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気になるO脚の原因は?矯正ストレッチとその他の治し方を解説

細身のパンツや膝上丈のスカート・ショートパンツを履いたとき、O脚が気になるという方も多いのではないでしょうか?「O脚は骨格の問題」とあきらめているかもしれませんが、実は、8割は生活の中での筋肉や体の使い方が原因と考えられています。そこで今回は、O脚の原因や体に与える悪影響、O脚の予防改善のための矯正ストレッチなどについて、スポーツトレーナーの松尾瑠偉先生に教えてもらいました。

松尾瑠偉

【監修】スポーツトレーナー

株式会社ロイユニックス ORAN袋井所属、北海道メディカルスポーツ専門学校出身。スポーツトレーナー歴11年、施術家歴8年。Jリーグトレーナー兼大手接骨院、院長を経て独立。独立後、静岡県袋井市から初のJFL参入を目指すオラン袋井に所属し地域の健康寿命延伸に貢献しています。

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O脚とは?体への悪影響は?

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O脚とは、股関節が外旋し、脚全体が外側に湾曲している状態です。以下に当てはまる方は、O脚の傾向があると言えます。

  • 左右の内くるぶし同士をくっつけて立つと膝の内側同士がつかない
  • 歩いているときにガニ股になりやすい


O脚の方は立ったときや歩行中に脚や膝の形が目立つことがあるので、短いスカートや脚にフィットするパンツが綺麗に履けないなどのコンプレックスを感じることがあるかもしれません。それ以外にも、O脚は体や健康に以下のような悪影響を与える可能性があります

膝関節に負担がかかる

O脚が進行すると、膝関節に負担がかかりやすくなります。その結果、膝を曲げずに生活しようとして他の関節にも負担がかかることに。このような状態が長期間続くと、変形性膝関節症などの関節疾患のリスクが高まる可能性があります

お尻が硬くなり、腰痛・股関節や足首に負荷がかかる

O脚によって特定の筋肉が過度に使われ、他の筋肉が弱まってしまうことがあります。これが筋力の不均衡を引き起こし、体全体の安定性や機能に影響を与える可能性が考えられます。特に影響が大きいのが、腰・股関節・足首の3つで、負荷がかかることにより痛みを引き起こすことがあります。

姿勢が悪化する

O脚が進行すると、体全体の姿勢も悪化しやすくなります。これによって脊椎への負担が増加し、背中や首に痛みが生じることも。

O脚の原因は?

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O脚の原因として以下の2つが考えられます。

  • 先天的な原因:骨盤など骨格構造の位置に異常があるケース
  • 後天的な原因:筋肉や体の使い方に問題があるケース


先天性はそこまで多くはなく、8割型は後天的な要素が原因であると考えられます。

先天的な原因:骨盤など骨格構造の位置に異常があるケース

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生まれつきの骨の構造によってO脚の方もいます。上の画像のように骨盤と大腿骨頭(だいたいこっとう:脚の付け根から膝までの骨)がはまっているところの角度が強いと、O脚になりやすい傾向があります。これには遺伝的な要素も含まれます。なお、悪化すると、先天性股関節脱臼症を発症することも。事例としては少ないですが、先天性股関節脱臼症の場合には手術が必要です。

後天的な原因:筋肉や体の使い方に原因があるケース

O脚は日常の生活習慣や姿勢などの影響を受けて進行します。特に以下のような原因で進行することが多いと考えられています。

座りっぱなしだと

デスクワークで一日中座りっぱなしという場合、股関節がずっと90℃に折り曲がっているため、股関節がしっかり使えなくなります。お尻の筋肉も硬くなり、外転筋(骨盤と太ももの骨を結ぶ筋肉)が外側にねじれ内転筋(太ももの内側の筋肉)も弱くなるためO脚になりやすくなります

運動不足による筋力の低下

日頃から運動不足気味の方も、外転筋・内転筋の筋力・柔軟性が低下し、O脚になりやすいとされています。また、下半身を支えるインナーマッスルの低下もO脚を進行させる要素となっています。

