脳ドックへ行こう!
教えてドクター「Q&A」
病気・症状と予防
2010年08月05日掲載
脳ドックについて興味・関心があっても、まったく初めての場合には、分からないことも多いもの。脳ドックを受診するにあたり知っておくべきこと、気を付けておくべきことなどのポイントについて、中之島クリニックの水野陽花医師にお話しを伺いました。
水野 陽花医師
監修 中之島クリニック 医師、日本内科学会認定医
「受診してみようかな?」と迷っている方へ
健康な体づくりは、自分の体に興味を持つことから始まります。まずは現在の体の状態を知り、健康な体へ改善していくために、脳ドックの受診をおすすめします。
1.脳ドックを受けたほうが良いのはどんな人?
脳血管疾患を患ったご家族がいる方や、生活習慣病(高脂血症、高血圧、糖尿病など)をお持ちの方、タバコを吸う方、飲酒量の多い方には、積極的な検査をオススメします。
2.脳ドックは何歳ぐらいから受けるのがいいでしょうか
脳梗塞や動脈硬化といった疾患は、これまで「中高年の病気」と考えられてきました。しかし、現在では30代でも起こっているのは確かです。若くても、脳血管疾患のリスクが高まる、高コレステロールの方、糖尿病の予備軍の方、生活習慣病の方も大勢います。したがって、年齢に関係なく、できるだけ早い段階から検査するようにしましょう。
3.脳ドックはどの程度の間隔で受ければいいですか?
目安としては、人間ドックと同じように、1年に1回受けていただくと良いでしょう。気になることがある場合には、その都度検査することもできます。
4.脳ドックは誰でも受けることができますか?
脳ドックを受けられないのは、心臓にペースメーカーを使用している方、脳動脈にクリップのある方(クリップの種類によっては検査可能)、体内に金属物が入っている方(金属の種類・部位によっては検査可能)、妊娠中もしくは妊娠の可能性がある方(原則)となっています。クリップや金属の種類などが検査可能かどうかは、主治医にお尋ねください。狭い場所が怖い、大きな音が怖いという方や、同じ姿勢を長時間続けるのが辛い方(MRIでの撮影には15~20分必要)はあらかじめ伝えておくといいでしょう。
5.脳ドックの施設を選ぶ際のポイントは?
検査項目や検査費用も重要ですが、新しい検査機器を設置している施設を選ぶことも重要なポイントになります。新しい検査機器(MRIなど)を使用すると、やはり画像の鮮明さが違います。脳や血管の状態を細かく、ハッキリと映せるので、病気を発見しやすくなります。
6.検査の結果はどのように教えてもらえるの?
中之島クリニックの場合、検査結果が記載された一覧表と、撮影した画像を収録したCD-Rをお手元にお送りしています。精密検査をきちんと受けていただきたい場合には、説明用の画像と解説をお付けしています。また、検査結果について詳しく知りたい方は、ご予約の上で、画像を見ながら説明を受けることもできます。
7.どの位の割合で異常が見つかるの?
検査の結果「何一つとして心配な点が見当たらない」という方は少数です。脳ドックはあくまでも予防が目的ですから、細かい部分まで注意して、様子を見ていきましょうというお話をしています。「病気が見つかったら怖い」という意識ではなく、生活習慣を改善するためのきっかけとして、気軽に検査していただくのが良いと思います。
8.「MRI」と「MRA」の違いってなんですか?
MRIとMRA、どちらも同じMRI(磁気共鳴診断装置)という検査機器を使って調べます。
簡単に説明すると、MRIは脳全体を、MRAは脳血管を調べるもので、MRAは多数あるMRI検査メニューの一部になります。
脳ドックへ行こう!
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。