足の裏の皮がむける原因は?予防・対処方法を解説!
病気・症状と予防
2024年08月27日掲載
いつも同じ部位の皮がベロンとむけてしまったり、足裏がカサカサして皮むけを起こしてしまったり……足の裏の皮むけに悩む人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、足の裏の皮むけの原因とその予防・対処方法について、JUN CLINIC横浜の長谷川佳子先生に教えてもらいました。
長谷川 佳子
【監修】JUN CLINIC横浜
2012年 北里大学医学部卒業。2014年 横浜市立大学病院 形成外科入局 KO CLINICに勤務。藤沢湘南台病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、横浜栄共済病院 小田原銀座クリニック、ルサンククリニックを経て2024年JUN CLINIC 横浜に入職。 院長所属学会は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー治療医学会、日本抗加齢学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会など多岐にわたる。
足の裏の皮がむける原因は?
足裏の皮膚の乾燥
乾燥した環境にいたり長時間裸足でいたりすると足裏の皮膚が乾燥しやすくなります。そして、乾燥した皮膚は弾力を失って割れやすくなるため、ひび割れたり皮がむけたりしてしまいます。特に、かかとに起きることが多い皮膚トラブルです。
摩擦(靴擦れ)
サンダルや靴との摩擦が原因で皮膚がむけやすくなることも。特に、長時間歩いたり走ったりすることで摩擦が増え、皮膚がダメージを受けやすくなります。いつも同じ箇所の皮がむけるという人は、靴が足に合っていなかったり歩き方や立ち方が崩れていたりして、特定の場所に摩擦が強く起きている可能性があります。また、このような症状が進行すると、水ぶくれや痛みを伴う靴擦れになります。
汗
足の裏は熱を発散して体温を調節するという役割があるため、体の中でも特に汗をかきやすい部位です。汗をかいて湿った環境が続くと、皮膚がふやけて皮がむけやすくなってしまいます。特に夏場にたくさん歩いた後や運動後などは注意が必要です。
水虫
足の裏の皮むけがひどい場合、水虫(足白癬)の可能性も。水虫はカビの一種である白癬菌が原因で引き起こされ、皮膚がかゆくなったりむけたりする疾患です。特に足の指の間や足裏に症状が現れる傾向があります。このほか、水疱症などの病気でも皮むけすることもあります。
足の裏の皮むけが増える季節は?
足の裏の皮むけは、夏場でも冬場でも起こります。夏場は水虫や摩擦による皮むけが起きやすい他、海などに行って熱い砂場を歩き、気がつかないうちに軽い火傷をしているなんてことも。冬の場合は、乾燥による皮むけが多く、特に床暖房の場合は注意が必要。床暖房の影響で足裏が知らず知らずのうちに乾燥して、皮むけの原因になっている可能性があります。
足の裏の皮がむけるときの対処方法は?
無理に皮をむくのはNG
ついつい皮をむきたくなってしまいますが、それはNG。無理に皮をむくと新しい皮膚が未成熟な状態で露出し、さらに皮がむけてしまうことがあります。また、皮膚が傷つき、そこから細菌が侵入することで感染のリスクが高まる可能性も。
自然に皮がむけるのを待とう
皮をむくよりも、自然にむけるのを待つ方が皮膚の健康を保ちやすいといえます。無理に引っ張らず、時間をかけて自然にはがれるようにしましょう。
保湿ケアを
皮がむけてしまったら、保湿ケアを徹底しましょう。保湿クリームやオイルを使って、乾燥を防ぎます。尿素配合のクリームは特に効果的です。
入浴または足湯も有効
温かい湯で足を浸すことで、皮膚を柔らかくし、自然に皮がはがれやすくなります。足浴後はしっかりと乾かし、保湿を忘れずに行いましょう。
必要に応じて優しく角質ケアを
軽石やフットファイルを使って、優しくこすることで、はがれかけた皮膚を取り除くことができます。特に、角質が溜まりやすくなる冬場は、時々角質ケアを取り入れてあげると皮むけ予防につながります。ただし、強くこすりすぎないように注意してください。
足を清潔に
足裏の皮むけはもちろん、水虫などの足の皮膚トラブルがある場合も、足を清潔に保つことが大事です。湿気を防ぐために靴や靴下はこまめに替えるようにしましょう。特に夏はたくさん汗をかくので、家に帰ったら靴下を取り替えたり、毎日同じ靴を履かずにローテーションで履き替えたりするのをおすすめします。また、入浴後はしっかりと足を乾かすことも大切です。
足の裏の皮むけの予防方法は?
乾燥を防ぐために保湿する
足の裏がカサカサしていて皮がむけてしまう人は、入浴後や寝る前に保湿クリームを塗る習慣をつけましょう。特に硬い皮膚がむけている状態のときは、皮膚を柔らかくすることで違和感も少なくなります。尿素入りのクリームを使うのが効果的です。
足にあった靴を履く
例えば「母指球(親指の下)あたりがいつも皮むけてしまう」など、特定の場所が皮むけしてしまうという人は、常にその場所に摩擦や圧がかかっている可能性が考えられます。そしてその主な原因は、普段はいている靴であることが多いです。
簡単な解決方法は、クッション性のある靴を選ぶこと。足底が薄くて地面を直に感じるようなタイプの靴は摩擦が起きやすくなるので、足底がしっかりしてクッション性のある靴が良いでしょう。
また、自分の足に合った靴を選ぶのも大事です。サイズ選びに慎重になるのはもちろん、足を入れたときに違和感がないものを選びましょう。自分の足にぴったりの靴が欲しい方は、足のサイズを細かく測ってオーダーメイドで作ってくれるようなお店もあるので、チェックしてみると良いでしょう。
足を清潔に保つ
菌の繫殖を防ぐためにも、足を清潔に保つよう心がけましょう。汗や汚れをしっかり取り除くことで、足の裏の皮膚トラブルを防ぐことができます。入浴時に毎日しっかり洗うのはもちろん、足が蒸れてきたり汗をかいたりしたら、ボディシートなどで拭き取るのもおすすめです。また、入浴後はタオルで水分を吸い取ってよく乾かすことも忘れずに。
通気性の良い靴や靴下を使用する
足が蒸れやすい夏場は、通気性の良い靴や靴下がおすすめです。足の湿気を減らし、皮膚がふやけて皮むけするのを防ぎやすくなります。ブーツや革靴はできるだけ避ける、通気性の良いスニーカーやサンダルを選ぶ、吸水性と通気性の高いコットン製の靴下をはくなど、足をドライに保てるように意識してみてください。
足裏の皮むけがひどい・痛みや痒みがある場合は皮膚科へ
なかなか症状が改善しない・痛みや痒みがあるという場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。水虫が進行している可能性も考えられるので、水虫かどうかの確定診断のためにも、皮膚科への受診してみてください。
まとめ
足の裏の皮むけは、乾燥や摩擦・汗・水虫など、さまざまな原因で起こります。足を保湿したり、清潔に保ったりすることを心掛け、適切な靴選びをすることで予防しましょう。また、もし皮むけが起こってしまった場合でも、適切な対処を行うことで早期に改善することが可能です。健康な足を保つために、日々のケアを大切にしましょう。
JUN CLINIC横浜 長谷川 佳子
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