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カフェイン断ちの効果とは?離脱症状を抑える正しいやり方

リモートワークが増えたことで、「ついついコーヒーを飲み過ぎてしまう」と感じている方は多いのではないでしょうか。コーヒーをはじめとするカフェインの摂りすぎは、睡眠の質を低下させたり、胃腸に負担をかけたりすることもあります。適度な量なら問題ありませんが、摂りすぎには気をつけたいところ。
そんな方にご紹介したいのが、近年話題になっている「カフェイン断ち」です。この記事では、カフェイン断ちの効果や正しいやり方のほか、カフェイン断ちによって起こりうる離脱症状とその抑え方などについて、管理栄養士の望月理恵子先生に教えていただきました。

望月理恵子

管理栄養士

健康検定協会理事長、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に食べてみた!」など著書も多数。

管理栄養士 望月理恵子

カフェイン断ちとは?

カフェイン断ちとは?

カフェイン断ちとは、その名の通りカフェインを摂取するのをやめることを指します。カフェインが含まれている飲み物の代表例はコーヒーや紅茶・緑茶・烏龍茶などですが、カフェイン断ちにおいては「コーヒーの摂取をやめること」を指す場合がほとんどです。

カフェインを摂りすぎるとどうなるの?

カフェインを摂りすぎるとどうなるの?

カフェインには体に良い作用もあるのですが、問題なのは「摂りすぎ」コロナ禍によって家で過ごす時間が増えたこともあり、コーヒーを1日に何杯も飲んでしまう人が増えているのだとか。カフェインの摂りすぎによってカフェイン中毒になり、体に異変が現れることがあります。

・慢性カフェイン中毒:長期間にわたり慢性的にカフェインに依存している状態

精神的に依存してしまっており、コーヒーを飲まないとイライラし、ひどいとパニック症状がでてしまうこともあります。薬物やアルコールに依存してしまうのと同じような状態です。

・急性カフェイン中毒:短期間に一気に大量のカフェインを摂取することで起こる急性の症状

短期間に大量のカフェインを摂取すると、急性カフェイン中毒になり、めまいや吐き気をもよおしたり、胃腸に不調が出たり、睡眠の質が低下したり、動悸がしたりします。

カフェインの摂りすぎによってこのような症状が出るのは、カフェインが中枢神経系を過剰に刺激して神経を興奮させるからです。

カフェイン依存に陥りやすいワケ

カフェインには覚醒(興奮)作用があるので、眠気を抑えられます。また、カフェインを摂取すると疲れを感じにくくなるとも考えられています。さらに、一時的な血管収縮作用により、頭痛などの痛みを抑える作用もあります。しかし、カフェインを摂取し続けていると、だんだん体が慣れていき、少量のカフェインではこれらの作用を感じられなくなってしまいますそのため、摂取量がだんだん増えていき、カフェイン依存に陥りやすくなるのです。

関連記事:コーヒーの飲みすぎは危険?カフェイン依存症

カフェイン断ちの効果

カフェイン断ちの効果

カフェイン断ちをすることで、以下のような効果が期待できます。

睡眠の質改善

カフェインには興奮作用があるので、摂りすぎると寝つきが悪くなったり途中で目覚めてしまったりなど、睡眠の質が低下します。カフェインを断つことで、これらの症状が和らぎ、睡眠の質が改善すると考えられています。

貧血の予防

カフェインには鉄分の摂取を阻害する作用があるため、貧血を招きやすくなります。そのため、カフェイン断ちをすることで貧血の予防改善につながる可能性があります。

自律神経のバランスを整える

カフェインは体の活動を司る自律神経にも作用します。過剰に摂取すると、心拍数や血圧が上昇した状態が維持されてしまい、自律神経のバランスも崩れやすくなってしまいます。カフェイン断ちをすることで、自律神経のバランスが整いやすくなると考えられます。

胃痛の調子を整える

カフェインには胃液の分泌を活性化させる作用があるため、摂りすぎると胃痛などの症状を招くことがあります。カフェイン断ちをすることで、胃痛の調子が改善する可能性があります。

冷え性の予防改善

カフェインには体を冷やす作用があるため、摂りすぎると慢性的な冷え性につながることがあります。冷え性の方は、カフェイン断ちによって症状が改善する可能性があります。

カフェイン断ちで現れる「離脱症状」とは?

