ダイエット中の食事メニューどうすればいい?朝昼晩のメニューとおすすめコンビニ飯
健康とくらし
2024年05月15日掲載
「食べないダイエット」が健康にも美容にも良くないことは、多くの人が理解しているかと思います。ただ、体重の増加と食事が密接に関わっているのは事実。食べながらでもダイエットができると聞いても、「どんな食べ物・食べ方なら大丈夫なの?」と感じた経験はありませんか?
そこで今回は、ダイエット中の食事で気をつけるべきことや理想的な朝昼晩のメニュー例などについて、管理栄養士の望月理恵子さんに教えてもらいました。あわせてダイエット向きのコンビニ飯についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
望月 理恵子
【監修】管理栄養士
健康検定協会理事長、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。
ダイエット中の食事で気をつけるべきことは?
無理な食事制限はNG! 必要な栄養素をしっかり摂ろう
ダイエットで極端に食事を減らし、カロリーや糖質・脂質などをカットしようとするのはよくありません。
食事を減らせば当然一時的に痩せはしますが、体を動かすために必要なエネルギーが不足してしまうので、脂肪燃焼に必要な筋肉までも落ちてしまうことに。その結果、かえって痩せにくい体質になってしまい、ダイエット食から普通の食事に戻した途端にリバウンドしてしまう恐れがあります。
また、ストレスが大きくなって精神的に不安定になったり、肌荒れしたりするリスクも。そもそも無理な食事制限は長続きしません。ダイエットは長期的な視野で考えて、無理なく正しく食べながら行うのが大事なのです。
タンパク質・脂質・炭水化物のバランスを意識して
最近では、炭水化物や脂質をカットしたり、タンパク質を多く摂取したりするダイエットが流行っていますよね。とはいえ、それぞれの栄養素は体に必要な成分のため、こういったダイエットにもリスクがあります。
大事なのは、タンパク質(プロテイン)・脂質(ファット)・炭水化物(カーボ)の摂取量のバランスをとること。このバランスのことを、それぞれの頭文字をとってPFCバランス(エネルギー産生栄養素バランス)と言います。厚労省によると、PFCバランスの理想は以下のようになっています。
【1日の摂取カロリーに対して理想的なPFCバランス】
- タンパク質:15%(13-20%)
- 脂質:25%(20-30%)
- 炭水化物:60%(50-65%)
例えば1日に2000kcalを摂取する場合、300kcalをタンパク質・500kcalを脂質・1200kcalを炭水化物から摂取するのが良いバランスとされています。自分でPFCバランスを計算するのは難しいですが、スマホのアプリで簡単に計算してくれるものがいろいろ出ていますので、ぜひ利用してみてください。食事記録にもなるので、ダイエットがしやすく、励みになるはずです。
1日の摂取カロリーが基礎代謝量を下回らないように
1日に摂取するカロリーは、自分の基礎代謝量を下回らないようにしましょう。そうすることで、体の代謝量は下げずに済みます。もし下回ると、体の防御機能が働き、消費量を抑えてしまいます。また、基礎代謝量を目安にカロリー摂取量を調整し、過剰なカロリーオーバーを抑えれば、余分なカロリーが脂肪として蓄積されるのを防ぐことができます。基礎代謝量は以下の方法で計算できます。
【基礎代謝量の計算方法】
・基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)× 参照体重(kg) = 基礎代謝量
例:30歳~49歳女性の基礎代謝基準値は21.7kcal、基準体重は53kg
21.7 × 53kg = 約1,150kcal/日
なお、基礎代謝基準値は、年齢や性別・体重などによって変わります。詳しくは厚生労働省のデータを確認し、ご自身の体重を踏まえて計算してみてください。
ダイエット中の朝昼晩メニュー例
ダイエット中でもしっかり満足感ある食事をしたい……そんな方のために、朝昼晩のメニュー例を一つご紹介します。
朝のメニュー
ツナたまごサンド
ツナには、脂肪燃焼細胞である「褐色脂肪細胞」の増加を促し、体脂肪の減少や体温上昇をサポートするDHA・EPAが多く含まれています。1日の中で朝食べると吸収が一番良いので、朝食に取り入れるのがおすすめです。また、朝はタンパク質が不足しやすいのですが、たまごも一緒に食べることでしっかりタンパク質補給ができ、筋肉量キープにつながります。
亜麻仁油入りトマトジュース
トマトジュースには、脂肪燃焼促進効果のある13-oxo-ODAや活性酸素を消去し細胞老化を防ぐリコピンが多く含まれています。リコピンは朝が一番体に吸収されやすく、油と一緒に摂ることでより吸収が促進されます。
キウイやリンゴなどの果物
