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目の若さをキープ!老眼を予防する方法
病気・症状と予防
2015年08月06日掲載
近くの小さな字が読みづらかったり、ピントを合わせづらくなって気づく「老眼」。およそ40歳頃から始まって、65歳くらいまで症状が進行、その後は視力が安定するようになります。
老眼は誰にでも起こる目の老化現象ですが、トレーニングをすることで、老眼を予防したり進行を遅らせることができます。
老眼とは?老眼になるしくみ
目の中には、カメラのレンズのような役割をする水晶体があり、水晶体のまわりには、毛様体筋という筋肉があります。人間の目はこの毛様体筋を収縮させて水晶体の厚みを変えていて、遠くを見るときは、毛様体筋がゆるんで水晶体は薄く、近くを見るときは、毛様体筋が縮んで水晶体を厚くしています。
しかし年齢を重ねると、水晶体自体が硬くなって厚さを変えにくくなり、毛様体筋も衰えるため縮む力が低下します。そのため、近くのものにピントを合わせづらくなってしまうのです。
あなたの目は若い?老けてる?老眼チェック
以下の項目に2つ以上当てはまれば、老眼の可能性があります。
- 部屋の中が今までよりも暗く感じるようになった
- 小さな文字が見えにくく感じる
- 長時間パソコン作業をすると、目がかすんだり、しょぼしょぼする
- 近くのものを見ると疲れる
- 本や新聞を見るとき、少し遠ざけるとよく見える
- 頭痛や肩こりがよくある
- ピントをあわせるのに時間がかかるようになったと感じる
- 近視で、メガネやコンタクトを外すと、近くのものが見えやすい
- 数字や文字を読み間違えることが多い
- 携帯電話やスマホの文字が読みづらい
今から始めよう!老眼予防トレーニング
水晶体の厚さを調節する毛様体筋を鍛えることで、目の老化を予防したり進行を遅らせることができます。
パソコン作業などをしているときは1時間に1回程度、そうでない場合でも1日に数回行うといいでしょう。
遠く&近くを眺める体操
①ペンなどを手に持って、腕を伸ばし、ペンを2~3秒見ます。
②次に、外の景色など遠くを2~3秒見ます。これを3セット行います。
目を開く&閉じる体操
①目をギュッと閉じます。
②閉じた目をパッと見開いて2秒キープします。これを3セット行います。
眼球をまわす体操
顔を動かさないようにして、眼球だけ回します。
上→斜め左上→左→斜め左下→下→斜め右下→右→斜め右上、と8箇所を見るようにぐるっとまわします。これを3セット行います。
目を健康に!老眼予防の生活術
目の老化を予防したり、老眼の進行を遅らせるためには、食事や生活習慣に注意することも大切です。
①目にいい食材・サプリメントを摂る
目の健康を保つためには、体全体の健康を保つことを考えなければなりません。目によいからといって、一つの食材ばかりをとっていては栄養バランスが崩れ悪影響ですから、まずはバランスのとれた食事を心がけましょう。その上で、特に目によいとされる栄養素、アンチエイジング効果(抗酸化作用)のある栄養素を摂取するようにします。
ルテイン
目の水晶体にもともとある物質で、強い抗酸化作用があります。ほうれん草やにんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
アスタキサンチン
目のピント調節の改善が期待される、抗酸化作用の強い物質です。サケやイクラ、カニ、エビなどに多く含まれています。
ビタミンB1、ビタミンC
ビタミンB1には、筋肉の疲れをやわらげる働きがあり、目の疲れをやわらげるのにいいでしょう。豚肉、うなぎ、玄米などに多く含まれています。
また水晶体には多くのビタミンCが含まれているため、ビタミンCもしっかり摂るようにします。赤ピーマンや黄ピーマン、パセリなどの野菜やキウイやグレープフルーツなどのフルーツに多く含まれています。
②眼に入る紫外線の量を減らす
老眼は、水晶体に弾力がなくなって硬くなることが原因の一つですが、硬くなってしまう要因として上げられるのが、紫外線による活性酸素の発生です。ですから、できるだけ目に紫外線を入れないような工夫をするのもいいでしょう。UVカット加工のサングラスや帽子などで、紫外線を防止しましょう。
③視力に合った老眼鏡をつくる
近くのものが見えにくいままで生活すると、目に負担がかかってしまいます。見えにくさを感じたら、自分の視力に合った老眼鏡をつくりましょう。老眼は65歳くらいまで進行しますから、2~3回は作り変える必要があります。見えにくさを感じたら、眼科や眼鏡店などでチェックしてもらいましょう。
また、遠近両用コンタクトレンズもあります。コンタクトレンズの使用に慣れている人は、眼科で相談してみましょう。
こんな悪影響が!老眼鏡をかけないでいると…
老眼で近くのものが見えにくくなっても、我慢して老眼鏡をかけないでいると、眼精疲労を起こし、肩こりや頭痛、食欲不振や吐き気といった症状を感じることがあります。
また、「老眼鏡をかけると、逆に老眼が進行する」と勘違いしている人もいるかもしれませんが、老眼鏡をかけてもかけなくても、65歳くらいまで進行が続きます。老眼鏡をかけると近くのものが見えやすくなることから、老眼鏡を外したときの見えにくい状態がこれまで以上に気になり、老眼が進行したかのように感じられるためだと考えられます。
「近視の人は老眼にならない」!?
「近視の人は老眼にならない」というウワサがありますが、これは間違いです。水晶体や毛様体筋の衰えは、すべての人に起こる老化現象ですから、近視の人も同じように老眼が進行します。
ただし、近視の人は遠くのものが見にくく、近くのものにピントが合っている状態です。そのため老眼になっても、裸眼であったり弱めのメガネをかけている状態なら、もともと近くにピントが合っているため、”近くのものが見えにくい”とは感じにくくなります。
近視の人がメガネやコンタクトをつけているときは、老眼になれば近くのものは見えにくく感じます。
監修
梅北眼科 西田雅宏先生
2004年愛媛大学医学部卒業、同大学医学部附属病院勤務。市立宇和島病院、市立大洲病院、愛媛県立中央病院、住友別子病院を経て、グランフロント大阪に梅北眼科を開院。
日本眼科学会認定眼科専門医。日本眼科学会、日本眼科手術学会、日本網膜硝子体学会。
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。