カフェイン断ちで現れる「離脱症状」とは?

これまでカフェインを日常的にたくさん摂っていた人がカフェインの摂取をやめると、以下のような症状が現れると言われています。

  • 頭痛
  • 体のだるさ
  • 頭がぼーっとする
  • 眠気
  • 不安感や気分の落ち込み
  • イライラ
  • 集中力低下
  • 胃腸の不快感

カフェイン断ちの離脱症状が出てしまうワケ

カフェインは依存性が高く、過剰に摂取する状態が続くと、カフェインが切れたときに居てもたってもいられなくなります。薬物依存やアルコール依存と同じで、カフェインを摂り続けていた状態から離脱しようとすると、脳に変化が起き、このような症状が引き起こされると考えられています。

離脱症状はいつ出る?

カフェインを摂っていた量や依存度合いによって異なりますが、一般的にカフェイン断ちした当日〜翌日がピークとなり、症状が4日ほどで軽減していくものの、おおよそ3週間から1カ月続くこともあります。約1カ月カフェイン断ちをすれば、依存性がなくなり、離脱症状もほとんど出なくなると考えられています。

カフェイン断ちのやり方と離脱症状を抑えるためのポイント

カフェイン断ちのやり方と離脱症状を抑えるためのポイント

上記のような離脱症状を抑えながら、カフェイン断ちをスムーズに・ストレス少なく行うための方法やポイントをご紹介します。

まずは自分の摂取量を把握して

カフェイン断ちをする前に、日々の摂取量を把握することが大切ですチェーンスモーカーのように、飲み終わったらまた淹れて飲んで……を繰り返しており、1日何杯コーヒーを飲んでいるのかわからないという方もいるかもしれません。まずは1日にコーヒーを何杯飲んでいるかカウントして、自分の摂取量を把握しましょう。

少しずつ量を減らしていこう

これまでカフェインを多く摂取していた人が、いきなりカフェインを完全に断つと、離脱症状が強く出る恐れがあります。1日に5杯コーヒーを飲んでいた方は、まずは3杯に。翌週は2杯、その翌週は1杯だけ……と徐々に減らしていくと、離脱症状も穏やかになり、少ない負担でカフェイン断ちができるようになります。

コーヒーの代わりにデカフェやハーブティーを

「コーヒーが飲めなくて辛い」という方は、デカフェ(カフェインが入っていないコーヒー)やハーブティーを代わりに飲んでみましょう。最近はデカフェでもコーヒーの香りや味わいが楽しめる製品がたくさんあるので、ぜひいろいろな製品を試してご自身のお気に入りを探してみてください。食後の口直しや作業の区切り・一息つきたいときなどにコーヒーを飲んでいた方の場合は特に、デカフェやハーブティーでも十分その役割を果たしてくれると感じるはずです。

まとめ

ついつい摂取しすぎてしまうカフェイン。嗜好品として1日にコーヒー1杯程度を楽しむのであれば問題はありませんが、摂取のしすぎは睡眠に悪影響を及ぼしたり、イライラや胃腸の不調をもたらしたりする恐れも。カフェインの摂りすぎやカフェインによる不調に悩まされている方は、ぜひ今回ご紹介したカフェイン断ちをやってみてくださいね。また、清涼飲料水として扱われるエナジードリンクにもコーヒーと同程度のカフェインが含まれている場合があります。コーヒーと同様にカフェイン依存に陥りやすい飲料とされているので、エナジードリンクの摂りすぎにも注意しましょう。

管理栄養士 望月理恵子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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