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治らない手の乾燥を解消!乾燥を防ぐ習慣とハンドクリームの使い方

「手がカサカサで老けて見える」「ハンドクリームを塗っても手の乾燥が止まらない」こんなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?近年は手洗い・アルコール消毒の頻度が上がり、ますます手の乾燥が進みやすい状況。また、炊事や水仕事を日常的にしている方も、手の乾燥やかゆみ・荒れといったトラブルが起きやすくなりますね。
そこで今回は、手の乾燥を防ぐためのハンドクリームの選び方や正しい塗り方などについて、エステティシャンの徳満友美さんに教えていただきました。

徳満 友美

【監修】日本エステティシャン協会認定フェイシャルエステティシャン

株式会社Luce/健康検定協会 日本エステティシャン協会認定フェイシャルエステティシャン。大手エステティックにて、サービスの提供、技術営業指導員。その後、化粧品、健康食品会社スタッフ育成。美容皮膚科にて運営、企画を行う。現在、株式会社Luce:健康検定協会所属。健康、医療情報メディカルアカデミーを担う。

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手が乾燥しやすいのはどうして?

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乾燥しやすい手には外部刺激から皮膚を守るシステムがある!けれども…

手は、とても乾燥しやすい部位。この理由は、手の甲には皮脂腺が少なく、手のひらには皮脂腺自体が存在しないからです

そのため、手のひらには乾燥や外部刺激から皮膚を守る機能がついています。通常、皮膚は角層などが外部刺激から皮膚を守っていますが、特に外部刺激を受けやすい手のひらや足の裏は、さらに「透明層」という層をプラスして刺激から守られるよう強化されているのです。

しかし、それでも刺激や摩擦によって手が乾燥してしまうことがあります。手が乾燥する原因としては、以下のような習慣が考えられます。

それでも手が乾燥してしまう理由

近年は、新しい生活様式によって手洗いやアルコール消毒を日常的に何度もするので、手の乾燥に悩む人が多くなっています。美容師や飲食店で働く人など水仕事を多くする人、自宅で水仕事が多い人なども、石鹸や洗剤などの刺激も重なって手が乾燥しやすい傾向があります。

このほか、空気が乾燥する冬場も、手についた水分が蒸発する時に皮膚の水分も一緒に奪っていくので、水に触れる機会が多い人ほど乾燥しやすくなります

また、冬場は水が冷たくなるので暖かいお湯で水仕事をする人が増えますよね。お湯は手の皮脂を洗い流す働きが強いので、お湯によって皮膚を保護する皮脂が少なくなり、乾燥を起こすことが多くなります。高温の湯を使うほど、乾燥を加速させやすくなります。

手の乾燥予防のためにできること

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ハンドソープや洗剤は、低刺激のものを選ぶ

手洗いの習慣自体は大切なので、その際に使うハンドソープの選び方にこだわるようにしましょう。「無添加」と書かれているタイプのものは、香料や保存料、着色料といった肌のために必要なかったり、肌の負担となったりする成分が入っていないものが多いです。また、敏感肌やアトピーといった肌質の人も安心して使用できるタイプもあります。

ただし、「無添加」にも種類があります。「化学物質無添加」は化学物質をできるだけ取り除いているタイプ。もうひとつは化学物質を一切使っていないタイプです。「無添加」といっても肌質によっては合う・合わないもあるので、合わない成分がある方は確認をしてから購入しましょう。食器用洗剤にも、植物由来のものなど低刺激のものがあります。また、手が荒れている時は炊事用の手袋をするのも良いでしょう。

手洗いや炊事時の水温は低めに

高すぎる温度の水で手を洗ったり炊事をしたりすると、熱いお湯が手指の皮脂を奪って乾燥が進みやすくなります。32度~35度前後のぬるま湯を使うことをおすすめします。

手を洗ったらハンカチで拭く

手を洗った後に自然乾燥は良くありません。皮膚の水分が一緒に蒸発するので、乾燥が進みやすくなってしまうからです。手洗いや手が濡れた後は、すぐにハンカチで水分を拭き取るようにしましょう。

ハンドクリームを使用する

手を洗った後や寝る前に、ハンドクリームで保湿をしましょう。選び方や使い方については事項で解説します。

保湿手袋をつける

手が乾燥しやすい人は、寝るときにハンドクリームを塗った後に保湿用の手袋を使うのも良いでしょう。

手の乾燥を防ぐハンドクリームの選び方と使い方

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手の乾燥・かゆみ・ヒビ・アカギレ……症状別のおすすめ成分

手の乾燥やトラブルがある方は、成分を見てハンドクリームを選ぶと良いでしょう。

手の乾燥・乾燥によるかゆみがひどいなら

保湿成分のヘパリン類似物質・尿素やグリセリン・ヒアルロン酸・セラミドなど

ヒビやアカギレがあるなら

抗炎症作用のあるグリチルリチン酸ジカリウム・ヘパリン類似物質など
※尿素は傷があるとしみるので避けましょう。

このほか、手の血行を促進するビタミンE誘導体やトコフェノール酢酸エステル、ヘパリン類似物質などが入っているものもおすすめです。

ハンドクリームの保湿力をより高めるには?

