美肌につながる「腸活」とは。腸活におすすめの食材と簡単レシピ
健康とくらし
2021年08月27日掲載
近年注目を集めている「腸活」というワード。腸活とは、腸内環境を整えることでウイルスなどに負けない健康的な体づくりや、ニキビや肌荒れのない美しい肌づくりを目指すことを指します。
今回は腸活のメリットやポイント、腸活におすすめの食材や山芋を使った「美腸グリーンスムージー」の作り方について、日本美腸協会認定講師福原康子さんに教えていただきました。
福原康子
日本美腸協会認定講師
日本美腸協会は、ストレスの多い現代人が抱えているお腹の悩みを腸に関する専門的な知識や正しい腸もみ技術を使い、毎日の生活から健やかな心と身体を育むサポートをしています。
INDEX
腸活とは?
腸活とは、腸内環境を改善して健康な体づくりや美肌づくりを目指すことを指します。腸内環境を改善するためには、食事や運動などで「腸内フローラ」と呼ばれる腸内細菌のバランスを整えることが大切です。
腸活のポイントは、腸内フローラバランスを整えることにあり!
腸内フローラとは
腸内には、1,000種類以上、100兆個以上の腸内細菌が生息し、「腸内フローラ」と呼ばれるものを形成しています。腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に大別でき、これらが理想的なバランスで生息していると腸内環境は良好に保たれます。
善玉菌
善玉菌は「体に良い働きをする腸内細菌」です。腸の運動を促しておなかの調子を整えたり、消化吸収を助けたり、免疫刺激の補助をしたりなどの役割をします。
悪玉菌
悪玉菌は「体に悪い働きをする腸内細菌」です。腸内を腐敗させて有害物質を作り出し、便秘や下痢・ニキビや吹き出物などさまざまな不調をもたらします。
日和見菌(ひよりみきん)
日和菌は「良い働きも悪い働きもしない菌」です。しかし、腸内の善玉菌・悪玉菌の優勢な方に味方する性質があります。
腸内フローラの理想的なバランスとは
腸内フローラの理想的なバランスは、善玉菌20%:悪玉菌10%:日和見菌70%です。腸活では、それぞれの細菌群をこの割合に近づけることを目指します。
腸活で腸内環境を整えると、どんな良いことがあるの?
腸内フローラバランスを整え、腸内環境が改善されると、以下のような体調不良や病気の予防につながります。
便秘の改善
腸内で悪玉菌が増えると、腸内の腐敗が進んで腸内環境が悪化し、便秘気味になります。お腹が張ったり下痢になったりすることも。腸内フローラバランスを整えることで、こういったお通じに関する悩みを予防・改善できます。
ニキビなどの肌荒れを起こしにくくなる
腸内で悪玉菌が増えると、有害毒素が生じて血液を介して全身に巡り、ニキビや肌荒れの原因になると考えられています。また前述したように、腸内環境の乱れによって便秘気味になると、体内に毒素が溜まりやすくなり、それもニキビや肌荒れの要因に。腸内環境を整えることで、こういった肌トラブルの予防改善が期待できます。
免疫力が上がる
腸内には「腸管免疫」という免疫システムがあり、腸内環境が良好だとその働きが活性化すると言われています。これはつまり、免疫力アップが期待できるということです。免疫力アップは、風邪や感染症などのウイルスに負けない体づくりのために必要不可欠な要素。特に感染症が流行っている今は、腸内環境を整えて免疫力アップをはかりたいものです。
うつ病や気分の落ち込みを予防
腸内環境は、幸福感やポジティブ思考を作り出すセロトニンやドーパミンといったホルモンの合成とも深い関係を持っています。腸内環境が整うとこれらの合成が促進されるため、うつ病や気持ちの落ち込みといった状態の予防改善につながります。
現代人は腸内環境が乱れやすい・・・なぜ?
