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紫外線で悪化することも。そばかすができる原因と薄くする方法を解説

頬や鼻にできる「そばかす」。最近では、ナチュラルなベースメイクが主流になりつつあり、その一つとしてそばかすを生かすメイクも流行っていますが、それでも「そばかすは隠したい」「そばかすを消したい」と思っている方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、そばかすができる原因や皮膚科での治療方法・悪化させないためのセルフケアなどについて、LECINQ clinic院長 長谷川佳子先生に教えていただきました。

長谷川 佳子

【監修】LECINQ clinic院長

2012年 北里大学医学部卒業。2014年 横浜市立大学病院 形成外科入局 KO CLINICに勤務。藤沢湘南台病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、横浜栄共済病院 小田原銀座クリニック勤務を経て、2020年ルサンククリニック診療部長就任。2021年 ルサンククリニック院長就任。所属学会は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー治療医学会、日本抗加齢学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会など多岐にわたる。

そばかすって何?

紫外線で悪化することも

そばかすはシミの一種。医学的には「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼ばれています過剰に生成されたメラニン色素が肌内部に沈着することで、そばかすになります。

そばかすの特徴は、細かなシミが鼻の上から頬にかけて点々と現れること。加齢に伴ってできるシミとは違い、そばかすは子供の頃からできる人が多いと言われています。4〜5歳くらいからでき始めて思春期に向けて濃くなりますが、その後は薄くなるのが一般的です。色素の薄い人にできやすく、色白の人によく見られます。

そばかすができる原因は?

そばかすに悩む女性

そばかすができる原因・要因としては、以下が考えられます。

そばかすは遺伝的要素が強い

そばかすができる最大の原因は遺伝です。そばかすの元であるメラニンには、ユーメラニンとフェオメラニンの2種類があります。ユーメラニンは黒色メラニンと呼ばれ、一方のフェオメラニンは黄色から赤色のメラニンです。これら2つの含有量によって肌や髪の毛の色味は決まり、フェオメラニンが多い人は色白でそばかすができる体質になりやすいと考えられています。そして、このメラニンのバランスは、遺伝によるところが大きいのです。

なお、遺伝が原因のそばかすは幼少期から思春期にかけて濃くなる傾向があり、成人すると次第に薄くなります。ただ、成人後に完全に消えずに、そのまま沈着してしまうこともあります。

紫外線で濃くなることも

遺伝的要因のほかに、紫外線もそばかすの原因になります。紫外線を浴びることでメラノサイトが過剰にメラニンを作り出し、色素沈着を起こしてそばかすが発生するのです。子供の頃にはそばかすがなかった人でも、紫外線の影響でそばかすができたり、紫外線によって元は薄くて目立たなかったそばかすが濃くなって目立つようになったりすることもあります。

女性ホルモンもそばかすの原因に

女性ホルモンのホルモンバランスの変化やストレス・睡眠不足などもそばかすを悪化させる原因と考えられています。そのため、生理前や妊娠中の女性は、そばかすができやすくなったり濃くなったりする傾向があります。

そばかすを消す・薄くする方法はある?

そばかすイラスト

健康保険外の美容医療の力を借りれば、そばかすを消す・薄くすることも可能です。ただ、このような治療による刺激が原因で、「そばかすは消えたものの、肌荒れが発生してしまった」といった悪影響が発生する可能性があります。また、そもそもそばかすが薄い場合は、効果が出にくいこともあるため、医療機関に相談のうえ施術を検討しましょう。

レーザー治療

レーザー治療は、熱エネルギーでメラニン色素を破壊することでそばかすにアプローチする方法です。施術後は、そばかすがカサブタとなって自然に剥がれ落ちていきます。痛みも少なく、数回の治療で効果が得られやすいと言われています。ただし、薄いシミの場合はレーザーがメラニンに反応しにくいため向かないことがあります。

IPLフォト治療

メラニン色素に反応する、レーザーよりも幅のある特殊な光を当てることでそばかすを薄くするIPLフォト治療も、そばかすの治療に有効です。レーザー治療と同様に、そばかすがカサブタとなって自然と剥がれていきます。そばかすだけでなく、くすみ改善や肌のトーンアップ効果も期待できます。ただし、薄いシミの場合は照射したときの反応が弱いため向かないことがあります。

外用薬での治療

ハイドロキノンやトレチノイン(レチノイン酸)といった外用薬を用いた治療もあります。ハイドロキノンはメラニンの生成を抑制し、美白効果が期待できます。また、トレチノインはメラニンの排出を促したり、古い角質を剥がれ落ちやすくさせたりする効果があります。

そばかすを予防する・濃くさせない対策

そばかす比較

そばかすは遺伝要素が大きいので、完全にできなくさせるのは難しいと言われています。しかし、日常的なセルフケアで悪化を防ぐことは可能です。

紫外線対策をする

そばかすは紫外線を浴びることで濃くなりやすいと言えます。元々はそばかすがなかった人も紫外線によってそばかすができたり、元からあったそばかすの色が濃く目立つようになったりすることがあります。紫外線が強い夏場はもちろん、年間通じて日焼け止めをしっかり塗って紫外線対策をしましょう。

肌のターンオーバーを正常化させる

肌のターンオーバーを正常化させることで、そばかすの元となるメラニン色素を生成・沈着させにくい状態になります。そのためには、肌表面に不要な角質がたまらないように、クレンジングや洗顔で取り除きましょう。あわせて、レチノールなど肌のターンオーバーを促す作用のある成分をスキンケアで取り入れるのも有効です。

また、栄養バランスの取れた食事をとることも大事です。特に重要なのはビタミン類をしっかりとること。例えば、ビタミンCにはメラニン色素の生成を抑える作用があると言われています。このほか、睡眠中にターンオーバーを促す成長ホルモンが分泌されるので、十分な睡眠をとることも意識しましょう。

肌への刺激を避ける

こすったり触ったりといった肌刺激を受けると、メラノサイトは肌を保護するためにメラニン色素を生成します。そばかすを防ぐためには、特にクレンジングや洗顔・スキンケア時・メイク時に摩擦を与えないように注意しましょう。

まとめ

そばかすは、遺伝的要素が強く、また一度できてしまった後は完全に取り除くことは難しいと言われています。しかし、今回ご紹介したような予防ケアを行うことで、そばかすの発生を抑えることができるかもしれません。気になる方はセルフケアを意識的に行うほか、皮膚科で相談してみましょう。

LECINQ clinic院長 長谷川 佳子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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