果物を食べると、ダイエット中に不足しがちなビタミン・ミネラルが摂取できます。果物には果糖が多いので朝に食べるのがおすすめです。
昼のメニュー
刺身定食(+魚介の味噌汁)
魚介類には、自律神経を安定させ、ダイエットによるストレスを軽減させてくれるビタミンB12が多く含まれています。ビタミンB12の吸収が高まるのは昼なので、ランチメニューに取り入れるのがおすすめです。
ただし、魚介類といっても海鮮丼などの丼ものにするとご飯の量が多くなるので注意しましょう。なお、お昼は代謝が高まっているので、比較的食べたい物を食べてOKです。ダイエット中は食べたいものが食べられる時間があった方が長続きします。
夜のメニュー
玄米ごはん
血糖値が朝よりも上がりやすい夜は、主食を白米から食物繊維の多い玄米などに替えましょう。血糖上昇を抑え、脂肪が蓄積しにくくなります。雑穀米や発芽玄米などでもOKです。
豆腐のきのこあんかけステーキ
低カロリーで満腹感を得やすい豆腐に食物繊維を含むきのこ類を一緒に摂ると、食事全体の血糖値上昇を抑えられます。
豚汁
味噌には、腸で吸収した糖を脂肪として蓄積するのを防ぐサポニンが含まれています。また、根菜類やこんにゃく類などを入れると食物繊維が多くなり、血糖急上昇を抑え、なおかつ腸内環境を整えます。 腸内環境が整うと便秘解消だけでなく、代謝が活発になります。
納豆
血液をサラサラにするナットウキナーゼは、夜に摂取することで朝起こりやすい血栓を溶解してくれます。また、サポニンという成分が、腸で吸収した糖を脂肪として蓄積するのを防ぎます。さらに睡眠時に分泌される成長ホルモンの材料になり、脂肪が燃えやすくなります。
食事プロテインやスムージーで置き換えるのはどう?
食事が夜遅くなってしまった時や朝・昼に食べすぎた日の夜などには、プロテインドリンクやスムージーで食事を置き換えるのもおすすめです。ただし、置き換えをする場合は1日1食までにしておきましょう。2食置き換えてしまうと、通常の食事を摂った際に血糖値が急上昇して、脂肪として蓄えられやすくなってしまいます。
ダイエットにおすすめのコンビニメニューは?
毎日自炊するのが難しい人は、コンビニ食品を賢く利用してみましょう。コンビニ食品にも、ダイエット向きなものはたくさんあります。以下、ダイエットにおすすめのコンビニ飯をご紹介します。
- もち麦おにぎり:食物繊維を豊富に含み、急激な血糖上昇を抑える
- ブランパン・全粒粉パン・ライ麦パン:食物繊維を豊富に含み、急激な血糖上昇を抑える
- サラダチキン:低脂質・低糖質・低カロリーなのに加えて、高タンパクで腹持ちも良い
- ゆで卵:低糖質、高タンパクで腹持ちが良くなる
- 豚汁:具だくさんのスープで食物繊維がとれ、また体を温め代謝をUPさせる
糖質の多いものは血糖値を急上昇させ、脂肪として蓄えられやすくなります。おやつの場合は、ナッツや高カカオポリフェノール・干し芋・ヨーグルトなどを選び、多くても200kcal以内に抑えましょう。
ダイエット中に控えた方がいい食品は?
お菓子や揚げ物は「NG」ではなく、「控えめ」に
「これは食べちゃダメ!」と禁止すると、余計に食べたくなったりストレスがかかったりするので、基本的に「食べてはいけない物はない」と考えて、「食べてもいいけど“控えめに”」を意識してください。
生クリームがたっぷりのっているスイーツや砂糖たっぷりのジュース・油がたっぷりの揚げパン・糖質の多い菓子パンなどは食べるのであれば少量、多くても200kcal以内に抑えましょう。また、食べる時間は15時までにしておきましょう。
「何を・いつ食べるか」が重要
「これはダメ!」「あれもダメ!」と食べるものを制限するよりもむしろ、「何を・いつ食べるか」が重要です。どんなに良い食事でも、遅くなればなるほど血糖値が上昇しやすく、ダイエットから遠のいてしまいます。朝は起床後1時間以内に、お昼は朝から4~6時間後、間食は15時まで、夜はできれば18時、遅くとも20時までには食べるようにしましょう。
まとめ
ダイエットを成功させるコツは、無理なくストレスなく自然に続けられること。食べないダイエットや自分を追い込み過ぎるような過度なダイエットは、健康を害したりリバウンドしたりする恐れもあります。
大事なのは、毎日の食事メニューをダイエット向けにアップデートしていくことです。白米を玄米に変えてみたり、小麦パンをブランパンに変えてみたり、外食時はお肉や揚げ物・丼ものよりも魚定食を選んだり、コンビニのダイエット向け食品を利用したりするなど、ちょっとした心がけの積み重ねを大切にしましょう。
また、「これは食べちゃダメ」と制限するより、食べる時間や量を控えめにするなど、精神的にもゆとりを持ってダイエットと向き合えるといいですね。
管理栄養士 望月 理恵子
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。