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季節の変わり目に注意。フケの原因と対策をご紹介!

意外と悩んでいる方が多いフケ。なんとなく人に相談しにくい上に、「濃い色の服を着ると、肩にパラパラ落ちて目立つ」「髪にベタベタとした塊のようなものが絡まっており、髪がとかしにくい」など、日常生活で困っている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、フケが発生する原因や自分でできるケア方法・予防方法などについて、LECINQ clinic院長 長谷川佳子先生に教えていただきました。

長谷川佳子

LECINQ clinic院長

2012年 北里大学医学部卒業。2014年 横浜市立大学病院 形成外科入局 KO CLINICに勤務。藤沢湘南台病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、横浜栄共済病院 小田原銀座クリニック勤務を経て、2020年ルサンククリニック診療部長就任。2021年 ルサンククリニック院長就任。所属学会は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー治療医学会、日本抗加齢学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会など多岐にわたる。

LECINQ clinic院長 長谷川佳子

フケの正体とは?

フケの正体とは?

フケの正体は、頭皮の角質が剥がれ落ちたもの

フケは、古くなった頭皮の角質が剥がれ落ちたものです。人間の皮膚には「ターンオーバー」と呼ばれる機能が備わっていて、約28日周期で生まれ変わっています。これは頭皮も同様です。新しく生まれた皮膚細胞によって古くなった頭皮の角質が押し出され、剥がれ落ちていきます。

フケが目立つ人は何らかの頭皮トラブルが起きている

正常なターンオーバーのサイクルで剥がれ落ちたフケは、髪を洗った時などに取り除かれるため、そこまで目立つことはありません。フケが目立つということは、何らかの頭皮トラブルによって「角質のターンオーバーが早まっている」「角質の剝がれる量が増えてしまっている」という状態になっているということです。また、脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患が原因でフケが生じることもあります。

脂漏性皮膚炎によるフケとは?

脂漏性皮膚炎とは、皮脂腺が多く集まる脂漏部位で皮脂が過剰に分泌され続け、皮膚に炎症が起こっている状態です。過剰に分泌された皮脂にマセラチア菌が繁殖することで発症し、頭皮にうろこ状のかさつき(フケ)が発生します。脂漏性皮膚炎の原因は今のところはっきりわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどの生活習慣が関係して発症すると言われています。

フケには2種類ある!それぞれの特徴と原因は?

フケには2種類ある!それぞれの特徴と原因は?

フケと一口に言っても、実は「乾性フケ」と「脂性フケ」の2つの種類があります。それぞれの特徴と原因は以下です。

乾性フケ

特徴:白く細かい・乾燥している・肩などにパラパラと落ちる

原因:洗髪のしすぎ、洗浄力が強すぎるシャンプーを利用している、または紫外線による影響などで頭皮が乾燥していると発生しやすくなります。また、もともと乾燥肌の人も乾性フケが発生しやすいといえます。

脂性フケ

特徴:ベタベタしている・髪の根元や頭皮に貼り付いている・大きな塊になっている・黄色がかった色をしている

原因:シャンプーなどの洗髪が不十分な場合に発生しやすくなります。また、もともと皮脂の分泌が多い脂性肌の人も脂性フケが発生しやすいといえます。脂漏性皮膚炎の人も脂性フケが発生しやすくなります。

パターン別に解説!フケの対策

パターン別に解説!フケの対策

フケにお悩みの方は、以下のポイントに気をつけてみてください。

乾性フケの対策方法

乾性フケの対策としては以下が挙げられます。

頭皮の乾燥を悪化させないシャンプー選びを

頭皮の乾燥が進んでいると、白くパラパラしたフケが出やすくなります。頭皮の乾燥の原因の一つとして考えられるのが、洗浄力の強いシャンプーによる洗いすぎです。
もともと乾燥肌の人が洗浄力の強いシャンプーを使ったり、1日に何回もシャンプーをしたりすると、頭皮の皮脂が奪われすぎて乾燥してしまいます。洗浄力がマイルドなアミノ酸系のシャンプーを使う・シャンプーの使用頻度を見直すなどの対策を


洗髪にはぬるま湯で

洗髪時にお湯の温度が高すぎることも頭皮を乾燥させ、フケの原因になります。「ちょっとぬるいな」と感じる程度の38度前後のお湯で洗うようにしましょう。


紫外線対策で頭皮の乾燥を防ぐ

このほか、紫外線も頭皮を乾燥させるので、頭皮への紫外線対策も忘れずに。日差しの強い日は帽子を被る・日傘を使う・髪用と頭皮用のUVスプレーを使用するなどの工夫をしましょう。特に紫外線の強い夏場や、長時間外にいるときは、お肌と同様に頭皮の紫外線ケアもしてあげてください。


朝シャンを避ける

朝シャンをすると必要な頭皮の皮脂まで洗い流されてしまい、頭皮が紫外線に対して無防備な状態になってしまいます。紫外線の強い時期は特に、朝シャンは避けた方が良いでしょう

脂性フケの対策方法

脂性フケの対策としては以下が挙げられます。

シャンプーは毎日する

脂性フケの場合は、頭皮の洗浄が不十分な可能性があります。頭皮や髪の根元にベタベタとしたフケが付着している方は、頭皮の皮脂や汚れをしっかり落とすためにも毎日シャンプーをしましょう。


シャンプーの仕方を見直す

毎日シャンプーをしているのにフケが発生するという方は、頭皮の洗浄が不十分な可能性があります。特に整髪料を頻繁に使う方は、洗い残しが頭皮の毛穴に詰まり、脂性フケを招いていることも。髪の毛ではなく、頭皮に付いた皮脂や汚れをしっかり落とすイメージでシャンプーをしてみてください


食生活を見直す

脂性フケが発生する方は、頭皮だけでなくお肌全体が脂性に偏っている傾向があります。油分が多い、または高カロリーな食生活は皮脂の過剰分泌を招き、脂性フケの原因になります。脂性フケの予防・改善のためにも、栄養バランスの整った食生活を心掛けましょう。

脂漏性皮膚炎の対策

脂漏性皮膚炎の予防対策としては以下が挙げられます。

毎日の洗髪と規則正しい生活を

脂漏性皮膚炎の予防は、基本的に脂性フケの対策と同様です。「毎日の洗髪で頭皮の皮脂や汚れをしっかり落とす」「規則正しい生活習慣・食習慣で皮脂の過剰分泌を防ぐ」の2つのケアを行いましょう。症状が軽ければ、これらのセルフケアで改善することが多いといえます。

症状が改善しない、悪化する場合は皮膚科に相談を

セルフケアを1週間程度行っても症状が改善されない、我慢できないほどの強いかゆみがある、フケが増えてかさぶたのように頭皮に張り付いているなどの場合は、皮膚科に相談を。
皮膚科では、抗真菌薬や皮脂の分泌を抑えるビタミン剤の処方などを行います。かゆみがひどい場合には、抗ヒスタミン薬を処方することもあります。

まとめ

フケが目立って悩んでいるのであれば、それは頭皮になんらかのトラブルが起きているということです。ご自身のフケの種類を知って、それぞれに適した対策をしてみてください。また、ご自身のケアで改善しない場合は一度皮膚科に相談してみても良いかもしれません。

LECINQ clinic院長 長谷川佳子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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