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”落ちないメイク”アートメイクとは?施術できる部位とメリット・デメリットを解説!

「毎日眉毛やアイラインを描くのが面倒!」「加齢とともに生え際の毛が薄くなってきて気になる」「すっぴんでもリップに血色感が欲しい」。

このような悩みに応えてくれるのが、アートメイクです。アートメイクを入れることで、眉やアイライン・リップ・生え際などの気になるところがカバーでき、メイク時間を大幅に短縮してくれます。また、傷跡や火傷の跡など気になる色むらを整えるのも有効です。

そんなアートメイクの施術方法や施術できる箇所・メリット・デメリット・注意点などについて、LECINQ clinic院長の長谷川佳子先生に教えていただきました。

長谷川 佳子

【監修】LECINQ clinic 院長

2012年 北里大学医学部卒業。2014年 横浜市立大学病院 形成外科入局 KO CLINICに勤務。藤沢湘南台病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、横浜栄共済病院 小田原銀座クリニック勤務を経て、2020年ルサンククリニック診療部長就任。2021年 ルサンククリニック院長就任。所属学会は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー治療医学会、日本抗加齢学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会など多岐にわたる。

アートメイクってどんな施術?どこで受けられる?

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アートメイクとは?

アートメイクとは、微細な針を使用して、色素を皮膚の浅い層に挿入する技術です。持続時間は、個人差がありますが、通常1年から長くて約5年間。眉毛やアイライン・リップラインなど、メイクが必要な部位に色素を定着させ、メイクをしていなくてもまるでメイクをしているかのような仕上がりを持続させることができます。このほか、病後や傷跡のカバーとしても用いられることがあります。

アートメイクはどこで受けられる?

アートメイク施術を行うには医師や看護師の免許が必要です。そのため、施術は医師が常駐している美容皮膚科や美容外科などの医療機関でのみ受けることができます

アートメイクの施術ができる部位と費用相場

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アートメイクの施術ができる部位と費用相場を解説します。なお、以下で紹介する費用はあくまで平均的な相場です。アートメイクは自由診療のため、施術に利用する薬剤や機器によって大幅に費用が異なる場合があります。実際に施術を受ける場合は、事前に医療機関に確認するようにしましょう。

眉毛

アートメイクによって、眉毛の形や色・濃さを調整できます。不揃いな眉毛や薄い眉毛で悩んでいる人に向いています。施術費用は約7万円です。

アイライン

上まぶたや下まぶたにアイラインを引くことができます。アイメイクの時間が短縮でき、また、アイラインの滲みを気にしないで済むのが魅力です。施術費用は、上だけ約4万円、下だけ約3万5千円、上下両方約6万円となっています。

リップライン

リップの輪郭にアートメイクを入れる施術です。自分の本来の唇の形よりオーバーめにリップラインを入れることで、唇をふっくら見せたり唇の形を調整したりできます。最近では上唇のリップラインをM字型にとる方法が流行っています。施術費用は、縁どりのみ約5〜6万円、全体に色を入れるもの約7万円です。

ヘアライン

ヘアラインの薄毛や透ける頭皮をカバーするために、頭皮に色素を入れるアートメイクもあります。生え際の薄毛が気になっている方や、小顔効果を得たい方におすすめです。施術費用は、約30万となっています。

病後や傷跡のカバーアップ

アートメイクは、病後やケロイド瘢痕のカバーアップにも使用されています。色素を患部に配置することで、傷跡や皮膚の不均等を隠すことができます。また、乳がんなどでの乳房再建手術後の乳輪乳頭の再建後に、傷跡治療としても用いられています。再建によって形を取り戻し、色味は後からアートメイク分野で入れることが大半です。

このほか、手術の傷跡(切開や脂肪吸引・フェイスリフトの跡など)や凹んでしまった傷跡(委縮性瘢痕)、表面が盛り上がった傷跡(肥厚性瘢痕)、火傷・リストカットの跡なども、アートメイクで色味の改善を行うことができます。施術費用は、術後や傷跡の範囲によって異なるため、相場はなくケースバイケースとなっています。

アートメイクのメリットは?

