冬になると毛先がパサパサする。プロに聞く毛先がパサパサする原因と対策
健康とくらし
2021年02月24日掲載
「毛先がパサついてしまう」
「ヘアケアをしっかりしているのに、パサつきが改善しない」
こんなお悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?髪がパサついていると、清潔感がなくなったり実際の年齢より老けて見えてしまったりすることも……。
そこで今回は、そんな髪のパサつきの原因や正しいヘアケア方法について、ヘアライターの佐藤友美さんに教えていただきました。
佐藤友美
ヘアライター
1976年、北海道知床半島生まれ。テレビ制作会社勤務を経て、ライターに転向。日本初、かつ唯一のヘアライターに。著書『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)は8万部を超えるベストセラーとなる。歯切れの良い解説が好評でテレビ、ラジオ番組でも活躍。講演回数も年間60回を超える。
INDEX
毛先がパサパサ…その原因は?
「毛先がパサパサしている」と一口に言っても、実はその状態はさまざま。髪が乾燥によってパサついている場合と、見た目にツヤがないせいでパサついて見えている場合があります。
1.髪が乾燥してパサついている
本来髪の内部にはたくさんの水分が含まれていますが、髪に水分が不足していると髪は乾燥してパサついてしまいます。髪の乾燥を招く要因としては、以下が考えられます。
髪の乾燥を招く原因
ヘアカラーやパーマ
ヘアカラーやパーマを繰り返すと、髪内部のタンパク質が流失しやすくなり、乾燥・パサつきを招きやすくなります。
髪をきちんと乾かしていない
髪は濡れているときが最もダメージを受けやすいと言えます。洗髪後、濡れたままの状態で放置すると、乾燥・パサつきの原因になります。
空気の乾燥
空気の乾燥も、髪をパサつかせる原因に。特に夏場はエアコンの影響で髪が乾燥しやすくなり、その後秋になったときの抜け毛の原因にもなります。
紫外線
紫外線を浴びると、髪の組織が壊れてパサつきなどのトラブルが起こりやすくなります。紫外線は肌だけでなく髪にも降り注いでいますが、紫外線対策をしていない人がほとんど。特に紫外線量の多い夏場の髪のパサつきには、紫外線ダメージが大きく関与しています。
2.髪にツヤがなくなってパサついて見えている
髪のうねりや癖によって髪の表面が凸凹していると、光が乱反射してツヤが出にくくなるため、パサついているように見えてしまいます。この場合、“パサついて見えるだけ”で、実際には髪はそれほど傷んでいない方も少なくありません。特に年齢を重ねると、頭皮の毛穴が垂れることで髪がまっすぐ生えにくくなり、うねりや癖が出やすくなるため、パサついて見えやすくなります。
【正しいヘアケア方法】 ①シャンプーのポイント・注意点・選び方
毛先のパサつきを改善するには、正しいヘアケアを行うことが大事です。まずはシャンプーをするときのポイントや注意点・製品の選び方をご説明します。
シャンプー前に2分かけて予洗いを
シャンプー前は、お湯で十分に予洗いをしましょう。髪をただ濡らすだけでなく洗うつもりで、2分程度お湯をかけて髪全体と頭皮に水分を行き渡らせることが大切です。余裕があれば、お風呂に入る前に髪をブラッシングしてホコリなどを落としておくとさらに効果的です。
シャンプーは頭皮を洗うもの!毛をゴシゴシ洗わないで
シャンプー時に一番大事なのは、毛をゴシゴシ洗わないこと。シャンプーの摩擦が刺激となり、毛先を傷める原因になってしまいます。よほど大量にスタイリング剤をつけているときは別ですが、基本的にシャンプーは頭皮を洗うものと考えましょう。毛先はシャンプーの泡を軽く通す程度で十分です。
シャンプーの選び方のポイント
結論から言えば、シャンプーを選ぶときに一番良いのは、担当の美容師さんに自分に合ったタイプを聞くこと。自分の髪質を誤解している方は多く、「癖が強いと思っているけれど、実は乾燥して広がっているだけ」という方や「痛みがひどいと思っているけれど、実はうねりや癖でパサついて見えているだけ」という方もいます。美容院の製品を必ずしも買う必要はありませんが、「さらさらタイプが合っているのか、しっとりタイプが合っているのか」など、方向性だけでも指南してもらうことをおすすめします。
その上で、ご自身でシャンプーを選ぶときのポイントを以下にご説明します。
シャンプーは値段と質が正比例していることが多い
シャンプーは、値段と成分の質が正比例している傾向があります。これは洗浄成分の違いによるものです。ドラッグストアなどで買える一般的なシャンプーには石油系由来の洗浄成分が、美容院で使用されている製品や比較的高い製品には、アミノ酸由来の洗浄成分が用いられていることが多いのです。後者の方が肌や髪に優しく、ダメージやパサつきを生みにくいと言えます。
オーガニックシャンプーは髪が健康な人向け
オーガニックシャンプーは肌や髪には優しいものの、ダメージを補修する力が弱いものが多いため、髪が傷んでいる方や年配の方・ロングヘアの方が使うときしんだりパサついたりすることがあります。
朝シャンより寝る前に洗髪を!
