マスクがあたって唇がヒリヒリ......唇荒れや乾燥の原因・対策とリップ選びのポイント
健康とくらし
2022年08月18日掲載
マスクを長時間するようになってから、「唇が荒れる・乾燥する・ヒリヒリする」というお悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。唇はとてもデリケートな部位。摩擦や紫外線の影響も受けやすいため、正しいケアが必要です。そこで今回は、唇が荒れてしまう原因や正しいケア方法について、元キャビンアテンダントの美容コンサルタント清水裕美子さんに教えていただきました。
清水裕美子
美容コンサルタント
日本航空の客室乗務員として約5年勤務。乾燥や不規則な生活など過酷な環境の中でもなぜCAたちはみんなこんなにキレイでいられるのか?と疑問を持ち、およそ5000人のCAのきれいの秘密を観察・分析。「CA流美容」として発信する。著書「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが持続するきれいの手抜き」(青春出版社)について、原因や対策方法をご紹介します。
唇はデリケートで荒れやすい部位!その理由
唇は通常の肌に比べ、刺激を受けやすいデリケートな部位です。唇の角層は、通常の肌に比べてとても薄く、水分を保つことが難しいため乾燥しやすいのです。くわえて、唇には皮脂腺がないため、乾燥していても自ら皮脂を出してうるおすことができません。さらに、唇には紫外線ダメージから肌を保護するメラニン色素が少ないため、紫外線ダメージを強く受けてしまいます。
マスクで唇が荒れる・ヒリヒリするのはなぜ?
マスクによって乾燥が酷くなるから
マスクの内側は、呼気が充満しているので湿度が高い状態になっています。「湿度が保たれているなら、むしろ乾燥しにくいのでは?」と思うかもしれません。しかし、マスクを外すと、マスク内の湿度・水分の蒸発とともに唇の水分まで奪われてしまうのです。そのため、マスクをしていないとき以上に乾燥しやすくなります。
マスクが擦れて刺激になるから
角層が薄い唇は、摩擦によるダメージにとても弱いのです。マスクが触れて擦れることで、皮剥けやヒリヒリ感を招きやすくなります。
気になって舐めるのも荒れを悪化させる
唇が乾燥したりヒリヒリしたりしているとき、ついつい舐めてしまう人もいると思います。しかしこれは逆効果。乾燥している唇を舐めてしまうと、唇に付着した唾液が蒸発してさらに乾燥を招いてしまいます。また、皮を無理にはがそうとするのもNG!余計に状態を悪化させてしまいます。
マスクによる唇の荒れ・ヒリヒリの予防方法
乾燥を感じる前にリップクリームで保湿ケア
唇が乾燥する前に、リップクリームで保湿しましょう。マスクをつける前は必ずリップクリームを塗る習慣をつけておくと良いですね。なお、お化粧前に塗るときは、口紅がよれないようにリップ美容液のようなエッセンスのものやスティックタイプのリップクリームを使い軽くティッシュオフしてみてください。
乾燥がひどい場合は、スティックタイプよりもチューブタイプやジャータイプのバームの方が保湿力が高くておすすめです。たっぷりめにクルクルと優しく唇に馴染ませるように塗ってみてください。口角や唇の縦じわなど、ひび割れしやすい部分はより丁寧に馴染ませると良いでしょう。
唇の荒れや乾燥を防ぐには、気になったらすぐに保湿することが大切です。マスクをつけていても、乾燥しているかな?と気づいたとらすぐにリップクリームを塗るようにしてください。
UVカット効果のあるリップで紫外線対策も
唇は紫外線の影響を受けやすい部位です。唇が紫外線を浴びると、乾燥やヒリヒリ感・プツプツができるなどの症状が現れることもあります。紫外線から守るために、UVカット効果のあるリップクリームを選ぶようにしましょう。
荒れているときはワセリンがおすすめ
すでに唇が荒れていたりヒリヒリ感が強かったり敏感になっていたりする場合、リップクリームに含まれる成分に反応して炎症が悪化してしまうこともあります。心配な方は、肌に優しいワセリンを使うと安心です。また、炎症や痛み・かゆみがひどい場合は、皮膚科で見てもらい適切なお薬や保湿剤を処方してもらうのもおすすめです。
メイク落としのときにゴシゴシ擦らない!
リップメイクを落とすときにクレンジングでゴシゴシと唇を擦っていませんか?角層が薄くデリケートな唇は、擦れや摩擦による刺激にとても弱い部位です。リップメイクを落とすときは擦らず優しく撫でるようにしてください。
また、唇が荒れやすいときは、そもそも落としにくいリップ(ティントタイプなど)は控えた方が良いかもしれませんね。
リップパックで保湿するのも効果的
唇の乾燥が気になるときは、リップパックをするのもおすすめです。洗顔後やお風呂上がりに唇にたっぷりとリップクリームやワセリンを塗って、その上から小さく切ったラップを当てて10分程度そのままにしておきます。唇をしっかり保湿できるのはもちろん、皮剥けした箇所がふやけて浮き上がるので、キレイにはがせるというメリットもあります。皮剝けをはがす際には、オイルをたっぷりつけた綿棒で浮き上がった皮だけを優しく取り除きましょう。ふやけて浮き上がった皮だけをはがすイメージで、無理にはがそうとしないように注意してください。
まとめ
唇の乾燥や皮剥け・荒れは、こまめにリップクリームで保湿をしたり、唇を舐めないように気をつけたりすることで改善できます。また、夏場の紫外線が強い時期は特に、紫外線カット効果のあるリップクリームを選ぶのも大事です。唇のトラブルにお悩みの方は、ぜひ今回ご紹介したケア方法を試してみてくださいね。なお、炎症や皮剥けがひどい場合は、早めに皮膚科で診てもらうようにしましょう。
美容コンサルタント 清水裕美子
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