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敏感肌とはどんな状態?症状や原因・適切なスキンケアを解説!

「肌がピリピリする」「顔肌に赤みが出やすい」「肌がかゆい」
時々、顔のお肌がこのような状態になってしまう方は、もしかすると敏感肌の傾向があるのかもしれません。特に最近はマスクの影響で肌に摩擦や刺激が加わりやすくなっているので、敏感肌を招きやすいと言えます。そこで今回は、顔の敏感肌とはどのような状態なのか・敏感肌になってしまう原因・敏感肌のためのスキンケア方法について、元キャビンアテンダントの美容コンサルタント清水裕美子さんに教えていただきました。

清水裕美子

美容コンサルタント

日本航空の客室乗務員として約5年勤務。乾燥や不規則な生活など過酷な環境の中でもなぜCAたちはみんなこんなにキレイでいられるのか?と疑問を持ち、およそ5000人のCAのきれいの秘密を観察・分析。「CA流美容」として発信する。著書「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが持続するきれいの手抜き」(青春出版社)

美容コンサルタント 清水裕美子

敏感肌とは?どんな状態を指すの?

敏感肌とは?どんな状態を指すの?

敏感肌とは

敏感肌とは、「皮膚のバリア機能が低下している状態」のこと。皮膚のバリア機能が低下していると、さまざまな肌トラブルが起こりやすくなります。「化粧水をつけると肌がヒリヒリする」「肌が赤くなりやすい」「肌が乾燥してつっぱる」などの症状も、敏感肌が理由かもしれません。

「肌のバリア機能低下」とは?

肌には、天然の保湿機能が備わっています。一つは肌から分泌される皮脂。皮脂は肌表面を覆うことで水分蒸発を防ぎ、紫外線・雑菌・アレルゲンなどの外的刺激から肌を保護しています。

また、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)が水分を抱き抱える役割を持っているほか、セラミドが角層細胞同志の隙間を埋めて水分を保っています。こういった肌に備わっている天然の保湿機能のことを「バリア機能」と言います。

しかし、これらのバリア機能が何らかの理由で低下すると、肌の水分が失われやすくなったり外的刺激に対して無防備な状態になったりしてしまいます。結果、前述したような肌のヒリヒリや赤み・乾燥といったトラブルが起こりやすくなるのです。

敏感肌の原因、「肌のバリア機能低下」はなぜ起こる?

敏感肌の原因、「肌のバリア機能低下」はなぜ起こる?

敏感肌の原因である「肌のバリア機能低下」は、なぜ起こるのでしょうか。以下のような要因が考えられます。

外的要因

紫外線による影響

紫外線を浴びると、肌の表面にある角質層の水分が失われ、肌のバリア機能は低下しやすくなります。

肌への摩擦

肌をこすったり摩擦がかかったりすると、バリア機能は低下しやすくなります。特に多いのは、クレンジングや洗顔時の肌摩擦です。また、最近は長時間のマスク着用による摩擦で、バリア機能が低下して敏感肌になってしまう人が増えています。

合わない化粧品や間違ったスキンケア

スキンケアは美肌を保つための基本ですが、合わない製品や間違ったケア方法を行なっていると、かえってバリア機能を低下させてしまうことがあります。ゴシゴシ洗いや熱すぎるお湯での洗顔・皮脂のとりすぎ・汚れやメイクをきちんと落とせていないなどが代表的な例です。また、保湿が不十分なことも敏感肌を招く要因になります。

湿度や温度

空気の乾燥や温度も、角質層の水分を奪い、バリア機能の低下を招きます。気温が低く空気が乾燥している冬場・エアコンで室内が乾燥しがちな環境など、シーズン問わず影響を与えることがあります。

ホコリや花粉・金属など

体質によってはホコリや花粉・金属などの外的刺激によってバリア機能が低下することがあります。赤みや炎症・痒みが起き、我慢できずにかいてしまうと、さらにバリア機能が低下する悪循環に陥りやすくなります。

内的要因

睡眠不足

睡眠不足だと肌のコンディションが悪くなることは多くの方がご存知かと思います。肌細胞は寝ている間に分泌される成長ホルモンの働きによって修復されるため、睡眠不足は肌のコンディション悪化だけでなくバリア機能の低下にも影響を与えると考えられます。

栄養不足

ダイエットや偏った食生活によって栄養不足になっていると、肌細胞を作る機能が正常に働かなくなり、その影響でバリア機能が低下しやすくなる恐れがあります。

生理周期

女性の場合、生理周期によって肌が刺激に対して敏感になり、バリア機能の低下が起きることがあります。特に、肌の潤いを保つのに重要な役割をしている女性ホルモン・エラスチンの分泌量が減少する生理前1週間前後は、肌が敏感になりやすいと言えます。

敏感肌のスキンケアのポイント

敏感肌のスキンケアのポイント

敏感肌の改善のためには、原因を取り除くことが大事です。以下にスキンケア時の注意点やポイントを解説していますが、この他にも睡眠をしっかりとる・部屋を乾燥させない・水分をこまめにとって内側から乾燥を防ぐ・紫外線対策をする・ストレスを溜めないといった生活習慣の見直しも大切です

