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ものもらいの原因は?治し方や市販薬の選び方を解説!

ものもらいができたとき、「放っておいてもそのうち治るだろう」と考えていませんか?
もちろん、自然治癒することもあるのですが、重症化するケースもあるため、ものもらいができたときは適切に対処することが大切です。この記事では、ものもらいの原因や対処法の他、市販薬の選び方などについて眼科医の山内明子先生に教えていただきました。

山内 明子

【監修】田町三田やまうち眼科 院長

東京医科大学眼科学教室入局。蕨市立病院眼科勤務。高野眼科医院勤務。2015年 田町三田やまうち眼科開業。

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ものもらいとは?種類と症状を解説

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ものもらいってどんな病気?

ものもらいは、まつ毛の根元にある脂腺や汗腺に細菌が感染することで発生する疾患です。医学的には麦粒腫と呼ばれています。ものもらいが起きる主な原因はブドウ球菌の感染によるもので、発症する場所などによって以下の2種類に分類されます。

外麦粒腫(ガイバクリュウシュ)

まつ毛の根元にある毛嚢や脂腺(モル腺)が感染することで発生します。目の外側にできるため、外見上目立ちます。

内麦粒腫(ナイバクリュウシュ)

まぶたの内側にあるマイボーム腺が感染することで発生します。内側に膿が溜まるため、外からは見えにくいことがありますが、痛みは強いことが多いです。

ものもらいの1種?霰粒腫(サンリュウシュ)って?

霰粒腫は、マイボーム腺の脂が詰まってしまうことが原因で起きます。発症すると、まぶたの皮下に硬くなった腫瘤(しこり)を感じるようになるのが特徴です。麦粒腫との違いは、感染が原因ではないということ。そのため、痛みが生じることはありません。ただし、皮膚側に霰粒腫ができた場合は皮膚が発赤することがあります。

ものもらいの主な症状

  • 腫れ:目のまぶたが赤く腫れ上がります。
  • 痛み:触わると痛みを感じます。まぶたの動きに伴って痛むこともあります。
  • 膿(うみ):感染した部分に膿が溜まり、中心に小さな白い点が現れることがあります。
  • 目の充血:ものもらいがある部分の周囲が赤くなることがあります。

ものもらいになると、最初赤みがあらわれ、人によっては軽い痛みやかゆみを伴います。炎症が進むと、赤み・腫れ・痛みが強くなり、膿が溜まって重症化することも。場合によっては切開して膿を取り出さなければならないこともあるため、ものもらいの症状が出たらできるだけ早めに対処することが大切です。なお、人によって重症度やどこまで進行するかは異なります。

ものもらいの原因と対処方法

ものもらいの原因と、すぐにできる対処方法についてご紹介します。

ものもらいの原因

手を洗わずに目を触る

手を洗わずに目の周辺を触ったり、こすったりすることで細菌が入りやすくなります。目を触る前には必ず手を洗いましょう。

汚れたメイクブラシやスポンジ・古い化粧品の使用

汚れたブラシやスポンジを使用すると、そこに繁殖した細菌が目に入ることがあります。また、古い化粧品の使用にも注意です。化粧品やブラシは定期的に洗浄し、古いものは使わないようにしましょう

また、まつ毛の生え際にインラインとしてアイラインを引いたりマスカラを根元ギリギリまで塗ったりする人は多いかと思いますが、まつ毛の生え際までメイクをすると、マイボーム腺を塞いでしまいやすくなり、ものもらいの原因になることがあります。このほか、アイメイクをしっかり落としきれていない場合も、目元が不衛生になりやすいのでものもらいのリスクが高くなります。

コンタクトレンズの不適切な使用

洗浄が不十分なコンタクトレンズを使っている、またはコンタクトレンズの長時間使用・使用期限が切れたコンタクトレンズの使用などは、ものもらいの感染リスクを高めます。レンズケースやレンズを清潔に保ち、使用期限は必ず守りましょう

疲労やストレス

疲れやストレスで免疫力が低下しているときも、ものもらいにかかりやすくなります。十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、疲労やストレスを溜めないように注意しましょう。

ものもらいができたときの対処方法は?

目を触らない!

ものもらいができてしまったら、目元を清潔に保つことが何より大切です。手で患部を触らないように注意しましょう。気になって触ったり、かゆくてこすったりしてしまうと、症状が悪化しやすくなります。

アイメイクやコンタクトの使用は控えて

症状を悪化させないために、腫れ・痛み・かゆみなどの症状が治るまでアイメイクやコンタクトレンズの使用は中止してください。

人にうつさないようにも気をつけて

ものもらいの発症者が使ったタオルなどを他の人が使うと、その人の目や皮膚に細菌が感染することがあります。特に、免疫力が低下している場合や目を触る癖がある人は、感染しやすくなります。ものもらいができたときは、家族や同居人とタオルなど顔や手に直接触れるものを共有しないようにしましょう。特に目や顔を拭くタオルは個別に使用することが大切です。

ものもらいの市販薬の選び方

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市販薬の選び方は?

ものもらいは、軽度であれば1週間程度で自然に治ることもありますが、悪化させないためには市販薬を使って早めに治療することが大切です。以下のような成分が含まれた市販薬を選びましょう。

抗生物質成分が含まれているもの

抗生物質成分が含まれている点眼薬や軟膏には、細菌の感染を抑える効果があります。例えば、抗生物質成分を含む「クロロマイセチン点眼薬」などがおすすめです。

抗炎症成分が含まれているもの

抗炎症成分が含まれている点眼薬や軟膏には、痛みや腫れを抑える効果があります。

ものもらいができたときは、これらの市販薬を使用して、2~3日ほど経過を見てみましょう。通常であれば、2~3日で症状が落ち着いてきますが、「腫れ・痛みが引かない」「むしろ悪化している」といった場合は、眼科を受診してください。

ものもらいで病院を受診する目安と治療方法

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病院を受診する目安は?

上述した「市販薬を使用しても効果が感じられない」といったケースの他、以下のような場合は早めに眼科を受診することをおすすめします。

  • 症状が1週間以上続く
  • 痛みや腫れが悪化する
  • 視力に影響が出る
  • 膿が大量に出る

病院での治療方法

ものもらいに対して眼科では以下のような治療をするのが一般的です。

抗生物質の点眼薬または軟膏の処方

細菌の感染を抑えるために、抗生物質の点眼薬や軟膏を使用します。

切開排膿

膿が溜まっている場合、切開して膿を出す処置を行います。

ステロイドの使用

炎症を抑えるために、ステロイド剤を使用することがあります。

まとめ

ものもらいは誰でもかかる身近な病気です。今回ご紹介したようなさまざまな原因で発症するため、日頃から目の周辺を清潔に保つように意識しましょう。また、「ものもらいかも」と感じたら、市販薬を適切に使用するか、可能であれば早めに眼科で診てもらうことをおすすめします。早めの対処が症状の早期改善や再発防止につながります。

【監修】田町三田やまうち眼科 院長 山内 明子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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