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おいしくて栄養豊富!ナッツの健康効果
病気・症状と予防
2016年04月28日掲載
ナッツといえば、お酒のつまみというイメージが強いかもしれませんが、おつまみとしてだけではもったいないほど、栄養がたっぷり含まれています。たとえばアーモンドのビタミンEは、かぼちゃの約5倍含まれているほか、食物繊維はキャベツの約5倍も!さらに血液をサラサラにするオレイン酸も豊富で、驚くほど栄養価が高いのです。
天然のサプリメント“ナッツ”を普段の食事にとりいれてみましょう。
ナッツってどんなもの?
ナッツにはさまざまな種類がありますが、定義としては「硬い殻でおおわれた木の実」のこと。アーモンド、クルミ、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツなどがあります。いずれも脂肪分は多く含まれていますが、その脂肪は生活習慣病の予防にも良いとされる不飽和脂肪酸で、適度に摂取することで美容にも健康にもよい効果が期待できます。
アーモンド
ナッツとしてもっとも一般的に知られているのがアーモンド。抗酸化作用がありアンチエイジング効果のあるビタミンEが豊富に含まれています。また脂肪燃焼に欠かせないビタミンB2や食物繊維も豊富なため、ダイエットの効果も期待できます。
くるみ
くるみの成分の約7割は脂質で、健康に良いとされるオメガ3脂肪酸がナッツの中ではもっとも豊富です。オメガ3脂肪酸は動脈硬化を防ぎ、コレステロール値や中性脂肪値を下げるなど、生活習慣病の予防に効果があるとされています。
カシューナッツ
カシューという木になる実で、中華料理にもよく使われています。亜鉛や鉄などのミネラルも豊富で、オレイン酸もたっぷり。ナッツのなかではもっとも糖質が高いので、エネルギー補給には最適です。食感がやわらかく甘みもあるので食べやすいナッツです。
ピスタチオ
他のナッツよりやや小さめながら、その栄養価の高さから”ナッツの女王”とも呼ばれるピスタチオ。塩分を排出する作用のあるカリウムが豊富であるため、高血圧予防のほか、むくみの解消にも効果が期待できます。
マカダミアナッツ
ハワイのおみやげとしても有名なマカダミアナッツは脂質の割合がおよそ75%と高いですが、その多くは体によい不飽和脂肪酸で、なかでも脳卒中などの疾患や肌荒れなどに効果のあるパルミトレイン酸がナッツ類では唯一含まれています。
ヘーゼルナッツ
お菓子の材料としても使われることの多いヘーゼルナッツ。脂質が豊富ですが、炭水化物やタンパク質もバランスよく含まれています。オレイン酸はアーモンドの約1.6倍と豊富で、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルも豊富です。
ピーナッツはナッツではない!?
ナッツといえば、一番に思い浮かぶのは”ピーナッツ”だという方も多いのでは?実は、ピーナッツはマメ科の豆で、地中になる植物のため、正式にはナッツではありません。ただし栄養価はナッツ類と同様に高く、不飽和脂肪酸であるオレイン酸・リノール酸のほか、抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれています。ピーナッツの渋皮には、アンチエイジング効果やメタボを抑制する効果のあるレスベラトロール(ポリフェノールの一種)が豊富に含まれているため、皮ごと食べるといいでしょう。
ナッツの驚きの健康効果!
ダイエットのほか、メタボや高血圧を予防にも
ナッツに含まれる不飽和脂肪酸は、マグロやサンマなどの魚やオリーブオイルやゴマ油などにも含まれる脂質です。これは牛脂やバターのように常温で固まる脂とは違って、体内でも固まりにくい脂。オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸があり、血中の中性脂肪やコレステロール値を下げたり悪玉コレステロールを減らす効果のある、”健康に良い脂”です。
また、特にアーモンドにはダイエット効果もあります。人間が食べた脂肪は胃液などに含まれるリパーゼという酵素によって分解、吸収されますが、アーモンドにはこのリパーゼの働きをブロックする効果があるのです。そのため脂肪は分解・吸収されずに排出されてダイエットになると考えられます。
カルシウム、カリウム、マグネシウムといった慢性的に不足しているミネラルも豊富に含まれており、まさに”天然のサプリメント”といえます。
美肌・老化防止
シミやシワが増えたりタルミができたりする老化の原因は、体の酸化と糖化です。酸化は紫外線やストレスなどによって増えすぎた活性酸素が原因で、この活性酸素を防ぐ効果があるのが、ビタミンE。ナッツにはこのビタミンEが豊富に含まれています。
また糖化は、体内の余分な糖とたんぱく質が結びついてできるAGEという老化物質が原因。アーモンドを摂取することで、AGEが減少することが分かっています。
整腸作用
ナッツに含まれる食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維で、胃や腸で水分を吸って膨らみ、腸のぜん動運動を活性化させます。ナッツを毎日食べる人は、便秘が解消されることが多いというデータもあります。
食べ方には要注意!
食べ過ぎは肥満のもとに
健康に良いナッツですが、たくさん食べればいいというものではありません。ナッツは脂質が多いため少量でもカロリーが高く、食べすぎるとカロリーオーバーで肥満の原因になってしまいます。ナッツを食べるときは、1日25g程度、アーモンドだけなら1日25粒ほどを目安に摂取しましょう。
素焼きで無塩のものを選ぶ
おつまみ用のナッツには、食塩が加えてあったり、油で揚げているものもあります。味がついていると、量を食べてしまうことにもつながるので、無塩で素焼きのナッツを選びましょう。
便秘が悪化することも
食物繊維が豊富で便秘解消の効果もあるナッツですが、便秘の種類によっては悪化することもあります。特に腸のぜん動運動は正常なのに便意を我慢したりすることで便秘になっているタイプでは、さらに便がつまってしまうことにつながります。ナッツを摂取して便秘が悪化する場合は、摂取をやめるようにしましょう。
酸化していない新鮮なものを
ナッツに含まれている不飽和脂肪酸は酸化しやすいため、古くなったものは逆効果です。封を開けたものは早めに食べる、密閉容器に入れて冷蔵庫など高温多湿を避けて保存するようにしましょう。
監修
辻ウェルネスクッキング 辻ヒロミさん
辻ウェルネスクッキング副校長。管理栄養士、調理師、フードスペシャリスト。
中之島プラザ・フレンチレストラン「ルミエール」で修行。雑誌メゾン、プチフールなどのメニュー、レシピ制作、栄養指導等務める。
TEL:06-6632-0663 公式サイト:http://www.tsuji-w-cooking.com/
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