肌をとにかく擦らない・刺激しない

洗顔で肌をゴシゴシ擦るのは絶対にNG!洗顔剤はしっかり泡立てて、泡でクルクルと洗うようにしましょう皮膚表面に指が触れるか触れないかぐらいの優しいタッチで。メイクを落とすときも、クレンジング剤をたっぷり出して肌の摩擦を減らし、優しくメイクと馴染ませましょうまた、メイク落としシートの使用はおすすめできません。肌を物理的に擦るので刺激になります。

同様に、化粧水や乳液・クリームなどをつけるときも、ゴシゴシ塗り込むのは避けて。肌を刺激しないよう、優しくタップしながら肌に押し込むようにしましょう。私自身アトピー持ちで肌も薄くかなり敏感肌だったのですが、肌を擦らないことを意識しだしてから、かなり敏感肌が改善したと感じています。肌をとにかく擦らない、刺激しないことを意識しましょう。

洗顔・クレンジングで皮脂を取りすぎない

洗顔やクレジングで洗浄力の強すぎるものを使用すると、皮脂を取りすぎて乾燥が悪化してしまいます。穏やかな洗浄力のものを選ぶ・1日に何度も洗顔剤を使用しないなど、お肌の状態に合わせた洗顔・クレンジングをしましょう。

保湿をしっかり行う

バリア機能が低下したお肌は、水分を保持しづらくなっているため乾燥しがち。敏感肌のスキンケアにおいては保湿が重要です。化粧水で水分を与えた後、乳液やクリームなど油分を含む製品でフタをしましょう。乾燥が気になるときはフェイスパックを使って肌に水分を浸透させてあげるのも効果的です。

なお、敏感肌の方は化粧品を使うと肌がしみたりかゆくなったりすることもあるかと思います。そういった場合は、スキンケアアイテムを極力使わず、洗顔後にワセリンを薄く伸ばすと良いでしょう。精製度の高い白色ワセリンは、肌への刺激が特に少なく敏感肌の方におすすめです。

敏感肌にあった化粧品の選び方

敏感肌にあった化粧品の選び方

敏感肌用化粧品の特徴とは

敏感肌の方は肌のバリア機能が低下しているため、外部刺激に敏感になっています。このような状態で化粧品を使用すると、肌がヒリヒリしたりかゆくなったり肌荒れが悪化したりといったトラブルが発生しやすくなります。

敏感肌の方が化粧品を選ぶときは、敏感肌向けの製品を選ぶことをおすすめします。敏感肌向けの製品は、開発段階で肌刺激が少ないことが確認されていたり、実際に敏感肌の方で使用テストを行っていたりします

とはいえたくさんの製品があり、それぞれ処方や使用感も異なり、どれが合っているかは人によって違います。サンプルやお試しサイズのものを使ってみて、肌に刺激がないようであれば使い続けるのが良いでしょうまた、合う化粧品がなかなかないという方は、皮膚科で相談してみるのもおすすめです。

敏感肌の方におすすめの成分

バリア機能が低下しているお肌には、バリア機能を補うのに必要なアミノ酸やセラミドを含んだスキンケア製品がおすすめです。最近はビタミンCやレチノール・ナイアシンアミドなど、エイジングケアや美白ケアに特化したスキンケア製品が人気ですが、刺激になる可能性があるので肌が不安定なときは使わない方が良いでしょう。

敏感肌に優しいベースメイク・日焼け止めの選び方

ベースメイクアイテムを選ぶ際は、できるだけ石鹸で落とせるアイテムを。クレンジングによる肌刺激を抑えられるので、肌への負担が少なく済みます。

また、日焼け止めを選ぶ際は、紫外線吸収剤ではなく紫外線散乱剤タイプの製品がおすすめです。吸収剤の成分は、肌表面で化学反応を起こすことで紫外線から肌を守る仕組みになっており、人によってはこの化学反応が肌刺激になることがあります。

関連記事:美肌の大敵!お肌のタイプ別「日焼け・紫外線対策」

敏感肌の方が避けた方が良い成分

肌刺激になりやすいアルコール(エタノール)やメントール配合の化粧品は避けた方が安心です。また、香料や着色料も肌にあわないことがありますので注意しましょう。

このほか、オーガニック化粧品にも少し注意が必要です。人によっては、含まれている精油などの成分が肌に合わない可能性がある他、その植物自体にアレルギーがある場合、反応してしまうことがあります天然成分だからこそ純度が高く、よりアレルギー反応が出やすいという面もあるので、オーガニック化粧品だからと油断せずに、しっかり肌の反応を見ることが大切です。

まとめ

肌というのは、季節の変わり目や生理周期によって調子が変わるものですよね。昨日までは普通だったのに急にコンディションが悪くなり、乾燥やピリピリ感・赤みが出てしまうことも。また、最近はマスクなどの影響も重なって肌のバリア機能が低下しやすい状態にあり、元々は肌が丈夫な人でも敏感肌を招きやすくなっています。そんなお悩みがある方は、ぜひ今回ご紹介したスキンケア方法やアイテムの選び方を参考にしてみてくださいね。なお、赤みや炎症・かゆみがひどい方や慢性的に敏感肌に悩んでいる方は、一度皮膚科で相談してみるのも選択肢での一つです。

美容コンサルタント 清水裕美子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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