美肌の大敵!お肌のタイプ別「日焼け・紫外線対策」
健康とくらし
2021年04月15日掲載
春先になると、ドラッグストアの店頭にたくさんの紫外線対策アイテムが並ぶようになりますね。「そろそろ本格的に対策しないといけないな」と感じている方も多いのではないでしょうか?
最近では在宅勤務の方も増えていると思いますが、波長が長いUV-Aはレースカーテンや窓を通り抜け、かなりの量が室内に降り注いでいると言われています。
美容コンサルタントの清水裕美子さんによると、在宅勤務で顔のシミが増えてしまった方もいるとのこと。聞けば、窓際のデスクで仕事をしていたそう。室内であっても、紫外線の影響を受けやすい場合は、紫外線の予防や対策は欠かせません。
そこで今回は、紫外線が強くなる時期に実践したい紫外線対策について、元CAでCA流の美容術を発信する美容コンサルタントの清水さんに教えていただきました。
清水裕美子
美容コンサルタント
日本航空の客室乗務員として約5年勤務。乾燥や不規則な生活など過酷な環境の中でもなぜCAたちはみんなこんなにキレイでいられるのか?と疑問を持ち、およそ5000人のCAのきれいの秘密を観察・分析。「CA流美容」として発信する。著書「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが持続するきれいの手抜き」(青春出版社)
紫外線ダメージはどんな肌トラブルをもたらす?
そもそもなぜ紫外線から肌を守る必要があるのかというと、紫外線はさまざまな肌トラブルの原因となりうるからです。
紫外線は肌のバリア機能を低下させる
人間の肌には「バリア機能」が備わっています。バリア機能の役割は、水分が蒸発するのを防いだり、外的刺激から肌を保護したりすること。バリア機能が正常に働くことで肌は健やかな状態を保てます。しかし、紫外線を浴びると、バリア機能は低下します。そのため、肌が乾燥しやすくなったり外的刺激に対して敏感な状態になったりしてしまうのです。
シミやそばかすをできやすくさせる
紫外線を浴びると、肌内部では肌細胞を保護するためにメラニンという色素が生成されます。このメラニンが過剰に作られることで、シミやそばかすなどの色素沈着が起きやすくなります。
シワやたるみなど、肌の老化をもたらす
肌に含まれるコラーゲンは、肌のハリや潤いを保つのに重要な役割を果たしています。しかし、紫外線を浴びるとコラーゲンの分解が進み、コラーゲン量は減少します。そのため、シワやたるみが起きやすくなったり、潤いが低下して肌がしぼんだような状態になったりしてしまいます。
紫外線は年間通じて降り注いでいますが、特に春先から夏場にかけては紫外線量が増加するので、紫外線による肌トラブルのリスクが高くなります。肌トラブルの原因となる紫外線から肌を守るために、正しい紫外線対策を知っておきましょう。
紫外線対策(1) 日焼け止めを正しく使おう
紫外線対策アイテムとして有効な日焼け止め。ですが、日焼け止めと一口にいってもたくさんの商品があるので、どういったものを選ぶべきか迷いますね。これから日焼け止めを購入する方は、以下を参考にしてみてください。
まずは日焼け止めのSPFとPAについて知っておこう
多くの方は日焼け止めを買うとき、まずは「SPF50、PA+++」といったSPFとPAの数値をまずチェックするのではないでしょうか。SPFとPAの意味は以下です。
SPFとは?
SPFとは、紫外線のうち紫外線B波(短時間で肌に赤みや炎症をもたらし黒化につながりやすくさせるもの)を防ぐ効果指数を指します。SPFの数値は、紫外線B波による日焼けをどのくらいの時間防止できるかを表し、数値が大きくなるほど効果時間が長くなります。
PA値とは?
もうひとつ、日焼け止めに表示されているのがPAという数値です。PAとは、紫外線A波(長時間かけて肌の潤いや弾力を低下させる)を防ぐ効果指数を指します。PAは4段階の「+」マークで表され、数が多いほど効果が高くなります。
シーンに合わせて日焼け止めを選ぼう
日焼け止めを選ぶとき、「とりあえずSPFとPAが高いものを」と考える方は多いかと思います。しかし、SPFやPAが高くなるほど、お肌への負担もかかりやすくなります。特に乾燥肌や敏感肌の方は、強すぎる日焼け止めで肌トラブルを起こす恐れもあります。そこで、シーンに合わせて使い分けがおすすめです。
シーン別、SPFとPAの目安
- 自宅にいるとき:SPF10〜20、PA++
- 通勤やちょっとした買い物:SPF30〜、PA+++
- アウトドアや長時間外にいるとき:SPF50以上、PA++++
敏感肌の方は特に配合成分に注目しよう
日焼け止めクリームには、紫外線をカットするために「紫外線吸収剤」もしくは「紫外線散乱剤」が使用されています。それぞれ以下のような特長があります。
- 紫外線吸収剤:紫外線を吸収して肌を防御する
- 紫外線散乱剤:紫外線を反射・散乱させて肌を防御する
一般的には、紫外線散乱剤の方が肌への負担は少ないとされています。日焼け止めの購入時は、SPF値とPA値とともにチェックすると良いでしょう。
テクスチャー別の日焼け止めの選び方
日焼け止めはできれば毎日使いたいもの。そうなるとSPFやPAの数値や配合成分だけでなく、使用感や使い勝手も大事ですね。日焼け止めにはさまざまなテクスチャーがあるので、お肌の状態や使用部位・タイミングなどによって上手に使い分けましょう。
クリームタイプ
保湿力・フィット感ともに高い。汗や摩擦・水にも強いウォータープルーフタイプも多い。化粧下地代わりにも使えるアイテムも。
乳液タイプ
さらっとしていて肌馴染みが良い。白浮きしにくく、保湿効果も期待できる。化粧下地としても使えるアイテムも多い。
ジェルタイプ
みずみずしい質感でスッと馴染むため塗りやすい。ボディに広範囲に塗るのに向いている。ベタつきが苦手な人におすすめ。乾燥肌の人は乾燥が気になることも。
スティックタイプ
直接肌に塗れるので密着度が高い。手が汚れないので外でも使いやすく、塗り直しに向いている。
スプレータイプ
顔や体だけでなく髪にも使える。広範囲にすばやく塗れるので便利。メイクの上から散布することも可能なので、持ち歩きにおすすめ。
日焼け止めの正しい塗り方
日焼け止めを塗るタイミングは?
