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梅雨・雨の日のセットは一苦労。湿気に負けないヘアケア・セットのポイント

梅雨時期や湿気の多い日は、せっかくセットした髪が崩れたり、広がりやうねりが発生したりしてしまいがちです。そこで今回は、梅雨のヘアケア・ヘアセットのポイントをヘアライターの佐藤友美さんに教えていただきました。

佐藤友美

ヘアライター

1976年、北海道知床半島生まれ。テレビ制作会社勤務を経て、ライターに転向。日本初、かつ唯一のヘアライターに。著書『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)は8万部を超えるベストセラーとなる。歯切れの良い解説が好評でテレビ、ラジオ番組でも活躍。講演回数も年間60回を超える。

ヘアライター 佐藤友美

雨の日に髪が広がる・うねるのはなぜ?

梅雨の雨の日に傘を指している様子

まずは、雨の日や湿気の多い日に髪が広がったりうねったりする原因を知っておきましょう。

うねりや広がりの原因は、水分が髪に出入りすること

雨の日や湿気が多い日に髪が広がったりうねったりするのは、髪に水分が出たり入ったりするからです。髪は、アミノ酸同士が結合することで形を保っています。この結合の種類は複数あり、そのうち最も表面で行われているのが「水素結合」と呼ばれるものです。水素結合は、髪が水で濡れたり水分が入ったりすることによって切れ、乾くと再度結びつく性質をしています。寝癖がついた髪も、一度濡らしてからブローをすると綺麗に整えられますよね。これは、水素結合を一度切って再び結合させ直しているからなのです。雨の日や湿気の多い日は、必然的に髪に水分の出入りが多くなります。すると、髪の水素結合が切れて形状が変わり、乾いたときにもともとの髪の癖が戻ってきてしまうのです。

雨の日は、もともとの髪の癖が出やすくなる

雨や湿気の多い日、癖毛の方は水分の出入りによって元の癖が出やすくなり、髪がうねったり広がったりしやすくなります。また、切れ毛やアホ毛が多い方も、雨や湿気の日はそれが目立ちやすくなります。反対に、もともとストレートヘアの方や髪が健康な状態の方は、湿気があってもさほど影響は受けないと言えます。

髪が傷んでいると広がりやうねりが出やすくなる

パーマやカラーなどで髪が傷んでいる方も、雨や湿気の多い日には髪がうねったり広がったりしやすくなります。傷んでいる髪は表面のキューティクルがはがれやすくなっており、キューティクルの間から水分が出入りしやすくなるからです。

雨の日の髪の広がり・うねりを防ぐヘアケアのポイント

鏡を見ながらヘアケアをする様子

髪への水分の出入りを防ぐために、油分で髪表面をコーティングしよう

髪のうねりや広がりを軽減するためには、水分の出入りを防ぐことが大事です。最も良い対策は、油分で髪をコーティングしておくこと。水分が出入りしないように油で蓋をしてあげるイメージです。ヘアオイルやバーム・ワックスなどを普段よりもたっぷりつけておきましょう。

普段よりもトリートメントを重点的にしよう

髪の内部が水分不足でスカスカだと、水分が出入りしやすくなってしまいます。そこで、普段よりも重点的にトリートメントをしてあげることをおすすめします。トリートメントで髪に潤いを与えて、これ以上水分が入らないようにします。また、髪表面に皮膜を作って水分の出入りを防ぐことができます。

広がりやうねりを予防するためのトリートメント方法

シャンプー後、髪の水分を軽く絞ってからトリートメントを塗布します。特に中間から毛先にかけては重点的に。コームを使って伸ばし、髪の毛の接地面を増やすようにしましょう。特に傷みが気になるときは、トリートメントを一度洗い流してから、再度トリートメントをするのがおすすめです。

梅雨時期のシャンプーは保湿タイプがおすすめ

髪質によって適したシャンプーは異なりますが、梅雨時期など湿気が多い季節は保湿力の高いしっとりタイプがおすすめです。髪の中に水分を抱えさせ、これ以上外部から水分が入らないようにします。ただし、髪の毛の量が少ない方や薄毛が気になる方は、しっとりタイプだと重すぎて髪がペタッとしてしまうことも。シャンプーに関するお悩みは、こちらの記事で解説していますのでぜひご覧ください。
関連記事:冬になると毛先がパサパサする。プロに聞く毛先がパサパサする原因と対策

