かかとのひび割れ・ガサガサを解消!美しいかかとを作る角質ケア方法
病気・症状と予防
2021年04月28日掲載
かかとのひび割れやガサガサが気になる……という方は多いのではないでしょうか。気温が上昇する春以降の季節は、素足にサンダルなど足元も涼しい装いにしたくなりますよね。しかし、「かかとがガサガサで見せたくない……」など、サンダルを履きたくても履けない方もいるのではないでしょうか?
春~夏にかけて、足元のオシャレをめいっぱい楽しめるように、かかとのフットケアを取り入れてみてはいかがでしょうか。そこで今回は、足の健康美容研究家の山道いずみ先生に、かかとの正しい角質ケア方法について教えていただきました。
山道いずみ
足の健康美容研究家
2000年ドイツにてドイツ式フットケアフスフレーゲの技術取得。オーソペディーシューテクニック技術取得、シューフィッター資格取得後、フットケアサロン「フット専門店ロワ」フットケアスクール「一般社団法人日本フットケア フスフレーゲスクール」開校。20年間10万人の足に向き合う。フットケアと、アーチサポート・靴・ウォーキング指導により繰り返さない為の技術を提供。
かかとのひび割れ・ガサガサはなぜ起きる?
●かかとのひび割れ・ガサガサの原因(1) 角質の肥厚(ひこう)・角質の硬化
かかとのひび割れやガサガサは、かかと部分の角質層が肥厚し角質が硬くなることで生じます。ではなぜこのような状態になってしまうのでしょうか?
・「3本の足裏アーチ」の崩れによって角質が肥厚・硬化する
足裏には以下の3本のアーチがあります。
(1). (横アーチ)親指の付け根から小指の付け根を結ぶ線
(2). (内側縦アーチ)親指の付け根から土踏まずの内側を通ってかかとを結ぶ線
(3). (外側縦アーチ)小指の付け根付近からかかとを結ぶ線
本来は、(1)~(3)のアーチを軸として足裏やかかとにバランスよく負荷がかかっていますが、歩き方が悪かったり靴で圧迫されていたりすると、足裏アーチが崩れて常に同じところに摩擦と刺激がかかってしまい、ヒールだこや、魚の目等もできやすくなります。
足裏アーチを整えることにより、バランスの良い歩行ができ、足に合った靴を履くことにより、かかとの負担も軽減します。
●かかとのひび割れ・ガサガサの原因(2) かかとの角質層の水分不足
かかとのガサガサやひび割れが起きる原因として、かかとの角質層の水分不足も挙げられます。足裏やかかとは他の部位の皮膚と違い、汗腺自体は多いものの皮脂腺がありません。そのため、角質層の水分が蒸発して乾燥しやすいのです。
●かかとのひび割れ・ガサガサの原因(3) 皮膚のターンオーバーの乱れ
皮膚のターンオーバーの乱れも、かかとのガサガサやひび割れの原因に。皮膚のターンオーバーは通常28日周期で行われますが、血行不良によって新陳代謝が低下するとターンオーバーが乱れやすくなります。すると、皮膚の再生が遅れ角質化が進んでしまうのです。
●かかとのひび割れ・ガサガサの原因(4) かかと水虫
かかとのガサガサやひび割れの原因が「かかと水虫」であるケースも。かかと水虫とは、足裏に白癬菌(はくせんきん)が繁殖することで起きる皮膚疾患です。かかと水虫にかかると、かかとから足裏にかけて全体的にかさついたり、厚みがでたり、白い粉がふいたような状態になります。気になる症状がある方は、まずは市販のかかと水虫治療薬を試してみるのも良いでしょう。
●かかとのひび割れ・ガサガサの原因(5) 皮膚のコラーゲンの減少
ホルモンバランスの乱れによって皮膚内部でのコラーゲン生成能力が低下すると、かかとや足裏の皮膚のかさつきが悪化することがあります。このようなコラーゲン低下による皮膚の乾燥は顔や体にも生じますが、特にかかとに顕著に現れます。ホルモンバランスが急激に変化する更年期世代(50代前後)の方に起こりやすいと言えます。
かかとのひび割れ・ガサガサの改善・対策
かかとのガサガサやひび割れにお悩みの方は、足裏の角質ケア・保湿ケアを取り入れてみてください。
●正しいかかとの角質ケア方法
・かかとの角質ケアは足が乾いているときに行って
入浴中や入浴後、皮膚が濡れているときや角質がふやけているときに角質ケアをするのはおすすめできません。角質を削りすぎてしまう恐れがあります。角質ケアをするときは皮膚が乾いた状態で行いましょう。
・目の粗い軽石だけでケアをするとかさつきやすくなることも
角質ケアのアイテムとして一般的な軽石は、目が粗いため、軽石だけの使用では皮膚に負担をかけてしまいます。それがかえって乾燥やガサガサを招くことも。軽石で優しく擦った後、フットファイル(角質ケア用の目が細かいやすり)を使ってください。この際、一方方向に力を加えながら整えることが大切です。さらに仕上げとしてスクラブまたはピーリング剤を使用すると、より滑らかになります。
・角質ケアをしたあとはクリームで保湿ケアを
足裏やかかとの皮膚には皮脂腺がないため、クリームで油分を足してあげないと乾燥してしまいます。特に角質ケアをした後は、必ず保湿ケアを。角質を和らげる作用のあるかかと専用の保湿クリームを使いましょう。このほか、ひび割れが深刻な場合は、皮脂膜の組成成分と同じ成分を配合しているクリームなどもおすすめです。
・角質ケアのしすぎに注意
角質ケアを頻繁に行うと、皮膚を守ろうとして逆に厚みが出てしまうこともあります。かかとのケアは1週間〜2週間に一度程度に留めましょう。
●かかとの角質ケアにはフット専用のアイテムを使用して
足の裏の皮膚は他の部位の皮膚とは構造が違うので、かかとの角質ケアにはフット専用の石鹸やクリームを使用することをおすすめします。ハンドソープやハンドクリームを使うのと同様に、フットソープ・フットクリームを用意するのも良いでしょう。
かかとのひび割れ・ガサガサで病院を受診する必要性・タイミングは?
日頃からケアをしていてもかかとのガサガサやひび割れが治らない・出血を伴って痛みがある場合は、皮膚科への受診をおすすめします。というのも、こういったトラブルの原因に他の疾患が関係している恐れがあるからです。
先にも述べたように、ただの乾燥や角質肥厚ではなく、かかと水虫にかかっているケースもあります。また、ひどい乾燥は、栄養障害や甲状腺の疾患・糖尿病が関与していることも。かかとひび割れ・ガサガサの状態が改善せず、悪化するような場合は病院などの医療機関に相談してみてください。
まとめ
かかとのガサガサやひび割れは、足元のオシャレを楽しむためにも改善しておきたい症状のひとつです。
自信を持って足元のオシャレを楽しめるように、今回ご紹介したかかとの角質ケアを実践してみてくださいね。
足の健康美容研究家 山道いずみ
フット専門店ロワ:https://www.foot-loi.com/
一般社団法人日本フットケア フスフレーゲスクール:https://www.foot-school.com/
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。