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肌のハリがなくなる原因は?ハリを取り戻すスキンケアと生活習慣を解説

「マスクをするようになって、頬の毛穴やたるみが目立ってきた」「年齢とともに肌がしぼんできた」そんなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。こういったお悩みの原因のひとつが、肌のハリの低下です。そこで今回は、肌のハリが失われる原因やハリを取り戻すためのスキンケア、日常生活で気を付けるべきポイントなどについて、元キャビンアテンダントの美容コンサルタント清水裕美子さんに教えていただきました。

清水裕美子

美容コンサルタント

日本航空の客室乗務員として約5年勤務。乾燥や不規則な生活など過酷な環境の中でもなぜCAたちはみんなこんなにキレイでいられるのか?と疑問を持ち、およそ5000人のCAのきれいの秘密を観察・分析。「CA流美容」として発信する。著書「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが持続するきれいの手抜き」(青春出版社)

美容コンサルタント 清水裕美子

ハリのある肌・ハリのない肌、違いは?

ハリのある肌・ハリのない肌、違いは?

ハリのある肌とは

まずはハリのある肌とはどのような状態なのでしょうか。ハリのある肌とは、こんな状態を指します。

  • 乾燥しておらず、潤っている
  • ゆるみがなく、ピンと張っている
  • 指で皮膚を押すと、押し返してくるような弾力感がある
  • 柔軟性がある
  • 水を弾く

ハリのない肌とは

反対に、ハリが失われた肌とはどのような状態なのでしょうか。以下のような肌悩みは全て、肌のハリ低下と関連が深いと考えられます。

  • 開き毛穴が目立つようになる
  • 肌のツヤが低下する
  • 目元やほうれい線などの大きなシワが目立つようになる
  • 顔全体に細かいシワが目立つようになる
  • 頬などのたるみが目立つようになる
  • 肌が乾燥する

肌のハリがなくなるのはなぜ?

肌のハリがなくなるのはなぜ?

若々しく健康的な肌を保つために欠かせない肌のハリですが、肌のハリは以下のような要因によって失われてしまいます。

加齢によるコラーゲン・エラスチンの減少

加齢によるコラーゲン・エラスチンの減少

肌のハリを支えるのに重要なのは、皮膚の真皮(肌の奥にある層)にあるコラーゲンやエラスチンといった成分です。これらは肌内部で作られるものですが、20代をピークに加齢とともにその生成量が減少していき、40代になると半分近くになってしまうと言われています。この理由は、コラーゲンやエラスチンを生み出す真皮の線維芽細胞の機能が衰えるからです。

ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーの乱れ

皮膚には「ターンオーバー」という作用があり、これによって新たな皮膚が生まれて古い皮膚が剥がれ落ちていきます。このターンオーバーのサイクルは20代では約28日と言われていますが、加齢によってサイクルが遅くなり、40代では40日前後になるとも言われています。また、生活習慣・ストレスなどちょっとした影響で乱れてしまいます。

このようにしてターンオーバーサイクルが乱れた結果、肌内部の水分量が低下したり、皮膚表面に古い角質が居座って分厚く硬くなったりして、肌のハリが損なわれるのです。

紫外線の影響

紫外線の影響

肌の老化にとって最大の敵は紫外線と言われています。特に紫外線A波(UVA)は皮膚の真皮にまで到達し、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えます。

肌の糖化

糖質の高い食べ物(甘いものや炭水化物など)をとりすぎていると、皮膚内部で糖がタンパク質と結合して糖化という現象が起きます。すると、コラーゲンやエラスチンが硬くなったり、コラーゲンやエラスチンの生成が妨げられたりするため、肌のハリや弾力が低下すると言われています。

マスクによる肌のハリ低下も

マスクを日常的につけるようになってから、「肌のハリがなくなってきた」「肌のたるみが気になってきた」といったお悩みが増えています。この原因の一つとして、表情筋の衰えが挙げられます。
マスクがずれたり肌が擦れたりしないように、無意識に表情筋を動かさないようにしている方が多いのです。喋ったり笑ったりするときも、口を大きく開けないようにしている方もいるのではないでしょうか。顔の表情筋は皮膚を後ろから支えているため、それらが低下することで必然的に肌のハリも失われると考えられます。

肌のハリを取り戻すには?

肌のハリを取り戻すには?