膝の関節症の影響

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減って骨が変形する疾患。中高年に多く、運動不足や筋力の低下が主な原因です。特に膝内側の半月板(膝関節の中にある、三日月型をした軟骨でできた板のようなもの)がすり減ってきた場合、膝の骨と骨が当たって変形します。半月板は内側と外側にありますが、内側だけすり減ることで膝が外側に広がっていきO脚を進行させます。

スポーツが原因のことも

例えばサッカーは、インサイドキックと言って、脚を外側に開いて内側に蹴る動作をします。この動作がO脚を招きやすくなります。また、野球のピッチャーも、体を外側に開いた状態で踏み込む動作をするので、O脚になりやすいと言われています。

妊娠・出産

妊娠中はホルモンの影響で靭帯が緩み、骨盤が広がりやすくなります。その結果、O脚気味になることがあります。

O脚の予防改善のための矯正ストレッチ

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O脚の予防改善には、股関節・前もも・もも裏・内ももを伸ばすストレッチが効果的です。O脚にお悩みの方は以下の方法を実践してみてください。なお、ストレッチの時間は1回10~20秒程度が目安です。痛いのに無理に伸ばしたり長時間行ったりすると筋肉や関節を痛めてしまいます。痛みを感じないくらいの強さ・時間を意識して行いましょう

もも裏と内ももを伸ばすストレッチ

【やり方】

1. 床に座って両脚をそろえて前に出します。

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2. 左脚を組んで右脚の太ももの外側に乗せます。

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3. そのまま上体を前に倒して、右脚のもも裏と左脚の内ももを伸ばします。

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この動作を左右どちらも行いましょう。

前ももを伸ばすストレッチ

【やり方】

1. 両膝立ちしてつま先を立てます。

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2. 右脚を前について、両手を右脚の膝に置きます。背筋は伸ばしたまま、骨盤を前にやや前傾させるようにしましょう。

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3. そのまま前に上体を倒して、左足の前ももを伸ばします。

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この動作を左右どちらも行いましょう。前傾しようとして猫背の姿勢のようになってしまうと前ももが伸びないので、体のラインを一直線にするように意識して行ってみてください。

股関節を伸ばすカエル脚ストレッチ

【やり方】

1. 膝立ちになり、肩幅程度に脚を開きます。

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2. 両脚を肩幅より大きく開きます。

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3. 両手を前について腰を落としていき、カエル脚の姿勢をとります。

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4. さらに体を沈めていき、股関節をしっかり伸ばします。脚の開き具合が狭いと背中にばかり効いてしまうので、股関節をしっかり開く意識で行いましょう。

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O脚改善のために意識すべき生活習慣とは?

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最後に、O脚改善のために取り入れたい生活習慣についてご紹介します。

正しい歩き方を身につけよう

O脚の方は歩くときにガニ股になっていることが多いです。歩行時に膝や足首が外側に向かないように意識しましょう。

姿勢の改善を意識しよう

日常生活の中で、筋肉をバランスよく使えるように姿勢を改善することが大事です。立っているときに片脚に体重をかけない、座るとき脚を組まない・両脚が開かないようにするなど、日頃から注意してみてください

ウォーキングと階段を上る習慣を

ウォーキングの時間を設け、運動時間を増やしましょう。できれば、ウォーキングコースに階段を取り入れるのがおすすめ。階段を上る際は股関節をしっかり上げる必要があるので、自ずと股関節をしっかり動せるようになります。また、プールで歩くのも有効です。水の抵抗を利用することで、運動強度が高まります。

気になる人はインソールを作るのもおすすめ

靴の中にインソールを入れるのもおすすめです。自分の足にあった特注のものを作る必要があるのでお金はかかりますが、歩き方や姿勢が改善され、O脚を予防する効果が期待できます。 

まとめ

「O脚は先天的だから仕方ない……」と感じている方もいるかもしれませんが、実は後天的に進行することが多い症状です。見た目の問題だけでなく、腰痛や膝・足首の痛みを招く原因にもなるので、O脚にお悩みの方は、予防改善のために、今回ご紹介したようなストレッチや生活習慣を実践してみてください。

スポーツトレーナー 松尾 瑠偉

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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