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よくかんで食べる「ゆっくりご飯」で心も体も健康に。
健康とくらし
2017年04月27日掲載
よくかんで食べることは体に良いとわかっていても、なかなか実践できない。そんなことはありませんか? 仕事の納期や子供の送り迎えなど時間に追われる生活でついた「早く食べるクセ」はなかなか抜けないものですよね。
でも、よく考えてみてください。ただ「かむ」だけ――たったそれだけのことが心身のより良い健康につながるなら、実践してみる価値があるとは思いませんか? 今回は意識するだけでは難しい「ゆっくりご飯」を習慣にするコツを管理栄養士の酒井絵理奈さんにききました。
酒井絵理奈(さかいえりな)
大学卒業後、ワタミの介護で管理栄養士として勤務。入社3年目の有料老人ホーム施設の立ち上げの際は、食事管理システムの構築を経験。結婚後も、企業での栄養指導を1,000件以上するなどして活躍。
「ゆっくりご飯」のメリット
ゆっくりとよくかんで食べるメリットを解説します。
ダイエット効果
脳にある満腹中枢を刺激されると人は満腹感を得るようになります。食欲を抑えるためにはゆっくりとよくかんで食べることが効果的です。人は満腹中枢が刺激されるまでは満腹感が得られず、食べることを抑えられません。逆にいうと、満腹中枢を刺激さえすれば無理にご飯を我慢したり、制限したりしなくても、食事量を抑えてダイエットをすることができます。
早食いをすると満腹中枢を刺激する前に食物を胃にとりこんでしまうので食欲のブレーキが働かずに食べ過ぎることになります。食べ過ぎによって肥満にならないためにも、ゆっくりかんでご飯を食べることは重要です。
集中力アップ
ご飯をあまりかまずに食べると、急激に血糖値が高くなります。そして、一定の時間が過ぎると今度は一気に血糖値が低下。この激しい血糖値の低下は眠気の原因となり、集中力持続の邪魔をします。
しかし、ゆっくりとよくかむことで血糖値の急上昇が抑えられます。その結果、血糖値が急低下することなく集中力が続きます。
かむ回数が自然と増えるような工夫を取り入れよう!
そもそも「食べる」という動作は、食べものを口の中に入れる ⇒ かむ ⇒飲みこむといった流れのくり返しで成り立っています。こういった動作のうちどれかが速くなると、いわゆる「早食い」になってしまいます。
特にかむ回数が少ないと早食いになってしまうのは否めません。理想的なかむ回数は「一口30回」、目安として1食20分かけて食べるようにしましょう。しかし、食べものを口の中に入れる度にかむ回数を数えるのはつらいですよね。ですので、最初の一口目だけかむ回数を数えてみてそのときの感覚を覚えておけば大丈夫です。
そしてゆっくりご飯を習慣にするには、自然とかむ回数が増えるような工夫を取り入れてみましょう。
- 野菜を少し固めに茹でる
- 食材を少し大きめにカットする
- 一口ごとに箸やフォークなどをテーブルに置く
- 食材そのものの風味を味わうため、薄味にする
- 歯ごたえのある食材を料理に使う。
食物繊維が豊富な根菜類(例:ごぼう・れんこん・たけのこ)、ナッツ類(例:アーモンド・ピーナッツ)、たこ・いかなど。 - 家族で今日一日の出来事を互いに話し合いながら食べる
ゆっくりとよくかんで食べることを心がけて心身ともに健康に
毎日仕事や家事・子育てに忙しく、食事にあまり時間をかけられないかもしれません。しかしゆっくりかんで食べることがダイエットやストレス解消につながるなら試してみたいと思いませんか?
ゆっくりとかむ食事をすれば心身ともに健康な生活に近づくことができる。体調がよく心に余裕があれば仕事や家事、人間関係もうまくいきそうですよね。この後の食事からゆっくりご飯を始めてみましょう。
監修・執筆
酒井 絵理奈/管理栄養士
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。