加齢や生活習慣の乱れ・ストレスなどによって低下しがちな肌のハリを取り戻すためには、以下のポイントに注意することが大切です。

紫外線対策をしっかり

紫外線はコラーゲンやエラスチンにダメージを与えハリや弾力を低下させますので、紫外線対策は年間を通じてしっかり行いましょう。特に真皮にまで到達する紫外線A波に注意。紫外線A波は窓ガラスを通過するので、室内でも窓際で過ごすことが多い場合は日焼け対策をすることをおすすめします。

日焼け止めクリームを選ぶときは、SPF値だけでなくPA値(+で表記されているもの)もチェックし、しっかり紫外線A波をカットできるものを選ぶようにしましょう。また、日焼け止めは汗や皮脂によって流れて効果が失われてしまいますので、塗り直しをすることも大事です。家にいる場合はタイミングを見て塗り直しを。オフィスワークの方は、化粧直しのタイミングで皮脂をティッシュオフして水分補給をし、その後に塗り直すと良いでしょう。

このほか、紫外線カット効果のあるレースカーテンを使う・車の窓に紫外線カットフィルムを貼るなども有効です。

表情筋の体操や顔まわりのストレッチを

表情筋の衰えを予防し硬くなった表情筋を緩めるには、表情筋の体操を。口を大きく開けたり目を大きく見開いたりして、表情筋をしっかりと動かしてあげましょう。

また、頭皮や首・肩など顔まわりの筋肉が凝っていたり、リンパや血液の流れが滞っていたりするのも、ハリ低下の原因となります。頭皮や胸鎖乳突筋(首筋から鎖骨にかけての筋肉)をほぐすのがおすすめです。マスク生活によって表情筋が衰えていると感じる方は、ぜひ取り入れてみてください。

保湿ケアをしっかり

化粧品で肌内部のコラーゲンやエラスチンを増やすことはできませんが、化粧品で潤いをしっかりと与えることで肌を保湿し、柔軟性を高めることはできます。セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分や、ナイアシンアミド・ビタミンC・ビタミンA(レチノール)といった肌老化予防を助ける成分が入った化粧品を取り入れてみるのもおすすめです。

角質ケアで肌表面を柔らかく

ターンオーバーの乱れによって肌表面に不要な角質が留まっていると、肌がくすんだりごわついたりするため、肌のハリが出にくくなります。定期的に角質ケアを取り入れましょう。
肌負担を少なく角質ケアをするには、酵素洗顔がおすすめです。肌をこするゴマージュや粒子の粗いスクラブピーリングは肌への負担が大きいので、敏感肌の方は避けた方が良いでしょう。このほか、皮膚科や美容皮膚科でピーリングケアを受けるという方法もあります。

糖質は控えめに

甘いものや炭水化物のとりすぎは、肌の糖化を引き起こし、ハリ低下の原因になることがわかっています。野菜や肉・魚をしっかり摂るようにして、栄養バランスが整った食事を意識しましょう。また、甘いものやお菓子は食べすぎないようにしましょう。

タンパク質やビタミンCをしっかり摂って

体内でコラーゲンの元となるのはタンパク質です。また、コラーゲンを作る際にはビタミンCが必要です。毎日の食事でこれらの成分をしっかり摂れるように意識してみてください。なお、タンパク質とビタミンCを含むおすすめ食材は、鶏の手羽元です。根菜類と一緒に圧力鍋で煮込んでポトフのようなスープにしたり、煮物にしたり、汁ごと食べられる料理にすると良いでしょう。

睡眠をしっかり

睡眠不足になると肌コンディションが悪化することからもわかるように、睡眠は皮膚の細胞を修復する時間でもあります。睡眠中に分泌される成長ホルモンによって、肌のハリを支えるのに重要なコラーゲンやエラスチンなどの生成が行われます。睡眠時間をしっかりと確保し、リラックスして眠れるようにしましょう。

まとめ

肌のハリ低下は30代以降に急増するお悩みですが、最近はマスクの影響で若い人でも肌のハリ低下に悩む方が増えているとか。肌のハリがなくなると、肌全体の調子が悪くなり、疲れて見えたり老けた印象になったりしてしまうものです。日々のスキンケアにハリ改善やエイジングケアができるアイテムを使ったり、食生活や生活習慣に気をつけたり、自分なりの対策法を見つけて弾力のある肌を目指しましょう。

美容コンサルタント 清水裕美子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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