雨の日の髪の広がり・うねりを防ぐヘアセットの仕方

手鏡を見ながらヘアセットをする様子

うねりや広がりを抑える、基本のヘアセット方法

まずは基本のヘアセット方法をご紹介します。

  • 1.寝癖がついているときは、一度髪全体を濡らします。
    濡らすことで髪の水素結合が切れ、その後のスタイリングが整いやすくなります。

  • 2.ドライヤーの熱風で髪を乾かします。
    ドライヤーをしている間に髪が乾いて元の癖が戻ってしまうことがあるので、前髪や顔周りなど、特にうねりや広がりを出したくない部分から先に乾かしていきましょう。

  • 3.ドライヤーの冷風を当てます。
    髪の毛は熱が加わることで形状が変わり、冷めるとその形状が固定されます。きれいに乾かした髪をキープするために、冷風を当ててあげましょう。


髪を巻く場合も、先に一度髪をまっすぐに伸ばしておきましょう。また、熱を当てるとキューティクルが整うので、ツヤが生まれ、パサツキ感が軽減します。

雨や湿気の多い日でも崩れにくい、カールヘアの作り方

前述したように、髪は熱が加わることで形状が変わり、冷めるとその形状が固定されます。そこで、コテなどで髪を巻くときは、コテを抜いた後に数秒間そのまま持って髪を冷ましてあげましょう。この工程を入れるだけでカールが長持ちします。巻き終わったら、髪全体に油分の多いヘアオイルやバーム・ワックスをたっぷりめにつけましょう。髪に水分が入りにくくなるのでうねりや広がりを防ぐことができます。

特に広がりやうねりが出やすい前髪のセット方法

前髪は広がりやうねりが目立ちやすい部分。セット前に一度伸ばし、癖をとってあげましょう。髪を真下にひっぱりながら根元にドライヤーの温風を当て、乾いたら冷風を当てます。左右どちらかに流したい方は、その後でコテやストレートアイロン、ロールブラシなどで流してください。流し前髪を上手に作るポイントは、前髪の根元を流したい方向と反対に乾かすこと。こうすると、自然と毛先が流したい方向に流れてくれます。巻き終わったらオイルやバームをつけましょう。

クリップなど髪をまとめられるアイテムを持ち歩くと安心

出かける前にしっかりスタイリングしても、髪が広がったりうねったりしてしまうことはあります。そんなときの対策として、ヘアクリップやゴムなどを持ち歩くのがおすすめです。

  • バンスクリップ
    テクニック不要でサッと髪をまとめられます。髪の量が多い人やロングヘアでも使いやすいでしょう。跡がつきにくいのも良いところです。

  • バナナクリップ
    その名の通りバナナのような形状で髪をしっかり留められます。サイズの大きいものなら、髪の多い人でも全体をまとめられるでしょう。椅子にもたれても後頭部が痛くなりづらいので、長時間の移動があるときなどにもおすすめです。

  • バレッタ
    バレッタは、髪を結んだゴムを隠したいときにおすすめのアイテムです。つけるだけで普通の一つ結びがおしゃれに見えます。ちなみに、バレッタだけで髪をまとめようとする方もいますが、小さなバレッタに固定力はあまりありません。小さなバレッタは、「髪をまとめるためのもの」ではなく、「飾り」と考えた方が良いでしょう。

雨や湿気の多い日は無理にダウンスタイルにせず、ヘアレンジするのも◎

自分でヘアアレンジをする様子

ここまでにご紹介した方法でヘアセットをすれば、湿度の高い日でもヘアスタイルをキープしやすくなります。ですが、雨や湿気の多い日は無理にダウンスタイルにせずに、ヘアアレンジで乗り切るのもひとつの手。ポニーテールやお団子ヘアなど簡単なアレンジも、ちょっとしたコツでおしゃれに見せることができます。

ヘアアレンジをオシャレに見せるポイント
  1. アレンジする前に、髪全体にオイルやワックス・バームをつけておきましょう。

     

  2. ポニーテールでもお団子ヘアでも、後頭部をふんわり仕上げるのがポイントです。髪を結んだら、後頭部の髪を少しずつ引き出して高さを出します。

  3. ゴムに毛束を巻きつけて、ゴムが見えないようにしましょう。

  4. 顔まわりなどに後毛を出したい方は、後れ毛にもスタイリング剤をつけましょう。後れ毛は、「出てきてしまった後れ毛」ではなく「意図的に出している後れ毛」に見えることが大事です。

 

まとめ

髪の広がりやうねりが出やすい梅雨時期。ですが、普段よりもヘアケアを重視したり、スタイリング時にちょっとした工夫をしたりすることで、きれいなヘアスタイルが保てるようになります。ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてくださいね。

ヘアライター 佐藤友美

URL: http://satoyumi.com/

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『女の運命は髪で変わる』佐藤友美

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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