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2012年01月19日掲載
まっすぐの線が歪んで見えたり、目を凝らすと模様が浮かびあがったり・・・子どもから大人まで、思わず「エッ!」「アレッ?」と声をあげてしまう楽しい「だまし絵」を通して、人間の視覚の不思議に迫ってみましょう。
うず巻き・・・かな!?
巻き貝を誇らしげに背負ったカタツムリ。どうやら、巻き貝に入っている変わった模様がお気に入りのようです。ご自慢の巻き貝の模様を、しっかり見てあげてください。カタツムリが背負っている貝の模様は、らせん状の渦巻きに見えますね。しかし、それこそが目の錯覚です。実際のところ、この貝の模様は、らせん状の渦巻きにはなっていないのです。 どこからどう見ても、立派な渦巻きにしか見えないこの不思議な模様。本当はどんな模様なのでしょうか?
解説を見る【解説】
何度見ても、渦巻きに見えた大きな巻き貝。渦を巻いているように見えた部分を、先ほどとは違う色(オレンジ)で塗ってみました。もう一度、渦巻きの部分をよく見てください。お気づきになりましたでしょうか? らせん状の渦巻きにしか見えなかったはずの模様ですが・・・よく見ると、そこに描かれているのは同心円でした。
同心円が渦巻きに見えるこのだまし絵は、「フレーザー錯視」という原理を用いて描かれています。同心円になっている線を、中心に向かって斜めになるように描くことで、視覚が「ゆがみ」を感じてしまい、らせん状の渦巻きに見えてしまうのです。
きらめく孔雀の羽
大きく立派なクジャクの羽根を、じっと眺めていると・・・羽根に付いているたくさんの白い丸の部分が、黒くなったり、白くなったり、何だか点滅しているように見えてきませんか? この白い丸の部分には、点滅するような仕掛けはされていません。点滅しているように見えるこのクジャクの羽は、「きらめき格子錯視」と呼ばれる錯視現象を用いて描かれているのです。 この現象がさらにハッキリと分かる図と一緒に、詳しい解説を見てみましょう。
解説を見る【解説】
先ほどのクジャクの羽よりも、こちらの図のほうが、白い丸が点滅しているように見え、錯覚を起こしていることが分かりやすいはずです。
この「きらめき格子錯視」は1997年に、シュラウフ・リンゲルバッハ・ウィストという学者の論文で発表されて広まったもので、これまでに発見された錯視現象のなかでも新しいものです。しかし、格子が交わる白い丸の部分が、なぜきらめくように見えるのか?
という点については、まだはっきりとしていません。人間の目の働きと、明るさの対比に関わる神経細胞の関係によって、錯覚が起きているという説がありますが、確定には至っていません。
広がるだまし絵の世界
色や明るさ、形の組み合わせで「目の錯覚」や「脳の勘違い」を引き起こし、本来の姿とは異なる見え方をする「だまし絵」の数々。今回はマイティアCLなどの眼科薬の製造を手がける「千寿製薬株式会社」さんにご協力いただきました。
さぁ! 奥深いだまし絵の世界をもっともっと探検してみましょう。
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