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硬水と軟水の違いって何?飲み分けのすすめ
健康とくらし
2017年06月01日掲載
「硬水・軟水ってことばはよく聞くけど、その違いって何?」
「どういうふうに飲み分けたらいいの?」
きちんと答えられる人が意外と少ないこの疑問に、日本初のアクアソムリエとして10年以上活躍する山中亜希さんが回答します。専門家ならではの知識がつまった、おすすめのお水リストもご紹介! 個性豊かなお水たちから、お気に入りの銘柄を見つけてみてはいかがでしょうか。
山中 亜希
アクアソムリエ・アクアデミア校長
2004年、ミネラルウォーター専門店「AQUA STORE」の立ち上げと同時にイタリアにてアクアソムリエの資格を取得。2008年より、アクアソムリエを養成するミネラルウォーターの専門スクール「AQUADEMIA」を開校し、校長に就任。ミネラルウォーターの正しい知識・情報の普及のために講演などを行っており、海外からもセミナー講師として招待されている。
INDEX
硬水・軟水の違いとは
硬水と軟水の違い、それは「硬度」です。硬度とは、お水1Lあたりにどれだけカルシウムとマグネシウムが含有されているかを表す数字です。硬水・軟水は硬度で振り分けられます。そのボーダーラインはWHO(世界保健機関)やメーカーなどが各々独自に定義をしています。一例として、日本の理化学辞典では硬度178mg/L以下を軟水、357mg/L以上を硬水と定めており、アクアデミアではその中間にあたるお水を中硬水としています。
一般的に軟水は日本人が飲みなれているすっきりまろやかな味、硬水は舌や喉に引っかかる重たい味といわれています。
日本は軟水、ヨーロッパは硬水というイメージは間違い?
「軟水の国」というイメージの強い日本ですが、国内でも地域によってお水の硬さは異なります。関東と関西でおだしの味が違うように、お水も地方によって個性があるんですよ。例えば琵琶湖を主な水源とする関西の水は軟らかいのが特徴ですが、それに対して関東のお水は関東ローム層(火山灰層)に含まれる炭酸カルシウムなどの影響で比較的硬いという特徴があります。また、沖縄では中硬水の地域が多いです。
もちろんヨーロッパも地域ごとにお水の特徴が異なります。例えば、フィンランドなど北欧の国は軟水、ドイツやオーストリアは硬水、フランス・イタリアは中硬水の地域が多いです。コントレックスなどの有名な硬水がヨーロッパ産であるため、「ヨーロッパ=硬水」というイメージを持たれがちですが、その土地々々の地層や地質でお水の硬さは変わるのです。
あなたの悩みを解決する?アクアソムリエおすすめお水リスト
ダイエット中の方におすすめ!
商品名:ベラフォンタニス
種類:硬水・炭酸水
特徴:
カルシウムのあまみとシュワッとした炭酸が飲みやすい超高硬度炭酸水。腸にお水を集める働きのあるマグネシウムと老廃物を排出する働きのあるサルフェート(硫酸塩)を豊富に含んでいるため、便秘解消とデトックス効果が期待できます。またダイエット中に不足しがちなカルシウムやマグネシウムのミネラルをゼロカロリーで補給できるのもおすすめポイント。
運動をする方におすすめ!
商品名:ゲロルシュタイナー
種類:硬水・炭酸水
特徴:
ドイツ生まれの天然炭酸水。カルシウム・マグネシウム・ナトリウムを多く含むので、運動中に汗で失ったミネラルを補給できます。また天然炭酸が疲労を和らげる効果もあるので、運動後に積極的に飲んでいただきたいお水です。
煮物料理におすすめ!
商品名:エビアン
種類:中硬水
特徴:
フレンチアルプスで生まれ、長く愛され続けている有名な中硬水「エビアン」。野菜などに多く含まれるペクチンはカルシウムと結合することにより固くなるという性質があるので、カルシウムの多いエビアンで煮込むと煮崩れしにくくなります。また肉などのあくが分離しやすいという特徴もあるので、野菜とお肉を一緒に煮込む肉じゃがやスープとの相性も抜群です。
お米を炊くときにおすすめ!
