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自己肯定感が低い原因は?セルフチェックの方法と高めるために意識したい対策

「私ってなんてだめなんだろう……」
「他人に比べて私は劣っている……」

人間だれしも、こんなネガティブ思考に陥って自己肯定感が低下してしまうことはありますよね。でも、自己肯定感の低下が慢性化してしまうと、何をしても心が満たされず毎日を楽しめなくなってしまいます。そこで今回は、一般社団法人 日本メンタルアップ支援機構の大野萌子先生に、自己肯定感が低下する原因や改善するためのポイントなどを教えていただきました。

大野 萌子

一般社団法人 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える働く人のための言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

一般社団法人 日本メンタルアップ支援機構 代表理事 大野萌子

自己肯定感とは?自己肯定感を高めるべき理由

自己肯定感が高くメンタルが整っている様子

自己肯定感とは

自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定し好意的に受け止める感覚のこと。他人とくらべてどうかではなく、自分を自分として認め、自分に価値を感じられる精神状態を表します。

自己肯定感を高めるとどんな良いことがある?

自己肯定感は、人間関係や社会生活・仕事などにおいて幸福や満足を感じるために必要な感覚です。自己肯定感が低いと、ネガティブ思考に陥りやすくなったり、他人に過剰に影響されたり、他人の些細な言動に過敏になったりしてしまいます。自己肯定感を高めることで、以下のようなメリットがあります。

前向きになれる

自己肯定感が低いと、自分を卑下したり必要以上に自分を責めたりして、あらゆる場面でネガティブ思考に陥りがちです。しかし、自己肯定感を高めれば、自分自身のだめなところや至らないところも許容し、受け入れられるようになります。失敗やミスをしても必要以上に落ち込まず、前向きに消化して立ち直れるようになるはずです。

ぶれない自分らしさ・自分の軸を持てるようになる

自己肯定感が低いと自分に自信が持てないため、他人の言動に影響されやすくなります。自己肯定感が高まれば、自分の意見や気持ちを素直に受け入れられ、他人に左右されない自分らしさ・自分自身の軸を持てるようになります。

人との違いを受け入れることで、他人に対しても寛容になれる

自己肯定感の低い人は、他人の言動に左右されやすく、おのずと他人の言動に過敏になります。そのため、他人に対して些細なことで怒ったりイラだったり悲しんだりしてしまいがちです。自己肯定感を高めて自分らしさ・自分の軸を確立すれば、「他人と自分は違って当たり前」とすんなり受け入れられるようになります。そのため、他人と意見が違っても、「人は人、自分は自分」と割り切り、他人に対しても寛容になれます。

自己肯定感の低い人の特徴とは

自己肯定感が低く憂鬱な様子

前項でも少し説明しましたが、自己肯定感の低い人は、以下のような特徴があります。

  • 物事をネガティブに捉えやすい
  • 他人や社会にとって自分が必要な存在だという意識を持ちにくい
  • 他人に依存しやすい
  • 「私にはできない」と決めつけやすい
  • すぐに他人と自分を比較しやすく、嫉妬の感情を持ちやすい
  • 自分の人生や生活に満足できない
  • 他人の称賛を素直に受け入れられない
  • 困難な状況に直面すると、すぐに逃げてしまう
  • 完璧主義である


このような性格的な特徴が必ずしも「悪」というわけではありません。しかし、時として人間関係にトラブルをきたしたり、日常生活における生きづらさの原因になったりすることがあります。

自己肯定感を高めるためには

自己固定感の高い人と低い人

焦ることなく、「ちょっとずつでも変わっていければOK」と考えて

では、自己肯定感を高めるためにはどうしたらよいのでしょうか。もちろん、長年の性格的特徴というのは、一朝一夕で変わるものではありません。「さあ今日から自分を好きになろう!」とポジティブ思考を意識すると、その無理がかえって自分自身を苦しめてしまうこともあります。ですから、長い目で見て“自分を肯定できる自分”になれるよう、焦らず少しずつ変えていきましょう。具体的には、以下のポイントを意識してみてください。

まずは現状を認め、受け入れる

前述したとおり、自己肯定感の低い人がいきなり前向きになったり自分を認めたりするのは難しい話です。
ネガティブな思考回路を持っていることも含めて、「これが自分である」と受け入れることから始めましょう。

自分の気持ちを大切にする

自己肯定感の低い人は、他人がどう思っているのか・他人がどう振舞っているかを気にしがちです。「他の人はこう言っている」「他の人はこうしている」といったことはひとまず気にしないようにして、「自分がどうしたいのか」「自分はどう感じているのか」に意識を向けてみましょう。

ポジティブになれる要素に目を向ける

自己肯定感の低い人は、難しい課題や問題にぶつかったとき、瞬発的に「自分には無理」「自分にはできない」と考えてしまいがちです。でも、こういった状況でも「少しならできるかも」「やってみればできるかも」と、ポジティブになれる要素を見つけてみてください。そして、実際に言葉に出してみましょう。日々意識的に繰り返していくことで、言葉が持つポジティブな意味に影響を受けて前向きな思考になっていきます。

「完璧でなくてもOK」と受け入れる

自己肯定感の低い人には、完璧主義が多い傾向にあります。そのため、何事に関しても「0か100」という思考になってしまいがちです。でもそこで、「50・・・55でもOK」と思うようにすることが大事です。例えばダイエットをしているとき、「今日はたくさん食べてしまった。だからもう意味がない。私にはダイエットなんて無理なんだ。」となってしまうのではなく、「今日はたくさん食べてしまったけど、運動も少しはしたし、昨日は我慢できた。明日からまた頑張ればいっか」という思考に切り替えるのです。できなかった部分にばかり着目して「自分はダメだ」と落ち込むのはやめて、できた部分を見て前向きに捉えましょう。

まとめ

自己肯定感を高める、それは決して簡単なことではないかもしれません。でも、焦らずじっくり自分と向き合い、少しずつでも変わっていけるよう意識してみましょう。自分自身の気持ちに耳を傾け、自分の良いところに目を向けることで、ありのままの自分を認めてあげられるようになるはずです。

一般社団法人 日本メンタルアップ支援機構 代表理事 大野萌子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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