前述したように、腸内環境を整えることは体にとって多くのプラスをもたらしてくれます。しかし、現代人は腸内フローラのバランスが乱れがちです。その理由としては、以下が考えられます。
- 精神的なストレス
- 栄養バランスの偏った食事
- 運動不足
- 睡眠不足
- 長期間にわたる抗生物質の使用
- 喫煙
- アルコールの摂取
ストレスや運動不足・睡眠不足・栄養バランスの偏った食事など、いずれも現代人に当てはまるものばかりではないでしょうか。最近は在宅時間が増えてお酒やタバコの量が増えてしまったという方も多いかと思います。
このほか、加齢も腸内フローラのバランス悪化を招きます。60歳をすぎると善玉菌の数は減少し、悪玉菌の数が増えていくと言われているのです。これらのことから、理想的な腸内環境を作るには、積極的な対策をとる必要があると言えます。
良好な腸内環境は食事で!山芋で作る「美腸グリーンスムージー」
腸内フローラのバランスを整えるポイントは、腸まで生きて届く善玉菌を入れつつ、食物繊維やオリゴ糖でさらに良い菌を増やすことです。
山芋がもつレジスタントスターチは大腸まで消化されずに運ばれ、善玉菌のエサとなり腸内細菌のはたらきをバランスよくサポートします。ほかにも乳酸菌、食物繊維、オリゴ糖がバランスよく摂れる朝におすすめの栄養チャージの一杯です。早速作っていきましょう。
【材料(2人分)】
バナナ・・・1/2本
キウイ・・・1個
アボカド・・・1/2個
パイナップル・・・100g
無調製豆乳・・・100cc
ヨーグルト・・・50g
甘酒・・・大さじ2
山芋・・・50g
カットフルーツはお好みでok!時間のある週末にカットして冷凍保存しておくと朝すぐミキサーにかけられます。今回、山芋は冷凍とろろを使いましたが、皮を剥いてカットしたものを加えても良いです。
ミキサーに投入するだけで簡単調理!「美腸グリーンスムージー」の作り方
材料が準備できたら、調理に進みましょう。複雑な工程は一切なく、具材をミキサーに入れるだけで簡単に作れます。ぜひチャレンジしてみてください。
1.バナナ、キウイ、アボカド、パイナップルは適当な大きさに切り、ミキサーの中に材料を全て入れる
2.ミキサーで全体をかき混ぜる
3.全体が液状になるまでかき混ぜて、グラスに注げば完成
とろろが入っているので腹もちが良くお昼まで仕事や家事にしっかり集中できます。
美腸グリーンスムージー習慣を継続すると善玉菌が増え整腸作用が期待できます。切る・混ぜるの簡単2ステップだけでプロバイオティクスとプレバイオティクスを同時にかなえることができます。
美腸グリーンスムージーのポイント
1.プロバイオティクスとプレバイオティクスが同時にかなう
プロバイオティクスとは人体に良い影響を与える乳酸菌やビフィズス菌などの微生物やそれらを含む食品の総称です。プレバイオティクスとは善玉菌のエサとなり腸内フローラを健康的なバランスに整える食品の総称、代表的なものにオリゴ糖や食物繊維があります。善玉菌を摂りつつさらに増やしていくことが美腸へのポイントです。
2.美肌のためのたんぱく質と食物繊維
豆乳は植物性たんぱく質と腸内環境を整えるオリゴ糖がたっぷり!アボカドは水に溶けず、便のかさを増やす不溶性食物繊維と善玉菌のエサになり便に水分を与えスルッと排泄する水溶性食物繊維がバランスよく含まれています。
3.朝食をきちんととる
朝食をとると、腸への刺激となり自然なぜん動運動を促し排泄を促します。冷たいものは腸にとってはストレスなので口の中でいったんあたためてから飲み込むことをおすすめします。
まとめ
肌荒れやニキビ・便秘・感染症などの病気の予防のためには、腸内環境を健やかに保つことが大切。しかし現代人は腸内環境が乱れる要因をたくさん持っているのも事実です。日頃から意識的に腸内環境を整えるための対策をしたいものです。ぜひ今回ご紹介した腸活レシピを食事に取り入れてみてくださいね。
日本美腸協会認定講師 福原康子
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。