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白髪ができるのはなぜ?白髪の原因と対策、おすすめのヘアケアを解説

30代を過ぎると、白髪がチラホラ生え始める方は多いものです。白髪を発見すると、年齢を感じて気が滅入ったり気持ちが暗くなったりしてしまう方もいるでしょう。そこで今回は、白髪が発生するメカニズムや原因、予防改善のための対策、おすすめのヘアケアなどについて、LECINQ clinic院長 長谷川佳子先生に教えていただきました。

長谷川佳子

LECINQ clinic院長

2012年 北里大学医学部卒業。2014年 横浜市立大学病院 形成外科入局 KO CLINICに勤務。藤沢湘南台病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、横浜栄共済病院 小田原銀座クリニック勤務を経て、2020年ルサンククリニック診療部長就任。2021年 ルサンククリニック院長就任。所属学会は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー治療医学会、日本抗加齢学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会など多岐にわたる。

 LECINQ clinic院長 長谷川佳子

白髪になるメカニズム

白髪になるメカニズム

加齢とともに黒かった髪が白くなる原因は、「メラニン」を作る「メラノサイト(色素形成細胞)」という部分にあります。メラニンとは肌や髪の毛・瞳などに色を与える黒色の色素のことで、メラニンが多く含まれるとその部位は黒色に近くなります。髪の毛も、成長過程でメラニンを内部に取り込むことで黒色になるのです。

しかし、このメラニンを作り出す色素細胞「メラノサイト」が何らかの原因によってダメージを受けると、メラニン色素を作り出すことができなくなります。その結果、髪の毛も色がつかなくなり白髪になるのです。

白髪の原因は?

白髪の原因は?

前述したように、白髪になるのはメラノサイトの働きが低下してメラニンが作られなくなるからです。では、どういった場合にメラノサイトの働きが低下するのでしょうか?

加齢

最も大きな要因は加齢です。一般的に、男女ともに35歳前後からメラノサイトの働きが低下し始め、ぽつぽつと白髪が現れ始めるといわれています。ただし、35歳を過ぎてもほとんど白髪が現れない人もいれば、もっと若い頃から白髪が増える人もいるので、一概にはいえません。

遺伝

白髪になりやすい・なりにくいは、遺伝的要素も強いと言われています。特に、10代〜20代に現れるいわゆる「若白髪」は、遺伝的要素が強いと考えられています。

頭皮の血流不足

頭皮の血流不足も、白髪を招く要因と言われています。髪の毛にメラニン色素を取り込むためには、頭皮から髪の毛1本1本につながる毛細血管の血流が安定していることが重要なのです。

ストレス

ストレスも白髪と大きな関連性があると考えられています。強いストレスがかかると、体が緊張状態になり、毛細血管が縮小して血行が悪くなります。その影響が頭皮の血行に及ぶと、毛根やメラノサイトの働きが阻害され、白髪の発生につながると考えられています。

睡眠不足

睡眠不足も白髪と関連があると言われています。睡眠不足で細胞の代謝が正常に行われなくなると、白髪のリスクが高くなるとされています。

紫外線

分け目に白髪が多い人は特に、紫外線が白髪の原因になっている可能性があります。頭皮は直射日光を浴びやすい部位。紫外線が当たると頭皮は乾燥し、ダメージを受けてしまいます。

栄養不足

健康な髪の毛を作るにはさまざまな栄養素が必要で、そのためには食事からバランスよく栄養素を摂取する必要があります。それができていない場合、髪頭皮の細胞の健康が損なわれ、白髪などのトラブルを招きやすくなります。

白髪対策:白髪が増えないようにするにはどうすればいい?

白髪対策:白髪が増えないようにするにはどうすればいい?

頭皮のマッサージで血流促進

白髪予防のためには、頭皮の血行を促進する頭皮マッサージがおすすめです。髪の毛を洗う際、シャンプーを髪と頭皮全体に行き渡らせて、頭皮全体を揉みほぐしたり引き上げたり、気持ちがよいと感じる箇所をグッと押したりしてみましょう。

 頭皮のマッサージで血流促進

ただし、マッサージをする際に髪を引っ張ったり擦ったりしないように注意してください。

紫外線対策を

外出の際は帽子や日傘で紫外線をガードするなどの対策をしましょう。曇りや雨の日でも紫外線は降り注いでいるため、髪や頭皮専用の日焼け止め、頭皮にも使用できるスプレータイプの日焼け止めを使うのもおすすめです。

ストレスを溜めない

趣味に没頭する時間を確保する、ヨガやストレッチを日常に取り入れてみるなど、ストレスを溜めないよう、自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。

睡眠をしっかり、規則正しい生活を

毎日できるだけ決まった生活リズムで過ごせるよう工夫してみましょう。日中はしっかり体を動かし、夜にぐっすり眠れるのが理想的です。

栄養バランスの取れた食生活を

健康的な髪の毛を作るためには、食事で栄養をしっかり摂ることも大切です。主食・主菜・副菜の揃った内容を心がけましょう。細胞の材料となるタンパク質や、皮膚の健康維持に必要なビタミンA、細胞の酸化を防ぐビタミンCやE,βカロテンなどを多く含む食品を意識的にとり入れてください。

  • ビタミンA:レバー、うなぎなど
  • ビタミンC:柑橘類、キウイ、いちご、ピーマンなど
  • ビタミンE:アーモンドや植物油など
  • βカロテン:緑黄色野菜など

禁煙する

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため、頭皮に大切な血液が届きにくくなります。血流不足だけでなく、活性酸素が増えて酸素不足になると、全身の機能が低下し、白髪の原因になります。禁煙を心がけましょう。

白髪が気になり始めたら、どうすればいい?

白髪が気になり始めたら、どうすればいい?

白髪を隠したいなら、ヘアカラーで対策を

白髪があることにストレスを感じながら生活するのは、余計に白髪を増やす原因にもなりかねません。白髪が気になって気持ちが暗くなってしまうというのであれば、ヘアカラーで対策を。ファッションカラーよりも白髪染めを使用すると綺麗に仕上がりやすくなります。また、白髪を活かしたカラーリングを楽しむというのもおすすめです。アッシュやベージュなど、白髪を活かすカラーリングにチャレンジすれば、新しいオシャレを楽しめるかもしれません。

白髪を抜くのは良くない

白髪を抜いても、同じ毛穴から次に生えてくる髪はほとんどの場合白髪です。無理に抜くと毛根を傷めることがあります。次に生えてくる髪の成長にとってよくないので、抜くのはなるべく避けましょう。また、生えかけの短い白髪はピンと立つので、よけいに白髪が目立つ結果にもなります。

ありのままを楽しむという選択肢も

白髪を生かしてグレイヘアを楽しむという選択肢もあります。全体的に白髪が増えてきた場合は、ヘアカラーをするよりも自然で上品に見えることもあります。

まとめ

加齢とともに白髪が出てくるのは、ある意味仕方のないこと。ヘアカラーや白髪染めを上手に使って隠しつつ、「気にしすぎない」という心の持ちようも大切かもしれませんね。また、グレイヘアで白髪を楽しむ、アッシュやベージュなどの白髪を活かすカラーリングに挑戦するなど、「白髪を活かす」という選択肢もあります。考え方次第で新しいオシャレにチャレンジするタイミングと捉えることもできるので、ぜひ今回ご紹介した方法を取り入れてみてください。

監修者

LECINQ clinic院長 長谷川佳子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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