ハンドクリームには、クリームタイプやジェルタイプなどいろいろなテクスチャーのものがありますが、保湿力が最も高いのは、油分の多いクリームタイプです

またハンドクリームではないので別枠にはなりますが、カバー力が高いものとしてはワセリンもおすすめです。ワセリンは、保湿の成分が入っているわけではありませんが、肌に低刺激の油分で肌の保護に役立ちます。傷があってハンドクリームがしみる、使えないときはワセリンを使いましょう。肌内部には浸透せず、肌表面で肌を守ってくれます。

より保湿力を高めたいときは、クリームタイプのハンドクリームを塗って、その上にワセリンを重ねて塗るのも良い方法です。ただしべたつきを感じやすいので好みは分かれるかもしれません。べたつきが気になるときは、ワセリンを塗布した後にティッシュオフをすると、余分な油分をオフできて快適に使用できます。

ハンドクリームの効果的な塗り方

ハンドクリームは、水仕事の後や入浴の後、水分をしっかりふき取ってから使用してください。塗る量の適量は、手の大きさや使用する製品によっても差がありますが、基本的には手全体に伸びる量が必要です。女性の方であれば50円玉~100円玉程度出せば十分です。この量を出して足りなければ付け足しましょう。

油分が多いクリームタイプは伸びにくいものもあるので、手の甲に出して、両手の甲を重ね合わせた温度で少し柔らかくすると伸ばしやすくなります。柔らかくなったら手のひらや指の間、甘皮、爪など全体に塗りましょう。こうすることで、爪の乾燥防止・ささくれ防止にもなります。

手のひらに出しても同じように伸ばせますが、手のひらにハンドクリームが多くつくと、べたべた感を感じやすくなります。しばらくするとべたつきは改善されることが多いですが、すぐに手を使いたい場合は余分な分をティッシュオフしましょう。

特に乾燥が強い部分があれば、その部分だけハンドクリームなどを重ね付けして、肌を守りましょう。なお、製品によっては使用量や回数が指定されているものもあります。こういった製品を使う場合はその指示に従ってください。

また、使いきれずに長期間保管していたハンドクリームは、効果が半減していたり肌に悪影響を与えてしまったりする可能性があります。使用期限が切れていないか、使用前に必ず確認するようにしましょう。

ハンドクリームを塗るタイミングはいつがいい?

手を洗った後は、ぜひ毎回ハンドクリームをつけましょう。手の甲は皮脂腺が少なく、手のひらは皮脂腺自体がないため、元々乾燥しやすい部位です。さらに手はよく使う部分で刺激を受けることが多く、また隠しにくい部分なので紫外線やエアコンの刺激を年間通して受けやすく、乾燥を加速させる要因が多々あります。乾燥対策には、やはり洗浄の後に毎回ハンドクリームを塗って保湿が必要です。

さらに刺激が多いということは、老化しやすい部位とも言えます。「手には年齢が出やすい」とよく言われますよね。常日頃保湿をしておくことが、手の老化防止にも役立つでしょう

セルフケアで治らなければ皮膚科へ。手の乾燥から起こる皮膚炎も

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手の乾燥がセルフケアでも改善しない場合は、皮膚科に相談するのも選択肢の一つです。手の乾燥が悪化すると、湿疹やかゆみ・炎症に発展することも。特に起こりやすいのが、「手湿疹」と呼ばれる症状です。乾燥によって皮膚のバリア機能が弱まると手湿疹につながることがあり、ひどくなるとヒビ・アカギレ・赤み・かゆみなどを招きます。また、強いかゆみや皮膚のめくれ・水膨れなどができることも。

肌質や症状に合っていないセルフケアのハンドクリームなどが悪化の原因になることもあるので注意。気になる症状がある場合は、早めに皮膚科に相談した方が良いでしょう。

まとめ

乾燥が起きやすい手は、日頃からのこまめなケアが必要です。ハンドソープや食器用洗剤などを肌に優しいものにする・手を洗ったり手が濡れたりしたらすぐに水分を拭き取る・手を洗うたびにハンドクリームを塗る………こういった方法で、しっかりハンドケアを行いましょう。

また、なかなか治らない乾燥や、乾燥が悪化してかゆみや炎症になっている・ヒビやアカギレができているといった場合は、一度皮膚科に受診することもおすすめします。

日本エステティシャン協会認定フェイシャルエステティシャン 徳満 友美

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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