髪の成長は、成長ホルモンが分泌される睡眠中に最も盛んになります。そのときに頭皮の毛穴が汚れていない状態が望ましいため、洗髪は朝よりも夜寝る前にすることをおすすめします。さらに、朝に洗髪をすると、頭皮の皮脂が洗い落とされてバリア機能が低下し、頭皮に直接紫外線ダメージを受けやすくなってしまいます。特に紫外線ダメージを受けやすい夏場は、朝シャンは控えた方が良いでしょう。
【正しいヘアケア方法】 ②トリートメントのポイント・注意点・選び方
トリートメント類は髪の水気を取ってから塗布
コンディショナーやトリートメント・ヘアマスクなどシャンプー後の髪につけるアイテムはいろいろありますが、いずれの場合も髪の水気をとってからつけるようにしましょう。シャンプー後のびしょびしょの髪につけても、水分で飽和しているため、せっかくの成分が入りづらくなってしまいます。
トリートメントは目の粗いコームで伸ばす
10万本前後ある髪の毛に、まんべんなくトリートメントを行き渡らせるのは至難の技。手で適当につけていても、ほとんどの髪には行き渡りません。そこでおすすめなのが、目の粗いコームを使う方法です。コームを使うと接地面を増やせるので、より多くの髪にトリートメントを伸ばすことができます。
トリートメントの2度付けもおすすめ
大事な予定がある前日や髪をしっかりケアしたいときは、一度トリートメントをつけて洗い流した後、さらにもう一度トリートメントをするのもおすすめです。
トリートメントの選び方
トリートメント類は、コンディショナー<トリートメント<マスクの順で効果が高くなります。また、基本的にテクスチャーが重いほど保湿効果が高くなると考えましょう。(※例外はあります)
【正しいヘアケア方法】 ③洗髪後の注意点・髪の乾かし方のポイント
濡れた髪は最もダメージを受けやすい状態!
髪は濡れているときが最もダメージを受けやすい状態です。濡れたままで放置せずに、できるだけ早く乾かすことが大事です。タオルドライするときは、髪の毛同士やタオルとの摩擦が起きないように気をつけながら、水分を優しく抑えるようにしましょう。
ドライヤーの仕方で髪の質感は大きく変わる!正しい乾かし方
ドライヤーをするときのポイントは、どのパーツも「根元から毛先に向かって乾かす」ということです。こうするとキューティクルの向きに沿って風を当てられるので、キューティクルが自然と閉じやすくなり、パサつきや広がりを抑えられます。反対に、毛先から適当にバサバサと乾かすのは良くありません。毛先は水分が抜けやすいので、根元から中間の髪を乾かしているうちに自然と乾いていきます。
パサつきが気になるならアウトバストリートメントをつけて
パサつきが気になる方は、ドライヤーの前にアウトバストリートメントをつけるのもおすすめです。アウトバストリートメントには、オイルやミルクなどさまざまなタイプがあります。どういったタイプが良いのかは、髪の太さや細さ・長さ・うねり具合・ダメージ具合などによって異なります。「パサつきが気になる」という同じ悩みでも、人によって原因が違うため最適なアイテムも変わってくるのです。最適なタイプを知りたい方は、担当の美容師さんに聞いてみると良いでしょう。
【正しいヘアケア方法】 ④見た目のパサつき感を軽減する方法
髪表面の凹凸でパサついて見える人は、熱処理が一番効果的!
髪の根本的なパサつき改善は一朝一夕では叶いませんが、見た目のパサつきだけであれば5分で改善可能です。パサつき感を解消するのに一番簡単なのは、コテやストレートアイロン・カールドライヤーなどで髪表面に熱を当てる方法です。こうすると、キューティクルが閉じて表面の凹凸が軽減するので、ツヤが戻り、パサつき感が軽減します。
コテを使うときのポイントと注意点
コテやヘアアイロンによる熱ダメージを軽減するには、先にアイロン用のオイルなどをつけて髪を保護しておきましょう。また、低めの温度で長時間巻くよりも、高めの温度でサッと巻いた方が髪の負担は少なく済みます。
まとめ
冬になると特に気になる毛先のパサつき。「シャンプー前に予洗いをしっかりする」「トリートメントは髪の水気を切ってからつける」「ドライヤーは根元から当てる」など、いつもの習慣を少し変えてみるだけでも、髪の状態に変化が見られるかもしれません。毛先のパサつきが気になる方は、ぜひ日々のヘアケア方法を見直してみてください。
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。