目が小さくなったのは加齢・老化のせい?原因と解消・予防のために意識したい習慣
健康とくらし
2023年08月15日掲載
「若い頃に比べて目が小さくなったかも!?」「これって老化なの?」世代を問わず、ふと鏡を見た際にこう感じたことがある方は多いのではないでしょうか?実は、目が小さく見える原因は単に加齢・老化だけではありません。今回は、目が小さく見える原因や解消・予防のために意識したい習慣について、LECINQ clinic院長 長谷川佳子先生に教えていただきました。
長谷川 佳子
【監修】LECINQ clinic 院長
2012年 北里大学医学部卒業。2014年 横浜市立大学病院 形成外科入局 KO CLINICに勤務。藤沢湘南台病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、横浜栄共済病院 小田原銀座クリニック勤務を経て、2020年ルサンククリニック診療部長就任。2021年 ルサンククリニック院長就任。所属学会は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー治療医学会、日本抗加齢学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会など多岐にわたる。
目が小さくなる原因は?老化で目は小さくなるの!?
そもそも、加齢とともに目が小さくなることはあるのでしょうか?結論から言うと、実際に目の大きさが変わるわけではありません。しかし、加齢に伴う皮膚や筋肉の変化によって目が小さく見えるようになるのは事実。加齢とともに目が小さく見えるようになる原因には以下が挙げられます。
加齢に伴ってまぶたがたるむから
加齢に伴って皮膚の弾力は低下するため、目周りの皮膚が下に落ちてきて目に被さって目が小さく見えてしまいます。人によっては二重だったのが奥二重になったり、二重の感じが変わってきたり、目尻が落ちてきたりすることもあり、目が小さく見えるだけでなく目の印象が変わることもあります。
目の周りの皮膚は薄く、刺激を受けやすいから
目の周りの皮膚は、約0.1mmしかありません。頬やおでこなどは0.6mm〜1mm程度あるので、それに比べると薄くて脆いと言えます。また、皮脂も出にくく乾燥しやすいという特徴もあります。皮膚が薄く脆い部位にもかかわらず、アイメイクやクレンジングで毎日刺激を与えてしまっている他、かゆみなどで目を擦ってしまうことも少なくないはず。このような刺激の影響で、皮膚が伸びてたるみやすくなってしまうのです。
目周りの筋肉が衰えるから
まぶたを持ち上げる筋肉は、他の筋肉と同様に加齢に伴って減少していきます。そのため、まぶたがしぼんで目が小さく見えたり、目が開きにくくなったり、眠たそうな目に見えたりします。
まぶたが下がる「眼瞼下垂」の可能性も
眼瞼下垂とは、まぶたが下がってきて視界が狭くなる状態のこと。年齢を重ねるとともに起きやすくなります。眼瞼下垂の原因は、上まぶたを上げる筋肉やその付着部である腱が弱くなること。眼瞼下垂になると、まぶたが下がって見えにくくなるほか、目が小さく見えたり、二重幅が広がって眠そうに見えたりするようにもなります。
日々の習慣で目が小さくなっている可能性も
長時間のスマホやパソコン使用
スマホやパソコンを見ていると瞬きが激減します。それにより目の周りの血行が悪化し、筋肉も衰えやすくなってしまうのです。さらに、スマホやパソコンに向かっていると無表情になりがちなので、目の周りだけでなく顔の表情筋も衰えやすくなります。
紫外線の影響も
紫外線は、コラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つために必要な成分を破壊し、弾力を低下させます。目の周りの紫外線ケアを怠っていると、皮膚がたるみやすくなります。
目を擦っている
花粉症やアレルギーなどのかゆみなどが原因で目をかいたり擦ったりするのも、たるみの原因につながります。
保湿を怠っている
目の周りの皮膚は、顔の中でも特に乾燥しやすい部位です。保湿を怠っていると乾燥が進み、たるみの原因になります。
メイク落としの際に擦っている
アイシャドウやアイライン・マスカラなどのアイメイクを落とすとき、力を入れて指やコットンでゴシゴシ擦ると、まぶたの皮膚がたるみやすくなります。その結果、「なんだか目が小さく見える」という状態につながることがあります。
目が小さくなるのを予防するには?
目を酷使しすぎない
スマホやパソコンを使うときは、目を酷使しすぎないように配慮しましょう。長時間の連続作業は目の周りの疲れを招きやすいので、定期的に休憩を取ってください。休憩中は画面から目を離して遠くを見たり、眼球をグルグル動かしたりして、目の周りの筋肉をほぐすようにするのがおすすめです。また、血行が悪くなるのを防ぐためにも、意識的に瞬きをするようにしましょう。
アイケアで目の周りの疲れをほぐしてあげよう
目元の血流を促すことで、目の周りの筋肉の凝りや疲れを軽減できます。「目が疲れたな」と感じたら、ホットアイマスクで目元を温めてあげましょう。また、目の周りのツボを刺激するのもおすすめです。ただし、まぶたを強く押したり擦ったりするのは逆効果なので、力加減には気をつけてください。
【目周りの疲れを癒すツボ】
- 晴明(せいめい) 目頭のくぼみ部分にあるツボ
- 攅竹(さんちく) 眉頭のすぐ下にあるツボ
- 瞳子髎(どうしりょう) 目尻から指1本分外側のくぼみ部分にあるツボ
目元を摩擦しないように気をつけて
クレンジングやアイメイクの際に、目元の皮膚を強く擦らないように注意しましょう。特にウォータープルーフのマスカラやアイライナーを落とす際は、こすりすぎに注意してください。こすりすぎるとまつ毛や目の周りの皮膚に負担がかかり、たるみを引き起こしてしまう可能性があります。できるだけ力を入れずに優しく指の腹を使ってマッサージするようにしましょう。また、普段から目を擦ったりかいたりする癖がある人も、できるだけ触らないように気をつけてください。
目が小さくなってしまった……治療法はあるの?
目周りの皮膚がたるんだことで目が小さく見えている場合は、たるんだ皮膚をたくし上げる「眉下切開術」という手術で改善できるケースがあります。眼瞼下垂症という診断が出ていれば、保険診療内での治療も可能です。自費診療範囲となると二重埋没法なども含まれます。
また、上まぶたの内側から目頭部分にかけて覆い被さっている皮膚(蒙古襞)によって目が小さく見える場合は、目頭切開などを行うことがあります。
このほか、眼瞼下垂が原因で目が小さくなった場合は、挙筋腱膜前転法・ミュラー筋タッキング・眼瞼挙筋短縮術・前頭筋吊り上げ術などの手術があります。どういった方法が適切なのかは、眼瞼下垂が先天性のものなのか、加齢が原因なのかなど、患者さんの状態によって変わってきます。施術による改善を希望される方は、お近くのクリニックで一度相談してみてください。
まとめ
加齢とともに、顔のさまざまなパーツに変化が生じるのは当然のこと。「目が小さくなる」というのも、老化に伴う現象の一つではあります。ですが、まぶたのたるみや目周りの筋肉の衰えを予防・解消することで、若々しい印象の目元を保つことは可能です。ぜひ今回ご紹介した方法を取り入れてみてくださいね。
LECINQ clinic院長 長谷川 佳子
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。