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妊娠前から授乳期にとりたい栄養素!葉酸の効果や摂取方法を解説

妊娠前から授乳期にかけての女性は、ご自身や赤ちゃんのために普段以上に栄養分をしっかりと摂取する必要があります。中でも赤ちゃんの成長にとって重要な働きをするのが、葉酸です。今回は、妊娠前から授乳期にかけて葉酸を摂取すべき理由や上手な葉酸の摂り方などについて、北堀江奏でレディースクリニックの寺田先生に教えていただきました。

寺田裕之

北堀江 奏でレディースクリニック 院長/医学博士

大阪市立大学医学部卒業後、大阪市立大学医学部附属病院や市立柏原病院、小阪産病院などに勤務。2019年1月に北堀江奏でレディースクリニックを開院。「すてきな人生を『奏でる』お手伝いがしたい」をモットーに、女性が前向きに治療を受けられる環境づくりに尽力している。

北堀江 奏でレディースクリニック 院長/医学博士 寺田裕之

葉酸とは

サプリメントを手のひらに乗せて飲もうとしている様子

葉酸は、水溶性のビタミンB群の一種です。体内で赤血球を作ったり、おなかの赤ちゃんの遺伝情報に関わるDNA合成を助けたりする役割を担っています。そのため、特に妊娠初期から授乳中の女性は葉酸の摂取が必須であり、厚生労働省でも妊娠を計画している女性に対して葉酸の摂取を推奨しています

妊娠前に葉酸をとるべき理由は?葉酸の効果

胎児の成長イメージ

胎児の先天性異常リスクの低減

妊娠前から葉酸を摂取すべき第一の理由は、葉酸にはおなかの赤ちゃんの先天性異常のリスクを低下させる働きがあるからです。妊娠初期段階で葉酸が欠乏している場合、赤ちゃんの神経管閉鎖に異常が起こり、無脳症や二分脊椎などの奇形が発症するリスクが高まります。妊娠前から十分に葉酸摂取することでそれらのリスクが低下することが報告されています。

胎児のDNA合成を助ける

妊娠初期の女性のおなかの中では、赤ちゃんの細胞分裂が活発におこなわれています。葉酸は、その際にDNAの合成を助ける働きをしています。

赤血球をつくる

葉酸は、赤血球の生成を助ける栄養素です。葉酸が欠乏していると、巨赤芽球性貧血という貧血症状を起こしやすくなります。なお、同様の役割をする栄養素にはビタミンB12も挙げられ、両者は「造血のビタミン」と呼ばれています。

葉酸はいつから・どのくらい摂り始めればいい?

葉酸ドリンクを手に持つ妊婦

葉酸は妊活中からしっかり摂取するのが望ましい

諸外国の研究結果からは、神経管閉鎖障害のリスク低減のための葉酸の接種時期は妊娠1か月以上前から妊娠3か月までとされています。そのため妊娠が発覚してからの摂取では対応が遅れてしまう恐れがあります。妊活中から意識してしっかりと摂取しておく必要があります。

妊活中〜授乳中の葉酸の目安摂取量

厚生労働省によると、妊活中から授乳期にかけての葉酸の摂取量は以下となっています。

  • 妊活中(妊娠1か月前程度)〜妊娠初期
    通常の食事による摂取240㎍+サプリメントなどでの摂取400㎍

  • 妊娠中
    通常の食事による240㎍+サプリメントなどでの摂取240㎍

  • 産後〜授乳期
    通常の食事による240㎍+サプリメントなどでの摂取100㎍


(※)㎍とは
マイクログラムのこと。1㎍は1gの100万分の1に相当。

妊活中ではない人にも葉酸は必要。18歳以上男女1日あたりの推奨量

葉酸は、妊活中や妊娠中・授乳中でない人にとっても必要不可欠な栄養素です。葉酸欠乏は、巨赤芽球性貧血心血管疾患や脳血管障害・認知症・といった病気と関連性があるともいわれています。厚生労働省によると、18歳以上男女の1日あたりの推奨量は1日あたり240㎍となっています。

葉酸が多く含まれる食材は?

様々な食材

葉酸は、野菜や海藻・豆類・果物・魚・肉類など、さまざまな食品に含まれています。葉酸含有量が高い食材は以下です。

  • 野菜:アスパラガス・パセリ・枝豆・ほうれん草などの緑黄色野菜
  • 海藻類:海苔・わかめ・こんぶなど
  • 豆類:きなこ・大豆・納豆・小豆・そら豆など
  • 果物:ライチ・イチゴ・アボカド・マンゴーなど
  • 魚類:うなぎ(肝)・たたみいわし・煮干し・めざしなど
  • 肉類:鶏レバー・牛レバー・豚レバーなど

 

100gあたりの葉酸含有量が多い食材

葉酸が多く含まれている食材の中でも、100gあたりの含有量が特に多いのは以下です。

  • 野菜類:えだまめ320㎍(ゆで:260㎍)
  • 海藻類:焼きのり1,900㎍
  • 果物類:ライチ100㎍
  • 魚類:うなぎ(肝)380㎍
  • 肉類:鶏レバー1,300㎍


上記の食材を積極的に摂取することで効率的に葉酸を摂ることができますが、栄養バランスが偏らないようにすることが大切です。特に注意が必要なのは、魚類や肉類のレバーです。レバーに大量に含まれるビタミンAは、過剰摂取することで赤ちゃんの奇形発生リスクを高めるとされています。葉酸を多く含むからといって、レバーを摂り過ぎないように注意しましょう。栄養が偏らないように、なるべく複数の食材から葉酸を摂取してください。

摂取不足を防ぐためにサプリメントの活用を

上記に葉酸を多く含む食材を紹介しましたが、葉酸は代謝や吸収過程で様々な影響を受けるので、生体利用率は一定でありません。また水溶性のビタミンであるため、調理過程での影響も受けやすくなっています。そのため、食事だけで推奨摂取量を達成するのはかなり大変だと言えるでしょう。妊娠前〜授乳期の女性に対しては、厚生労働省も通常の食事での摂取+サプリメントの活用を薦めています。

まとめ

おなかの赤ちゃんの健やかな成長のために欠かせない葉酸。妊活中の方は、ぜひ葉酸を含む食材を積極的に食べつつ、サプリメントを活用してしっかり摂取するようにしましょう。

北堀江 奏でレディースクリニック 院長/医学博士 寺田裕之

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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