので、気になる人は受診してみてはいかがでしょうか。
なお、慢性的なニキビやニキビ痕をスキンケアで治すのは難しいといえます。悩んでいる方は皮膚科に相談しましょう。
毛穴の角栓や黒ずみが気になる場合
毛穴の角栓や黒ずみが気になる場合は、ホットタオルで顔を蒸らして毛穴を広げてから洗顔するのがおすすめです。また、週に2〜3回酵素洗顔を取り入れるのも良いでしょう。酵素洗顔にはタンパク質を溶かす作用があるので、角栓を除去しやすいとされています。
このほか、小鼻や顎など角栓や黒ずみが気になる部分のみオイルクレンジングをするのも良いですね。クルクル馴染ませて優しく角栓を除去してくれます。なお、毛穴パックは毛穴が開いてしまう上に肌を傷めるので避けてください。またブラシなどで擦ったり、指で押して角栓を取り除いたりすることも皮膚トラブルの元となるのでNGです。
乾燥がひどい場合
乾燥がひどい場合は、乾燥肌用の保湿力の高いアイテムを選ぶようにしましょう。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が入った化粧水や、油分の高いこっくりしたクリームを使用してください。
肌がピリピリする場合
肌が敏感になっていてピリピリする・かゆみや赤みがあるなど、何かしらの刺激を感じるときは、スキンケアは最小限に。敏感肌用の低刺激アイテムを使用するのがおすすめです。それでも刺激を感じるなら、石鹸で優しく洗顔した後に白色ワセリンのみで保湿をしてください。かゆみや炎症・痛みがある場合は、皮膚科に相談しましょう。
さらにスペシャルケアをしたい場合
肌のためにスペシャルケアをしたい場合は、フェイスマスクを使用するのがおすすめです。化粧水の後につけておくだけなので手軽にプラスアルファのケアができます。肌の水分量をアップさせるのにも効果的です。「肌の暗さやくすみを改善したい」「肌をしっとりさせたい」「日焼けしてしまったのでクールダウンしたい」など目的に合わせたフェイスパックを使用しましょう。
まとめ
男性は女性に比べて、スキンケアが足りていなかったり、間違った方法で行っていたりする方が多い傾向にあります。ニキビや乾燥・肌荒れに悩んでいる方は、スキンケアを見直すことで症状が改善する可能性があります。特にこれまで何もケアをしてこなかった方の場合、洗顔と保湿の2点を見直すだけでも、肌の変化を実感できるかもしれません。
今回ご紹介した化粧水・乳液・クリームなどのスキンケアアイテムは、どこのドラッグストアでも手に入るので、ぜひお近くの店舗で入手してみてください。また、最近では女性用化粧品のメーカーがメンズ向けの商品を多く出しています。興味がある方は、一度調べてみても良いかもしれません。なお、深刻な肌荒れやなかなか治らない症状に悩んでいる方は、皮膚科やメンズ美容クリニックで相談してみるのも選択肢の一つです。
男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』 総院長 稲見文彦
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。