朝のスキンケアをする際に、日焼け止めも塗りましょう。化粧水や乳液・クリームなど基本のスキンケアをしたら、メイクをする前に日焼け止めを。肌を露出するときはボディへの塗布も忘れずに。
塗り直しは必要?
前述したように、日焼け止めのSPF値は紫外線への防御時間を表します。SPF1の紫外線防御持続時間は約20分。つまり、SPF20=6時間40分紫外線を防止できるという計算になります。しかし、汗や皮脂・マスクによる摩擦などによって日焼け止めが落ちてしまうことも考えられるため、必ずしも数字通りの時間紫外線を防御できるとは限りません。目安としては3時間に1回程度、少なくとも1日に1回は塗り直しをすると安心です。
紫外線対策(2)紫外線対策グッズを使おう
日傘や帽子
紫外線をカットするのに、日焼け止めとともに日傘や帽子などのアイテムを併用するのもおすすめです。
日傘の選び方
日傘は紫外線遮断率の高いものを選びましょう。日本工業規格(JIS規格)試験によって遮光性が99%以上と証明された生地は「一級遮光生地」と呼ばれており、一級遮光生地を使った日傘は遮光性が高いと言えます。また、涼しさや使用感(軽さ・さしやすさ・開閉のしやすさなど)も、毎日使うには大事なポイントです。
なお、一般的な日傘のUVカット効果の持続時間は2〜3年といわれています。頻繁に使用すると開閉時の摩擦によってUVカット効果が低下するのが早くなる可能性もあるので、心配な方は1年に1回程度買い替えるとよいでしょう。
帽子の選び方
紫外線対策で帽子を選ぶなら、ツバが広くUVカット効果が明記されているものがおすすめです。帽子をかぶることで顔や首回りだけでなく髪の毛や頭皮の日焼けも防いでくれます。
サングラス
顔や体の紫外線対策とあわせて、目の紫外線対策もぜひ行いたいところです。目から紫外線が入ると眩しくて不快なだけでなく、瞳にダメージを与え、炎症や痛み・充血などの症状を起こすこともあります。目の紫外線対策としてはサングラスが有効です。
サングラスの選び方
紫外線対策でサングラスを選ぶときは、「紫外線透過率」をチェックしましょう。紫外線透過率とは、そのレンズがどれだけ紫外線を透過するかを示す数字で、低いほど紫外線カット効果が優れています。「紫外線透過率1.0%以下」と表示されているものは、紫外線を99%以上カットできるとされています。
うっかり日焼けしてしまった後のアフターケア
紫外線対策をしなかったときはもちろん、「想定していたよりも長時間外にいた」「汗で日焼け止めが流れてしまった」など、うっかり日焼けしてしまうこともありますよね。そんなときは、アフターケアを重点的に行いましょう。
熱を持った肌を冷やしてほてりを鎮めよう
日焼けして肌が熱を持っているときは、肌を冷やしてほてりを鎮めましょう。保冷剤をタオルで包んで肌に当てるか、冷蔵庫で冷やした化粧水をコットンにひたして肌に貼るのも良いでしょう。
保湿をしっかりしよう
紫外線は肌の水分を奪い、乾燥を悪化させます。帰宅後に日焼け止めを落としたら、いつも以上に念入りに保湿ケアを。まずは化粧水をたっぷりつけて水分補給。手に100円玉程度の化粧水を出し、肌全体に塗布したら、手でおさえて馴染ませます。これを3回程度繰り返してください。それから乳液やクリーム・オイルなどの油分を含むアイテムをつけてフタをしましょう。保湿力の高いシートマスクを使うのもおすすめです。シートマスクには、肌を冷やしてほてりを鎮める効果も期待できます。
皮がむけてしまったら
日焼けしたところが皮むけするのは、炎症を起こした表皮が新陳代謝によって剥がれ落ちるからです。しかし、皮を自分ではがしたり掻いたりするのはNG!皮がむけそうになっているときや皮がむけてきて痒みが出ているときは、できるだけ触らずに保湿ケアをしっかり行うことが大事です。なお、炎症や痒みがひどいときは皮膚科を受診することをおすすめします。
まとめ
これからの季節、紫外線はどんどん強くなっていきます。アウトドアや海に行かなくても、買い物や散歩といった少しの外出でさえ紫外線の影響を受けてしまうことがあります。美肌の大敵・紫外線に負けず、健やかなお肌を保つために、毎日の紫外線対策を強化しましょう。
美容コンサルタント 清水裕美子
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。