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アートメイクは、個人差がありますが、通常1年から長くて約5年間持続します。一度施術を受けると、普段のメイクの手間を大幅に減らすことができます。すっぴんでも軽くメイクをしているような状態になるので、自信が持てるようになる人も多いでしょう。

また、自分の顔の気になっている部分、例えば「眉毛が薄く、眉尻が全然ない」「目元の印象がぼんやりしている」「唇が薄い」「ヘアラインの髪が薄い」といった部分を調整することもできます。

このほか、ご自身の顔に合っている形などを客観的に作ってもらえるので、「いつも眉の形が決まらない」「自分に合った眉の形がわからない」「昔の流行のメイクしかできない」というような方にもおすすめです。

アートメイクのデメリットも知っておこう

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アレルギーを起こす可能性がある

アートメイクに使用する色素によってアレルギーを起こす可能性があります。また、アートメイクを行う際の麻酔クリームや消毒薬でもアレルギーのリスクがあります。

一時的な腫れとかゆみ

施術後、人によっては一時的な腫れやかゆみが発生することがあります。通常は数日から数週間で収まります。

定期的なタッチアップが必要

アートメイクの色は時間とともに薄くなるので、綺麗な状態を保つには定期的なタッチアップが必要になります。

失敗すると簡単に取り除くことができない

アートのメイクの魅力は長持ちする点ですが、反対に言えば、アートメイクの色や形が気に入らない場合、時間が経たないと取り除くことができません。そういった意味で、「失敗した場合リスクが大きい」というのも、アートメイクのデメリットの一つと言えるでしょう。

アートメイクを受ける際の注意点

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施術前にやってはいけないこと

施術の1ヶ月前から、全ての美容施術(ヒカリ治療やピーリング・脱毛など)・ビタミンA(レチノール)を含むスキンケア製品の使用は中止しましょう。眉毛のブリーチ・カラーリング・眉ティントも、施術前2週間はやらないでください。また、顔の美容整形手術を受けた人は、腫れが落ち着くまでの約半年間はアートメイクをすることができません。

アートメイクを受けられない人も

以下に当てはまる方は、残念ながらアートメイクの施術を受けることができません。

  • 施術部位に、開いた傷・重度または化膿したニキビ・活動期の皮膚疾患がある人
  • 重度の心疾患を有する人
  • 抗凝固血薬療法を行っている人
  • 出血性疾患・重度の糖尿病・自己免疫疾患・単純性ヘルペスを有する人
  • 妊娠中・授乳中・妊活中の人
  • 心臓病・感染症・アトピー性皮膚炎・ケロイド体質・免疫抑制状態・重度のアレルギー体質・重度の金属アレルギー・局所麻酔アレルギー・施術部の皮膚疾患のある人
  • アートメイク施術前後1ヶ月の間に、お顔の美容施術を受けた人、または受ける予定のある人

施術後にやってはいけないこと

施術後1ヶ月は、全ての美容施術・ビタミンA(レチノール)スキンケア製品の使用はやめましょう。眉毛のブリーチ・カラーリング・眉ティントは、施術後3週間は空けてください。 また、激しい運動やサウナ等、発汗を伴う行為、海水浴・プール・サウナ・温泉等の利用、日焼けは、施術後2週間は控えましょう。施術部位のメイクは、施術後1週間から可能です。

アートメイクを受けるクリニック選びのポイント

アートメイクの仕上がりは、施術者によって大きく変わります。クリニック選びをする際は、以下のポイントをチェックしてみてください。

  • 医師もしくは、医師の指導や管理のもと看護師が施術している
  • 症例写真やデザインが豊富で、施術例が自分のなりたいイメージと合っている
  • FDAやEMAで認可されている染料を使っている
  • カウンセリングやアフターケアが丁寧
  • 値段が明瞭に提示されている

納得のいく施術を受けられるよう、複数のクリニックでカウンセリングを受けるのもおすすめです

まとめ

アートメイクには、メイク時間が大幅に短縮できたり、すっぴんでも表情がイキイキしたり、コンプレックスを改善できたり、嬉しいメリットがたくさんあります。しかし、今回ご紹介したようなアレルギーや腫れ、かゆみなどを引き起こしてしまうことがあるのも事実です。アートメイクを受けたいという方は、ご自身でメリットだけでなくデメリットや注意点についてもしっかり調べ、慎重にクリニック選びを行うようにしましょう。

LECINQ clinic院長 長谷川 佳子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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