医薬品・医療機器を使ったダイエット。「メディカルダイエット」の効果と施術の注意点を解説!
健康とくらし
2022年10月11日掲載
最近よく耳にする「メディカルダイエット」という言葉。メディカルという言葉の響きから、「なんだかすごく効果がありそう」と感じるかもしれませんね。ですが実際のところ、メディカルダイエットの内容や効果などについて正しく知っている方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、メディカルダイエットの効果、施術方法、施術を受ける際の注意点などについて、LECINQ clinic院長長谷川佳子先生に教えていただきました。
長谷川佳子
LECINQ clinic院長
2012年 北里大学医学部卒業。2014年 横浜市立大学病院 形成外科入局 KO CLINICに勤務。藤沢湘南台病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、横浜栄共済病院 小田原銀座クリニック勤務を経て、2020年ルサンククリニック診療部長就任。2021年 ルサンククリニック院長就任。所属学会は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー治療医学会、日本抗加齢学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会など多岐にわたる。
メディカルダイエットとは?
メディカルダイエットとは、医薬品や医療機器を使って行うダイエットの総称です。美容外科や内科など医療機関で医療行為として実施されているものを指します。医学的根拠に基づいて実施されるダイエットなので、効果的な減量が期待できます。ただし、メディカルダイエットをしたからといって、以降何も努力せずに体型を維持できるというわけではありません。
メディカルダイエットの種類
メディカルダイエットにはさまざまな種類があります。
内服薬を用いるもの
メディカルダイエットでは、内服薬を用いることがあります。代表的なものは以下です。
リパーゼ阻害薬
消化酵素の働きを阻害し脂肪吸収を抑え、余分な脂肪を体外に排出する
GLP-1
食欲を抑制するホルモンGLP-1を投与し、痩せやすい体質を作る
SGLT阻害薬
血液に含まれる糖を尿とともに体外に排出する
食欲抑制剤
食欲をコントロールし、食べ過ぎを防止する
ただし、内服薬を用いたメディカルダイエットでは、低血糖による体調不良や便秘・吐き気やだるさといった副作用が起きることがあります。また誰にでも適用されるわけではありません。
医療痩身機器を使うもの
一方で、医療痩身機器を使ったメディカルダイエットもあります。
HIFU
HIFUとは、『High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波治療)』の略称で、超音波による熱エネルギーを脂肪細胞に照射して脂肪細胞を収縮させる施術です。イメージとしては、「お肉を焼くと縮む」という原理を想像するとわかりやすいかもしれません。
美容医療に詳しい方であれば、HIFUは顔のたるみ治療に用いられるものというイメージを持っているかもしれませんが、ダイエット目的に体にも用いられています。HIFUはリバウンドしにくいのが特徴です。ただし、施術箇所のかゆみや赤み・腫れといった副作用が出ることもあります。
脂肪吸引
皮下に挿入した吸引管で脂肪組織を吸引する方法です。脂肪細胞を直接吸引して除去するので、部分痩せが可能でリバウンドが起こりにくいと言われています。しかし、麻酔を用いて手術するためリスクを伴います。また、副作用として内出血や腫れ・感覚障害などがあり、ダウンタイムも長く必要になります。このほか、脂肪吸引した場所の皮膚に切開跡が残ることも。
クールスカルプティング
脂肪冷却治療という切らない医療ダイエットで、皮下脂肪に対して働きかけ、脂肪層の厚みを減少させる施術です。脂肪細胞の数が減少するため、脂肪が蓄積しにくくなります。ダウンタイムはほとんどありませんが、吸引による内出血やピリピリ感などが起こることがあります。
メディカルダイエットはどんな人に向いている?
メディカルダイエットは以下のような人に向いている、適していると言えます。
- 健康上の理由から減量が必要な方
- 部分痩せをしたい方
- 自力でのダイエットに限界を感じている方
- 食事制限や運動が苦手な方
- お金をかけても確実に痩せたい方
ただし、メディカルダイエットを受けるには、医師による判断が必要です。肥満の評価を行い、必要に応じて行われます。医師の判断で健康リスクがあると判断された場合は、施術をうけることができないのが一般的です。
また、薬物や添加物などアレルギー反応をおこす方や持病がある方・特定の薬を飲んでいる方などは受けられない場合があります。
メディカルダイエットは信頼できるクリニックで
メディカルダイエットで健康リスクなく効果を得るためには、信頼できるクリニックを選ぶことが重要。クリニック選びで考慮するべきポイントは以下です。
- メディカルダイエットで実績があるクリニックかどうか
- 通院可能なエリアかどうか
- 診療時間・曜日が自分の生活に合っているか
- 診療内容が自分にあっているか
- 過剰広告をしていない適切なホームページか
- 診察時間をゆっくりとってくれるかどうか
- 自身が納得して受診できるかどうか
口コミや広告だけを頼ったり、一つのクリニックだけを受診したりするのではなく、いくつかのクリニックを受診して安心して施術を受けられるクリニックを探すことが大切です。
まとめ
今回は、最近話題のメディカルダイエットについてご紹介しました。メディカルダイエットと一口に言っても、内服薬を使う方法・医療痩身機器を使う方法などさまざまな施術があり、本人の肥満度合いや健康状態・希望によってマッチする施術は異なります。また、効果が高い一方でリスクや副作用もあるため、医師による判断と適切な施術が必要です。自己流のダイエットでなかなか結果が出ない方・メディカルダイエットを受けてみたいという方は、まずは信頼して任せられるクリニックを探し、カウンセリング・診察を受けてみると良いでしょう。その上でご自身が納得できるクリニック・施術方法を見つけてくださいね。
LECINQ clinic院長 長谷川佳子
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。