基本的に日本米は軟水で炊くことをおすすめしますが、お料理によっては中硬水や炭酸水が合う場合もあります。
例えばピラフのように米粒のパラパラ感を残したいお料理をするときは、中硬水で炊いてみてください。少し芯が残って、いわゆるアルデンテな仕上がりになります。また炭酸水でお米を炊くと、ふっくらと水分を含んだごはんが炊けます。時間がたってもぱさつかないので、お弁当用ごはんにおすすめです。
コーヒー、紅茶、緑茶をいれるときにおすすめ!
商品名:新水いぶき
種類:軟水
特徴:
北海道生まれの新鮮なお水。加熱殺菌やフィルター殺菌などが一切されていない、まさに“天然水”。「とにかくこの水でいれたコーヒーがおいしい!」というコーヒー愛好家の声が多いお水です。もちろん緑茶や紅茶にもおすすめ。
便秘のときにおすすめ
商品名:エパー
種類:硬水
特徴:
フランス生まれの超硬水。フランスの内科で便秘のときに処方される水として知られているお水です。便を柔らかくするマグネシウムが多く、便秘がちの方におすすめです。
海外旅行でおなかをくだしたくないときにおすすめ!
お水の衛生面が不安な国に旅行をする際は、現地で手に入る炭酸水を飲むことをおすすめします。特定の菌は炭酸水の中では生きられないので、他のお水を飲んだ場合よりもおなかをくだしにくくなります。また、炭酸水でうがいをするのもおすすめです。
アクアソムリエおすすめ!硬水のおいしい飲み方
硬水は喉越しが重たく舌に引っかかる独特の風味があるので、苦手意識を持っている方も多いでしょう。そこで、硬水初心者におすすめしたい飲み方のポイントをご紹介します。
ポイント1・飲みやすい中硬水や炭酸入りの硬水から飲み始める
硬水に苦手意識を持っている方の多くは、かなり高い硬度のお水を飲んでいる可能性があります。いきなり硬度が1000mg/L以上の超硬水のコントレックスなどを飲むと強い違和感を覚えてしまうかもしれないので、中硬水や硬さを感じにくい炭酸入りの硬水から始めてみましょう。
ポイント2・よく冷やして飲む
硬水は冷やすことで硬さが飛ぶ(硬さを感じにくくなる)ので、慣れていないうちは常温よりもキュッと冷やして飲むことをおすすめします。レモンを搾って爽やかさをプラスするのも良いでしょう。反対に、硬水を熱することはおすすめしません。煮沸するとミネラルが沈殿してしまい、お水に入っているミネラルを吸収しづらくなってしまいます。白湯(さゆ)で飲みたい場合は、ほんのり温める程度にしましょう。
他にも食事の際に一緒に飲んだり、糖分に気をつけながらフレーバーウォーターにしたりして工夫をすれば徐々に舌と体が硬水に慣れていきます。1週間飲み続けると味に慣れてきて、硬水の効果を感じられるようになる方が多いということは、コントレックスの公式ホームページでも紹介されています。ご自身のおなかの調子をみながら、まずは1週間頑張ってみてください。
お水を選べるぜいたくな時代を楽しんで
実は私は25歳くらいまではお水が苦手でした。仕事の都合でお水を飲むようになってから、それがきっかけで頭痛・腹痛・肌荒れがウソのように改善されたんです。
今振り返ってみると「健康のためにお水を飲むと良い」ということは知っていても、そもそもお水を飲む習慣がない人は自分が水不足で喉が渇いているという自覚がありません。かつての私がそうだったように、飲み始めて、初めてお水が健康に良いということに気がつかれる方もいらっしゃいます。
もしかしたら、今よりちょっとお水のことを意識して飲むことが、健やかな人生を歩むきっかけになるのかもしれません。インターネットなどでさまざまなお水を手にすることができるようになった現代だからこそ、自分の体質や生活にあったお水を探してみてはいかがでしょうか。
監修
アクアソムリエ・アクアデミア校長 山中亜希
AQUADEMIA URL: http://aquasommelier.jp/
AQUASTORE URL: http://www.aquastore.jp/
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。